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“民のチカラ”で「日本遺産」となった小樽の実は穴場で見どころなポイントとは?

Sitakke

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2月、北海道小樽市を代表する26の文化財が、「日本遺産」として文化庁に認定されました。

色内1丁目は、明治末期から昭和中期にかけて半径500mの範囲で10軒の銀行建築が立ち並ぶ地域。まさに「小樽でこその景色」ですよね。

総合博物館では旧手宮線で活躍した蒸気機関車「しづか号」が大事に保管されています。

小樽市観光振興室が「市民の悲願だった」と話す日本遺産認定。

しかし勝負はこれからです。

「民の力」で創られ蘇った北の商都

「日本遺産」とは、2015年度に文化庁が始めた事業です。

特徴は、「ストーリー」を認定する、ということ。
地域ならではの歴史や、文化財を織り込んだ「ストーリー」を評価・認定し、観光の活性化などを目指します。

北海道内6件目の認定となった、小樽市の「ストーリー」は、「北海道の『心臓』と呼ばれたまち小樽~『民の力』で創られ蘇った北の商都~」です。

明治・大正期以降、北海道の物流拠点として発展した小樽。
その後、高度経済成長期に一度は衰退の道をたどりましたが、そこから市民の力「民の力」により、マチを盛り上げていったストーリーが評価されました。

小樽市観光振興室の津田明宏日本遺産担当主幹によると、「そのなかでも重要なポイントが小樽運河」だといいます。

民の力で守った運河と道

明治末、たくさんの北前船が行き来し、活気にあふれていた小樽市。

しかし、マチは高度経済成長の波に乗り遅れ、徐々に衰退していきました。

昭和40年代には、荒廃した運河を埋め立てて道路にする計画が持ち上がりました。
そのとき、運河を守ろうと立ち上がったのが、市民たちでした。

埋め立てか、保存か。

十数年に及ぶ論争の末、小樽運河は半分を道路に、さらに散策路を整備したいまの姿に生まれ変わりました。

これが、「民の力」で歴史や文化を守り、観光都市として再生させる小樽のまちづくりの先駆けとなったのです。

池田憲昭さんは日本遺産認定に向けたPRを行う「小樽市日本遺産地域プロデューサー」として、2年ほど前から活動をしてきました。

池田さんに聞いた小樽市の「日本遺産」の見どころのひとつが「北運河」です。

観光客でにぎわうあたりから、数百メートル北の「北運河」は、道路として埋め立てられることなく昔の面影を残したまま。
穴場の観光スポットです。

池田さんは「北海道中のグルメを北運河に集めて、人を集めてワクワクする小樽にしたい」と今後の未来図を描いています。


「ゴールではなくスタート」

年間700万人もの観光客が訪れる小樽市。小樽市観光振興室の津田明宏日本遺産担当主幹は「日本遺産認定はゴールではなく、スタート」と話します。

日本遺産認定の先に目指すのは、観光地・小樽の課題と向き合うことです。

「課題として、今後は滞在型観光へ向けていく。宿泊していただき、地域の経済効果につなげていくのが重要」

北海道の「日本遺産」

日本遺産は現在国内で104件、北海道内で6件認定されています。

【小樽以外の北海道の日本遺産】
・江差町の「ニシンの繁栄が息づく町」
・函館などの「北前船寄港地・船主集落」
・「カムイとともに生きる上川アイヌ」
・北の産業革命「炭鉄港」
・標津町などの「鮭の聖地」

日本遺産の特徴について、マーケティング論が専門の、小樽商科大学、猪口純路教授に聞きました。

【日本遺産の特徴】
・文化遺産そのものでなく「つなぐストーリー」
・文化遺産の保存より「活用」

「認定取り下げ」の場合もある

日本遺産は認定されて終わりではありません。
文化庁は今年度から日本遺産に「点数制度」を設けました。

その結果、福岡県と佐賀県の文化財で構成される「古代日本の「西の都」~東アジアとの交流拠点~」が点数を取れず、「認定取り下げ」となりました。

太宰府天満宮以外への波及効果や地域住民の認知度の低さなどが指摘されたということです。
その代わりに小樽市が新たに認定されたということです。

地域全体で「遺産」を守り活用していくことが必要となってきます。

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年2月10日)の情報に基づきます。

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