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東日本唯一の準大手私鉄、消滅へ 「新京成電鉄」を感じられるポイントを実際に探して巡ってみた

鉄道ホビダス

text & photo:東條伴哲

新京成電鉄8800形。明日以降は「京成電鉄松戸線」の車両となる。写真はまだ「shin-kei-sei」のロゴがあった頃のもの。

 2023年10月、衝撃的なニュースが鉄道界をざわつかせました。それが京成電鉄による新京成電鉄吸収合併の話題です。以前より京成電鉄の100%子会社であった新京成電鉄ですが、2025年3月31日をもって新京成電鉄は解散となり、これを機に会社名が完全に消滅。2025年4月1日以降は京成電鉄の一部となります。今回はそんな大転換機を目前に控えた3月末の新京成電鉄へ実際に訪れ、押さえておきたいポイントを見てみることにしました。

【写真】「京成松戸線」移行間近の新京成電鉄はどうなってる?写真をもっと見る

■「新京成電鉄」「新京成線」の文字を探す

路線名を大きくアピールしたポスター。「Hello!」のロゴには合併日の「4.1」という日付も隠されている。

 吸収合併されるということは、新京成線はまもなく京成電鉄の1路線とカウントされることを意味します。路線名はすでに「松戸線」となることが発表されており、合併を告知するポスターにも「Hallo! Matsudo Line」と書かれ、新路線名が大きくアピールされています。
 ということで、路線図や駅、沿線に散りばめられた「新京成線」の文字を探してみることにしました。訪れたタイミングではすでにステッカーで上貼りされた仮のものとなっていましたが、これはこれである意味過渡期を表す貴重なものでもあります。
 また、駅名の変更こそありませんが、駅ナンバリングも新京成独自の「SL〇〇」というものから、京成の「KS〇〇」に変更されます。ナンバーは新津田沼駅が「KS66」から、松戸駅の「KS88」までとなる予定で、ナンバー自体は京成千原線からの続番となっています。
 なお、運賃体系は京成電鉄のものではなく、現在のものを引き継ぐ方針であることが、すでに判明しています。

■車両カラーはどうなる?

 2014年よりシンボルマークの制定と同時に展開された白と「ジェントルピンク」のツートンカラーは、今や新京成の顔と言ってもいいほど象徴するものとなっています。このイメージカラーやシンボルマーク、駅看板なども4月1日以降、京成カラーを基調としたものに順次変更されることになっています。また、車両についても順次デザインが更新されることが発表されているので、今の姿が残っているうちに、記録をしておきたいものです。

■続々登場するリバイバルカラー

 2024年7月にN800形が登場当時のマルーンの帯色へ復刻されたのを皮切りに、第二弾で8800形の「千葉線直通色」、第三弾で同じく8800形の登場時のカラーリングが復刻されました。懐かしいクリーム地にマルーンの帯色のカラーリングの復活は多くのレイル・ファンが待ち望んでいたということもあり、非常に注目されています。特に8800形の登場時カラーに関しては、リニューアルで前面行先表示器がフルカラーLEDになっていたりと、登場時カラーが現役だった当時とは外観に違いがあることで、今までにはなかった組み合わせの新形態が誕生しました。こうした視点からも話題になっています。
 これらのカラーリングは新京成電鉄の最後を彩る車両として、レイル・ファンたちの記憶に残り続けることでしょう。

新京成電鉄としては最後の桜だろうか。今年は少し開花も早かったこともあって、列車を見送るように咲き誇っていた。

 関西でも折しも同様の準大手私鉄となる泉北高速鉄道が同日に南海電鉄へ吸収合併され、東西で大きな変革が起ころうとしています。あまり見ることのできないであろう、会社自体の消滅と統合という瞬間を是非記録に収めておきたいものですね。

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