<離婚前に……シタい!>夫「子どもが20歳になったら離婚しよう」納得いかないッ!【まんが】
私はアケミ。同い年である夫・ヨシヒコ、中学生の娘・チヅルと一緒に暮らしています。外から見たら、私たちはきっと仲睦まじい家族に見えることでしょう。しかし私たち夫婦にはある秘密があります。それは……将来的に離婚すること。娘のチヅルが成人して20歳になったら離婚をしようと夫婦間で決めているのです。ある意味で私たちは、離婚に向けて結婚生活を続けているということになります。しかし私は最近になって、あることを望むようになりました。
「……突然にこんなこと言ってるわけじゃない。俺たちは性格が合わないと思うんだ」
そう言ってヨシヒコは、離婚を視野にいれてほしいと提案してきました。
私は言葉もありませんでした。突然の離婚の提案には納得がいきません。
「きっと不倫でもしてるんだ」
と思った私は、スマホを見ようとしました。しかし開くことができませんでした。
「どうせヨシヒコは不倫してるんだし、夫婦の貯金を使う権利はあるはず……」
との考えから、夫婦共同で貯めていたお金を使って探偵に調査を依頼しました。
調査には結構なお金が必要でした。「こんなにお金をかけるんだから、すぐに証拠は出てくるはず」と思ったものの、調査結果は「不倫の事実は認められない」というものでした。
さらにお金を足して調査してもらっていた矢先……なんとヨシヒコに調査がバレてしまったのです。
チヅルが小学校に上がったあたりで、「将来の離婚を視野に入れてほしい」と言われた私。 どうやらヨシヒコとしては、望んでいた結婚生活ではなかったようです。 まず初めにヨシヒコの不倫を疑った私は、大金を使って探偵を頼みました。 ところが結果は潔白。 そのうえ依頼していたことや夫婦の貯金を使ったことがヨシヒコにバレてしまいました。 こうして私たちの離婚は確約されてしまったのです。 しかし私は……どうしても2人目が欲しくなってしまいました。
娘の口癖「きょうだいがほしい~」タイムリミット考えると?
「ママ、なんで私には妹がいないの? 私も妹がほしいなー、カワイイ赤ちゃんの妹……」
と、チヅルがまだ小さかったころに、こんなことを言われたことがありました。
いま思えば、チヅルは「きょうだいがほしい」と口癖のように言っていたのです。チヅルが他の子のきょうだいを「いいな」と羨むたびに、胸がちくちくしていました。しかし当時はそこまで急いでどうにかしてあげようと考えてはいなかったのが本音です。
仮に、妊娠してもうひとり子どもを産むにしても、育てるにしても、たくさんの課題が見つかりました……そうなるとやはり今のうちに手を打つしかない……!
とはいえ当然のことながら、私ひとりではどうすることもできません。私はヨシヒコに相談をしてみることにしました。しかし……。
小さいころから「私もきょうだいがほしい」と口癖のように言い続けていたチヅル。 当時はそこまで深く考えていなかったうえに、離婚の話が出たこともあり、2人目のことは考えていませんでした。 しかし今になってよくよく考えてみると……私にもタイムリミットがあります。 体力的な問題もありますし、離婚してから2人目を産むのは現実的ではないでしょう。 そこでヨシヒコに相談してみたのですが、「冗談じゃない」と拒絶されてしまいました。
2人目作ったら地獄!?夫の冷たすぎる言葉に「ショック!」
「勘違いはしないでほしい。そりゃたしかに私たちはレスだし、離婚だってする予定だし……今さら嫌かもしれないけど……」
そう私は必死に訴えますが、ヨシヒコも反論してきます。
「俺が嫌がってるのはそこじゃない。2人目が生まれたら俺に新しい責任が生じるだろ。そこまで背負いきれないんだよ」
無事産まれたら私が育てるつもりです。離婚のときだってもちろん私が引き取ります。私も正社員なので、お金には困らないはずです。シングルマザーになっても十分ひとりで育てられる自信がありました。
しかし、万が一、私が子どもを育てられない状況になったときに自分に責任がかかってくるのがイヤだとヨシヒコは冷たく言い放ったのです。
「2人目が欲しい」とヨシヒコに持ちかけてみた私。 私だって正社員として働いていますし、年収もそれなりにあります。 シングルマザーになったとしても、子ども1人くらいなら無理なく育てていけると思っています。 しかしヨシヒコはこの提案に大反対。 「これ以上責任を背負い込むのはごめんだ」と言うのです。 どうやら私に万が一のことがあった場合を危惧しているようでした。 あまりに強い反発に私はショックを受けました。 ヨシヒコはそんなにも私のことが嫌いなのでしょうか。
シンママの先輩に相談⇒2人目NG!応援してくれないの?
