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トム・ハンクス、スーパーヒーロー映画は「物語に立ち戻るべき時期」と持論 ─ マーベル&DCからの打診は「特にない」

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俳優トム・ハンクスの代表作を挙げはじめるときりがない。『フォレスト・ガンプ/一期一会』(1994)や『プライベート・ライアン』(1998)、『グリーンマイル』(1999)『ターミナル』(1999)『ハドソン川の奇跡』(2014)……。そのキャリアは唯一無二で、ストリーミングサービス隆盛の今でも映画にこだわり、基本的にテレビドラマには出ていない。その一方、ハリウッドを席巻するスーパーヒーロー映画にもいまだ出演していないのだ。

「スーパーヒーロー映画を否定するわけではない」というハンクスは、一定の距離を取りながらこのジャンルを見ている。ポッドキャスト番組「」では、自身の視点からスーパーヒーロー映画の“今”を分析。ドラマ「バットマン」(1966-1968)や「アメイジング・スパイダーマン」(1977-1979)の当時を振り返り、「あのころコミックを再現する技術はありませんでしたが、今ではなんでもできる」と語った。

「おそらく、クリストファー・リーヴの『スーパーマン』(1978)がコミックに近づいた最初の作品だったと思います。ワイヤーを消去できる最先端技術のおかげで、僕たちは(人間は空を飛べるのだと)信じることができた。すさまじい映画でした。今では豊かな贅沢を享受していますが、今の僕たちは、“それで、ストーリーはどうなの?”というコンセプトに立ち戻っています。[中略]何のためにやるのか、どんな物語を語るのか、私たちについての何を語ろうとしているのか。」

ハンクス自身、かつては「DCやMCUの映画を観ることで、より良い自分自身を見ていた時期があった」という。「X-MENに共感し、スパイダーマンのように戸惑い、バットマンのように怒り、キャプテン・アメリカのように国を愛した。僕たちはそのような20年を過ごしてきたのです」。しかし、今では状況が変化したのではないかという。

「今では進化のさなかにいると思います。“ストーリーは? テーマは? この映画のポイントは?”。映画監督にとっては良いチャレンジですが、業界にとっては穏やかではないのかもしれません。業界はよく、“これが成功したら次も大丈夫”と言いますが、観客はその先を行っていて、見慣れたものを見ると、“次はどうする? 驚かせるだけじゃなくて、ストーリーはどうなんだ? 僕たち自身のことを語ってくれ”と思うんですよ。僕たちは毎年新しい領域に踏み込んでいるように感じますね。」

実際のところ、ハンクスが考えているほど現実の観客が理性的で賢明かはわからない(原作や既存のイメージに忠実でないフランチャイズ映画は、それだけでファンのバッシングを受けるからだ)。しかしながら、少なくともハンクスは、スーパーヒーロー映画はテーマやストーリーが最も大切な時期にあると見ている。

ちなみにハンクスは、マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長や、DCスタジオのジェームズ・ガンから特別な打診を受けたことはないという。「おそらく、僕は彼らの領域にいないのだと思います」というが、彼自身もスーパーヒーロー映画に強い関心はないようだ。「言えるのは、今の僕はかなり手一杯だということ。やりたいこと、実現したいことがたくさんあるんです」と語った。

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