江の島にいる「ヘビの神」 今年は「巳年」
今年は「巳年」。市内各地にもヘビにまつわる伝説や意匠が残っている。その一つが、江島神社奉安殿の「八臂弁財天御尊像」。同像の頭頂部に鎮座するのが、老爺の顔にヘビの体を持った「宇賀神」という神だ。普段は冠に隠れており見ることはできないが、今年は奉安殿に同部の写真が展示される予定だという。
「宇賀神は、五穀豊穣の神とされ、農耕民族である日本人の信仰の対象だった」と話すのは、同神社の堀嵜壮さん。
源頼朝が造らせたとされ、国重要文化財に指定されている同像は、現在は福の神として知られるが、頼朝の時代には戦の神とされた。「今の弁財天は、後世で宇賀神と結びつき福徳の神とされた」。同像は、現在の信仰の形が早い段階に現れた作例として評価されている。
なぜヘビなのか。「ヘビの脱皮する姿は生命の永続性を現わしているといわれ、世界各地域でも信仰されており、救急車や世界保健機関(WHO)のロゴマークに採用されている」という。
何かと縁起の良いヘビ。堀嵜さんは「ぜひ、お越しいただければ」と呼び掛けている。