「税制優遇制度」の本当にオトクな使い方【60歳からの賢い投資術】
「貯蓄から投資へ」という流れの中で、60代になり「お金の貯め方・増やし方」だけでなく「賢い運用法」に悩む方もいらっしゃるのではないでしょうか。書籍『増やしながらしっかり使う 60歳からの賢い「お金の回し方」』(KADOKAWA)は、そんなシニア世代に向けた一冊。ライフプランニングと投資に精通した著者が、これからの時代に合った資産運用、年金の最適な受け取り方、そして大切な資産を長持ちさせるための「取り崩し方」を分かりやすく解説します。単に増やすだけでなく、人生を豊かにするための「賢いお金の回し方」のバランスを見つけるヒントが満載です。セカンドライフを安心して、そしてより豊かに過ごすために、ぜひご一読ください。
※本記事は横田 健一(著)による書籍『増やしながらしっかり使う 60歳からの賢い「お金の回し方」』から一部抜粋・編集しました。
毎月の収入からも投資する
勤労収入がある間は、手元資金の一部だけでなく、毎月の収入の中からの積立投資をすることもできます。積立投資とは、毎月一定の額で投資信託などを継続的に買っていくものです。証券会社や一部銀行などで、世界株ファンドなどの積立投資ができます。
定時定額の積立投資では基準価額が高いときは少ない口数、安いときはたくさんの口数を買うことになります。高いときにまとめて買ってしまう失敗を避けやすく、平均買付単価を低く抑える効果が期待できるとされています。
税メリットのある企業型DCやiDeCoで積立投資をする
勤務先で確定拠出年金(企業型DC)がある人や、個人でiDeCo(個人型DC)に加入している人は、ご自身で選んだ商品で掛金を運用しています。その運用先も見直してみましょう。
受給開始までの期間や、使いたい時期までの年数にもよりますが、企業型DCを保険や預金で運用するのは本当にもったいないと思います。企業型DCやiDeCoは運用益が非課税というメリットがありますが、保険や預金では利益が小さく、運用益非課税のメリットを十分に活かすことができないからです。
また両制度とも少なくとも60歳までは受け取ることができず、自動的に長期での運用となります。長期で築いていく資産を保険や預金で運用すると、インフレに対抗できない可能性があります。
これらの理由から、基本的には世界株ファンドで運用するのが適しています。
さらに、安易に解約できないため、短期的な値動きが気になってよくないタイミングで売ってしまうという失敗が避けやすいという利点もあります。
基本的に受給開始は60歳から75歳までの間で選択できます。50代前半であれば、60歳まで10年近くありますから、運用商品は世界株ファンド100%でいいでしょう。働き方、ライフプランにもよりますが、もし60歳時点で価格が下がっていたら、そのまま保有して回復を待つのが得策です。
ちなみに、アメリカでは、ある程度の年齢に達すると、強制的に引き出し始めないといけない、最低引き出し義務があります。給付開始年齢は59・5歳、給付開始義務は72歳到達時または退職時のいずれか遅い方となっています。どんなに遅くても72歳から受け取る、ということです。
・本書の記載内容は、2025年4月時点の情報に基づいています。
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