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ヴェルスパ大分 シーズン総括 臨機応変な戦い方できぬまま終戦 【大分県】

オー!エス!OITA

写真/オー!エス!OITA SPORTS

今季の結果

リーグ戦 6位 11勝12分7敗 37得点・37失点

天皇杯  県予選敗退

 

 今季の全日程を終えたヴェルスパ大分は、目標のJ3昇格を逃し、6位でフィニッシュ。24日の最終戦は今季を象徴するような試合になった。序盤はボール保持率で勝り、相手を押し込み、試合を優位に進めた。ただ、「ボールを保持するが点が取れない。勝ち切れない。今日は守備のミスが少なかったのは良かったが」と今季限りで退任が決まった山橋貴史監督。堅守を誇るラインメール青森が相手とはいえ、前後半ともにシュート3本ずつに終わり、無得点で試合を終えた。

 

 決めるべきを決め、守べきを守る。今季改めて浮き彫りになった課題が、試合後の山橋監督の言葉に込められていた。技術の高い選手を抱えて期待されながら、またしても中途半端な順位に終わったのも事実である。結果的には一度も優勝争いに加われず、シーズンを通してインパクトを残せなかった「悪癖」は払拭できなかった。

 

今季は主導権を握るも得点が遠かった

 

 最終戦をスコアレスドローで終えた後、山橋監督は「自分たちのスタイルは確立できたが、1年を通した中で結果を出せなかった。勝ち切るためには一歩も二歩も壁を乗り越えて行かなければいけない」と評した。今季は12度の引き分けが示す通り、勝てる試合を逃げ切れず、簡単に失点を許し、思うように勝ち点を積み重ねることができなかった。

 

 また、戦い方に柔軟性が足りなかったのも事実だろう。チーム戦術のベースであるボール保持と前線からの守備が機能しない状況において、個々がどのように対応していくのかが明確ではなかった。「対戦相手に研究された。守備を固めてカウンターを仕掛けるチームや、中盤を飛ばしてロングボールを蹴ってくるチームなど、自分たちのスタイルを出しにくい試合が増えた。ただ、そんな状況でも、システム変更や選手交代で勝つ手段を明確にしなければいけなかった」と山橋監督。

 どんなタイプの相手でも戦える「臨機応変さ」が来季の課題だといえる。

 

4年間、チームを指揮した山橋貴史監督

 

 

(柚野真也)

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