会社の先輩であるサエコさんは、シングルマザーです。サエコさんならいまの私の気持ちを理解してくれるかもしれない!
私はわが家の内情をすべてサエコさんに打ち明けました。すべてを話し終えると、サエコさんは深刻そうに頷きました。
サエコさんのまさかの言葉に私は戸惑ってしまいました。
なんとなくですが、サエコさんは「産んだほうがいいよ」と背中を押してくれる気がしていたのです。
そもそも子どもを人生のパートナーにしようとしてはいけない、子どもは親の気持ちを埋めるために産み育てるものではない、そしてなにより私が望んでいるその子は、幼いうちに両親の離婚を経験することが決まっていることなど、冷静に私を諭してくれました。
仕事中に昨日のことを考えていると、先輩のサエコさんから声をかけられました。 そこで私は、サエコさんに今回の件を相談してみることに。 離婚を経験してシングルマザーとして奮闘しているサエコさんなら、私の気持ちをわかってくれると思ったのです。 ところがそんな私の気持ちを打ち砕くかのように、サエコさんからは「やめた方がいい」とのアドバイスが……。 サエコさんの意見は正論に聞こえますが、それでも私は諦めきれないのです。
悪いのはエネルギッシュな私の性格?見えてくる真実に衝撃!
「それでも私はどうしても諦めきれないんです。産まないと後悔するかもしれないし……決断するならもう今しかないんです!」
そう言う私に、サエコさんはストップをかけました。
サエコさんは明言こそ避けましたが、つまりは私が突っ走りすぎることが原因で離婚を突き付けられたのではないかと考えているのでしょう。
たしかに、最初は離婚の話だって、ただの「提案」だった。それが私が探偵を頼んだことで離婚の話が「確約」になってしまったのです。そんな風に私が思い込みで突っ走りすぎるところを「自分は大切に想われてない」と受け取られた……。
「旦那さんの言う性格の不一致ってそういうところじゃないかな? もちろんわからないけどね」
と付け加えながらも、ハッキリと言ったサエコさん。しかしその発言は核心を突いたもののように聞こえました。
「旦那さんからしてみたら、アケミちゃんはひとりで突っ走っているように見えたのでは」 とサエコさんから指摘されて、私は何も言えませんでした。 たしかに探偵の件も、2人目の件も、自分の中で結論を出してしまっていたように思います。 猪突猛進でエネルギッシュなところが自分のいいところだと思っていましたが、それが裏目に出てしまうこともあるのですね……。 しかしひょっとしたらチヅルは私の味方になってくれるかもしれません。 帰宅したらすぐに聞いてみようと思います。
2人目を諦めきれない私「きょうだいほしい?」娘のアンサー
「え? まさか。いらないよ! 15歳も離れた妹や弟って……ちょっと、どう接したらいいかわからないや。そりゃ赤ちゃんはカワイイかもしれないけど、やっぱり私も戸惑っちゃうっていうか……」
さっぱりとしたチヅルの答えに、私は面食らってしまいました。しかし、チヅルの意見はもっともでした。私は「そっか、わかった」とだけ言うと、チヅルの部屋をあとにしました。
チヅルは「きょうだい欲しい!」とぜったいに言ってくれる気がしていたのです……。
たしかに数年前までは、そう言っていたはずなのです。しかしこの数年でチヅルは精神面も大きく成長したのでしょう。
サエコさんの言う通り、こうなってしまったのも私の性格が招いたことなのでしょう。ヨシヒコのことを2人目の子どもを授かることで繋ぎとめようとしたり、しかも産むのをチヅルのためと言ってみたり。そういう私の不誠実なところがヨシヒコに嫌われた原因だったんだろうなと思えてきました。
2人目についてチヅルに相談をしてみました。
数年前までは「きょうだいが欲しい!」と口癖のように言っていたため、きっと目を輝かせて「嬉しい」と言ってくれるとばかり思っていました。
