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不登校ジャーナリストが勧める寄り添い方とは?子どもが行き渋りになったら最初に何をするべき?

ママスタセレクト

文部科学省が公表した「問題行動・不登校調査」によると、2023年度の全国の小中学校における不登校児童生徒は約34万6千人で、11年連続での増加と過去最多を記録。小中学生の27人に1人は不登校児童がいる計算となり、子どもの不登校は多くの親が向き合っている問題といえるでしょう。こうした不登校や学校の行き渋りに悩む親へ、次の一歩を踏み出すためのオンラインイベントとして、「不登校・行き渋り 初級講座〜『学校、行きたくない』への3つの視点〜」が2024年11月14日に行われました。今回はオンラインイベントを取材した内容をご紹介します。

わが子が不登校になるかも!最初の一歩で大事なことは「焦らず休むこと」

オンラインイベントでは不登校ジャーナリストの石井しこうさんが登壇。石井さんは自身も不登校経験者であり、400人を超える当事者に取材をしてきた方です。まず石井さんからは「学校に行かなくなった最初の最初に意識したほうがいいこと」についてお話がありました。

数々の不登校や学校の行き渋りの問題を見てきたなかで、石井さんが最初の一歩として親が大事にしてほしいこととして、2つのポイントを挙げられました。まず1つ目が「焦らず休む」ことです。

不登校の問題に関わらず、子どもが心に抱える傷は、親からはもちろん自分からも見えづらいものです。子どもが学校に行かずに家のなかにいる状況を目にしても、何かしらの原因があって心が傷ついたから家にいるのか、ただただ怠けているから家にいるのかという違いはわかりにくいでしょう。

しかし石井さんは「基本的に行かなくなるまでの過程で、子どもはすごく傷ついていると捉えてください。その傷は、いったん休めば快方していくことが多いです。だからこそ焦ることなく休むことが大事です」と語っていました。

1.焦らず休む。勉強の遅れは短期間でも取り戻せるから焦らないで

「焦らずに休む」といいましたが、子どもが学校に行かなくなることで心配になるのは、「授業についていけなくなり、勉強が遅れてしまうこと」ではないでしょうか。1日でも学校を休めば、1日分の勉強が遅れると考えてしまいますよね。しかし石井さんによると、学び直しは親が思っている以上に短期間で取り戻せるのだとか。「学校に行かないことだけでなく、勉強の遅れも焦らなくて大丈夫」と自身の経験も踏まえてお話がありました。

そもそも親が焦ってしまう背景にこそ、子ども本人が学校に行きたくなくなった理由を孕んでいるケースも少なくありません。たとえば受験シーズンでこれから受験が控えている場合、親が「早く学校に行かなければ」と焦ってしまうことで、子どもは受験という壁に苦しくなっていることもあるそう。子どもは親の焦りを敏感に感じ取って、そうした苦しみを言葉に出せないことも多いのです。

親が「〇〇があるから学校に行かないとダメ」と思うことが、子どもにとっては大きなプレッシャーになります。本人も焦る理由は理解していることも多いので、焦って学校に行かせようとせず、ゆっくりと落ち着いて子どもの不安や苦しみを解きほぐしてあげることが大切とのことでした。

2.雑談が大事。親子の雑談は子どもの安心感や自己肯定感に繋がる

2つ目のポイントは「雑談が大事」ということ。「雑談」は、子どもの脳にも関わってくるといいます。石井さんによると、雑談は脳の記憶領域のなかでぼんやりと検索をかけ、語感から得たイメージをつり上げ、そのイメージを言語化して考えるという過程を通ります。そうした流れは脳のエクササイズとなり、直観力や発想力の向上にも繋がるのだとか。石井さんはこれまでも親と何気ない雑談をすることで元気になったり、やる気を取り戻して学校に行きたくなったりする子どもを数多く見てきたそうです。

不登校に悩む子どものなかには完璧主義の子も多く、「失敗が怖いから学校に行けない」「もうダメだ」とすぐに諦めたり、やる気が出なかったりしやすいそう。しかし親と雑談をすることは、安全な環境で他愛もない時間を過ごせているという証にもなります。親との安心できる関係性だからこそできる雑談によって、平穏な気持ちや自己肯定感の高まりが得られ、「自分は大丈夫」「失敗しても次に活かせる」という力が身に付くそうです。

また雑談をするときの注意点としては、本当になんでもない会話をすることだそうです。たとえば遠回しに、学校や勉強に関連する話をそれとなく雑談風に話しかけても「お母さんは勉強しろと言っているんだな」と理解して、子どもはストレスになってしまいます。テレビを一緒に見ながら「これが美味しそうだね」「このアニメ楽しいね」など、何気ない雑談をすることが安心感に繋がると石井さんは締めくくっていました。

子どもが「学校に行きたくない」と言い出すと、無理やり連れて行こうとしたり、なんとか学校に行かせようと促したりしてしまうものではないでしょうか。「じゃあ今日は行かなくていいよ」と言うことは、仕事や環境の準備が整っていないと簡単にはできないことです。しかし親が焦ることなく子どもを見守ることで、改善に向かうケースは少なくないことがわかりました。これらを知っていると、親も学校を休ませたり、焦らず見守ったりできる勇気に繋がるのではないでしょうか。


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