300店舗・1600食以上のフライドポテトを食べ歩いたマニア・ポテトマン山下が教える「発祥」と「おすすめチェーン」
日々の天気や街のトレンド、おいしいゴハンに大人の悩み、社会の仕組み・・・1日イチ「へぇ~」なトピックスを。新進気鋭のコラムニスト、ジェーン・スーが、生活情報や人生の知恵をナイスなミュージックと共に綴る番組。
今日のゲストは、フライドポテトマニアのポテトマン山下さん です。
フライドポテトが好きすぎて、専門店まで始めてしまったポテトマン山下さん。いつごろからフライドポテトが好きだったのでしょうか?
ポテトマン山下かつては一介のフライドポテト好きだったんですが、「ほかの人よりかなり好き」と自覚したのが、2017年ごろでした。実は、当時、ポテトを売るメーカーで仕事をしていて、しょっちゅう食べていました。普通なら飽きると思いますが、私は一向に飽きることなく、ずっと好きだったんです。また、当時勤めていたメーカーはベルギーの会社なのですが、現地で出会ったフライドポテトの美味しさに衝撃を受けました。その感動を日本にも伝えたいという気持ちもありました。それで、食べ歩いて、SNSで発信するようになり、今にいたります。
そんなポテトマン山下さんに、「フライドポテトの基本のキ」を教えていただきました!
ポイント①発祥はベルギー?フレンチフライの意外な歴史
諸説ありまして、難しいところなんですが、よく言われているのは、ベルギー説。
第一次世界大戦のころ、ベルギーでは、川でとれる小魚を油で揚げて食べていたんですが、あるとき、ベルギーの西部で川が凍結して、小魚がとれなくなってしまったんです。
そこで、じゃがいもを小魚のようにカットして、フライにして食べていたことが始まりと言われています。
当時、戦争のために、アメリカ人がベルギーのフランス語圏に駐屯していて、「フランス語圏で作られた料理」という意味でアメリカ人が名付け広めた、というのが、定説とされています。
そのため、世界的には「フレンチフライ」という名称で定着しているんですが、ベルギー人からすると、「うちが発祥だ!」という反発が根強いんです。ちなみに、ベルギーでは「フリッツ」と呼ばれています。
Qベルギーのポテトの特徴は?
ベルギーでは必ず2度揚げをします。ザクッとしてクリーミー。ケンタッキーみたいなストレートの太目が多いんです。
ポイント②単純に見えて多様性の食べ物!カットで好みを見つけよう!
一見単純な食べ物に見えるポテトですが、材料、カットの仕方、揚げ方、ディップソースなどで無限のバリエーションを楽しむことができます。つまりフライドポテト=(イコール)多様性なんです!
また、サイドメニューとして様々なファストフードやレストランで出しているので、掘れば掘るほど面白くて美味しい分野なんです。コンビニにもあるし、居酒屋にもあるし、回転寿司にもある食べ物ってすごくないですか?そんなフライドポテト。特に、カットの仕方の好みを覚えておくと、自分の好きなフライドポテトに出会いやすくなると思います。
カットの仕方で、すごく味が変わるんです!日本のチェーン店で多いのは、シューストリング、ストレートカット、ウェッジ、クリンクルカットなど。
それぞれ違いは
シューストリング
「マクドナルド」のような細切りタイプ。いも感とサクサク感がいいバランスです。
ストレートカット
シューストリングより太いまっすぐなタイプ。ほくほくした食感が楽しめる太さ。
ワッフルカット
波状のタイプ。冷凍食品でよく見かけます。
ウェッジカット
みかんの房のようなくし切りタイプ。「フレッシュネスバーガー」はこのタイプ。
クリンクルカット
波状のタイプ。冷凍食品でよく見かけます。
そして、いま、お米や小麦の需給不安が言われていますが、ピンチに陥らないのもポテトのいいところなんですよ!
主食にしている国が多いので、世界中どこにでもありますから、海外でも困りません。
ポイント③「きょう、このあとすぐ食べに行ってください!ミニストップとクアアイナのポテト!」
冷凍食品やファストフードなどさまざまな商品の魅力ご紹介したいんですが、別の回で特集されるということで、すぐ行って食べられるチェーン店のおすすめをご紹介します。
コンビニミニストップの「Xフライドポテト」
ミニストップのポテトは特徴的で美味しいです。
コンビニで唯一、注文を受けてから揚げています。
1回揚げておいて、オーダー後に1分あげる、という工程。
このひと手間で美味しくなっているのは間違いありません。
使っているお芋の品種も注目。普通はアメリカやカナダなど北米産が多いんですが、ミニストップはヨーロッパ産のアグリア種を使っていて、水分が多く、サクサク感の中にしっとり感も感じられて滑らかなのが特徴です。
「ミニストップエックス フライドポテト」は、テイクアウトで税込321円。
スー&小笠原「サクサクの外側とふわふわの内側。」「芋感がすごくある。北あかりみたいな芋の甘さもある」
バーガーチェーン「クアアイナ」
ハワイ生まれのバーガーチェーン。日本では1997年に青山に1号店をオープン。現在は、日本全国に店舗を展開しています。
ポテトは、カリカリ系で、好きな方が多いタイプです。
サイドオーダー人気No.1。フレンチフライ目的のお客さんもいるほど。
細くてカリカリとしてフレンチフライは程よい塩味がついて、そのままでも美味しい。
ハインツのケチャップとマスタードがもらえます。
スー&小笠原「一度食べ始めると止まらなくなる」
「クアアイナのフレンチフライ」は、Sサイズが税込390円、Lサイズが570円です。
注目情報!アメリカの人気チェーンが日本上陸予定
フライドポテト界隈で注目の情報として、アメリカの大人気チェーン「ファイブガイズ」の日本上陸が予定されているんです!「ハンドカットフライズ」と呼ばれる、生のじゃがいもを手でカットして落花生油で揚げる香ばしいポテト。
ファミレスなら「ココス」
ファミレスとしては、カリカリ系のポテトが美味しい「ココス」がおすすめ。マヨネーズケチャップとバーベキューソースのハーフ&ハーフのソースが特においしいとのこと。また、ロイヤルホストもポテトの芋らしさとスナック感のバランスが良いそうです。
今夜のおやつやお出かけの際には、ミニストップかクアアイナに立ち寄って、プロ太鼓判の絶品フライドポテトを味わってみてはいかがでしょうか?
ポテトマン山下さん
1988年、埼玉県生まれ。
ベルギーの食品メーカーに勤めていた時に食べた「フリッツ(=フライドポテト)」に感動。
その美味しさを日本に広めたいと、2021年、ベルギーフリッツ専門店「フリッツブルージュ」を浅草にオープン。2023年には、新ブランドのお店「ビンチェ」を富士急ハイランドにオープン。
フライドポテトを年間200食、累計では「8年で、1600食以上300店舗以上」食べてきたという、フライドポテトマニアでいらっしゃいます。
(TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』より抜粋)