しかし予想に反して、帰ってきた言葉は「いらない」。
2人目を考えるには遅すぎたようです。
そして私はようやく、「2人目が欲しかったのは、ヨシヒコを繋ぎとめるためだったのかも……」と自分の中にあったズルさに気づきました。
これからはもっと誠実に家族に対して向き合おうと思います。
【夫の気持ち】「責任とってね!」妊娠キッカケで生じた違和感
俺はヨシヒコ。妻のアケミ、娘のチヅルと3人暮らしをしている。しかし俺たち夫婦は将来的に離婚をすることになっている。というのも、アケミの猪突猛進すぎる性格に疲れてしまったのだ。無理やり結婚の話を詰めてきたり、俺の大切なものを捨ててしまったり、もう散々だ。アケミには、ほとほと愛想が尽きた。チヅルは現在中学生だが、この子が成人して20歳を迎えたら俺はアケミと別れるつもりだ。とにかく今はチヅルの父親として最善を尽くしたい。
最初に「あれっ?」と思ったのは、アケミの妊娠がわかったときだった。
「私、妊娠したから。責任とって結婚して。式もちゃんと挙げてよね。もう両親にも友だちにも言ったから」
とアケミはなぜか怒りながら言ってきたんだ。
世間でいう順番とは違うかもしれないけれど、アケミの妊娠は俺にだって嬉しいことなのだから、なにもこんな言い方することないのになと思ったのだった。
アケミとしても必死だったのだろう。「子どもができた」と言ったら俺が逃げるとでも思っていたのかもしれない。だけど俺は事前に何も相談してくれなかったことにモヤモヤしてしまった。だっていちばんに相談すべきは俺じゃないか。
結婚生活がはじまってからも……俺の大切にしていたTシャツを勝手に処分されたこともあった。
気付いたら俺はアケミに離婚話を提案していた。「たかがTシャツ1枚」という人もいるかもしれない。しかしTシャツうんぬんではなく、俺の気持ちを踏みにじり続けるアケミに嫌気がさしてしまったのだ。
付き合っていたときには、俺もアケミに対して「多少思いこみが激しいところも可愛らしい」と思えていた。 しかし夫婦になって一緒に生活を始めて数年、あんなにも可愛いと思えていた部分がもはや短所にしかみえない。 結婚の段取りを勝手にすすめられたり、大切なものを捨てられたり、チヅルのための金を使い込まれたのだから当然だろう。 しかしアケミは何を考えたのか、離婚が決まっているにもかかわらず、「2人目が欲しい」と言いだしたんだ。
「2人目ほしい」は断固拒否!離婚劇の結末は?
「離婚のときだってもちろん私が引き取るし。私も正社員だから、お金には困らないはずだし。シングルマザーになっても十分ひとりで育てられるよ」
と、どこか思いつめたように俺を説得してくるアケミに、自分の妻ながらゾッとしてしまった。自分が何を言っているかわかっているのだろうか。離婚の予定があるのに子どもを授かろうとするなんて、どうかしてるじゃないか……。
後日、チヅルと2人きりのときにこんな話をされた。
「このあいだ、ママから「きょうだいが欲しい?」って聞かれてびっくりしちゃった」
気まずかったと笑うチヅルにも、申し訳ない気持ちだったと同時に、俺はアケミの無神経な行動に心底驚いた。
離婚する予定が決まっているのに、アケミから「2人目の子どもが欲しくなった」と言われてめまいがしてしまった俺。
一体何を考えてるんだ……とモヤモヤする気持ちもあって、つい強く拒絶してしまった。 チヅルが成長するまでは待てても、第2子にまで責任を持てるほど俺もお人好しではない。 そんな"事件"があって反省したのか、あれ以降、アケミから厄介な猪突猛進さが消えたように感じる。 ありがたいことだが、冷めてしまった気持ちのことを考えると話は別。 俺たちは最初の約束通り離婚を選んだ。 これからは親同士として、いいお付き合いができればと思う。