抜けた乳歯の行方は?歯医者で大絶叫のこうちゃんが涙を止めたワケ 誇らしげな「歯抜け」姿に目を細めた日【室谷香菜子のいっくじ日記#15】
HBCアナウンサーの室谷香菜子(むろや・かなこ)が、息子「こうちゃん」の“一言”と、一緒にしたためる一句で、子育ての日々を学の日々を”一句”(育)児日記につづります!
「連載|室谷香菜子の「いっくじ」日記」
この年頃ならではの「歯抜け」のかわいさ、たまらない
小学校生活が始まって早2か月。
新1年生のこうちゃん、通学路にも5時間授業にも、少しずつ慣れてきたようです。
夕方、児童館へ迎えに行くと「〇〇くん!ほら!これがママだよ!」とお友だちに私を紹介してくれることも。
そんなとき、にこっと笑うと前歯がない子どもたちがたくさんいて、かわいい♡♡
こうちゃんはというと、先日、ぐらぐら揺れていた下の乳歯2本がようやく抜けたところ。
しっかりと永久歯が生えてきてホッとしていますが、実はこの乳歯、抜ける前に後ろから永久歯が生えてきてしまい、「早く抜いたほうがいい」と歯医者さんに言われて抜いてもらったもの。
無事に抜けて本当に良かった…。
実は、抜歯の当日は冷や汗、脂汗、かきまくりでした(私が)。
考えただけでもめまいがする…
数年前、歯医者さんで少し痛い思いをして以来、こうちゃんは歯医者さんへ行くと泣きながら大暴れすることもありました。
大人3人ほどでなだめながら必死に体をおさえ、先生に「ごめんなさい、ごめんなさい」と謝りながら、なんとか最小限の処置だけ済ませてもらうこともありました。
そんな少しの処置でも暴れるのに…
歯を抜くということは、麻酔…?
つまり、注射…?
考えただけでめまいがしたのでなんとか自然に抜けてくれ!!と祈っていたのですが、
一向に抜ける気配なし。
乳歯の内側を見ると、白い歯がだいぶ顔を出してきている…
これはもう、逃げられない…。
意を決して、こうちゃんに説明をしました。
「おとなの歯が後ろから出てきちゃってるんだって。ほら、鏡で見てごらん。このままだと大変なことになるかも。先生にもう1回診てもらおう」
麻酔の注射をして抜く、といきなり言ったら大変なことになると思い、あくまで“診てもらう”を強調して説得。
「診てもらうだけ?なにもしない???」
(なにもしないかどうかはわからないけど、とにかく病院へ連れていかなくては…)
「そうだね、まず診てもらおう」
大変なことになるかもしれない…いざ歯医者へ
当日は、「歯を抜くこともある?どうやって抜くの?痛い?痛くない?血は出る?」と質問攻め。
「どうかな~…」とごまかしながら、いざ診察室へ。
先生に口の中を診てもらうと、「今日やらないとだめだね」の一言。
やはり…
これは大変なことになるかもしれない…と一気に私の心拍数が上がりましたが、そこは子どもの処置にも慣れている先生。
「まず鏡を持ってお口の中、見てごらん~。何してるのかな、って見えたら安心だよね」
「さあ!痛い思いしなくていいようにここに“魔法のクリーム”を塗るよ~!」
そんな声かけと一緒に歯茎に麻酔クリームを塗ってくれました。
魔法のクリーム!なんていいネーミング!!!
ここまでは順調です!
そして先生はこうちゃんに見えないよう、隠しながら麻酔注射を取り出します。
「魔法のクリーム塗ったから全然痛くないよ!ほら!」と自然に麻酔を注射。
だめかな?と思いましたが案外すんなり注射も受け入れました。
よかった、ここまで来たらもう大丈夫だ、ありがとう、先生…と思っていたら…
次に先生が持ち出したペンチを目にして、こうちゃん大パニック!!!
「それは嫌~~~~!!!!!無理~!無理だって!」と大絶叫。
「大丈夫!!!痛くないから!!!すぐだよ!!!」と説得するも号泣。
しかし、次の先生の一言で、なんと態度が急変したんです。
おめでとう!!
「抜けたらこれに、歯を入れてあげる。持って帰っていいよ!」
先生のそんな一言に、こうちゃんの涙がすっと止まったのです。
おとなしく口を開け、ものの数秒で乳歯が2本、あっという間に抜けました。
その瞬間、「抜けた~!!おめでとう~!!!やったね~!!!」と歓声が起こり、
こうちゃんは涙を浮かべながら、びっくりした表情。
病院で「おめでとう!」と言われたのは出産のときぶりです。
照れくさいけど誇らしげなこうちゃんの顔を見て、ただただ安堵しました。
家に帰っても抜けた小さい2本の歯を何度も見ては「こうちゃん頑張ったよね」と、自分で自分を褒めていました。
目に見える“成長の証”が新鮮で珍しく、とってもうれしい、といった様子。
初めて歯が抜けたお話、実はここで終わりではなく…後日談があります。
寝室でなにやらごそごそ…
夜寝る前に「ママはこっちに来ないで!」と言いながら、寝室でなにか作業をしていたこうちゃん。
「よし、これでいい!!!」とかなんとか言っていましたが、特段、寝室は変わった様子がなかったのでそのまま寝たのですが…。
その翌朝、大泣きするこうちゃんの声で目が覚めました。
歯の妖精さん
何事!?と思い聞くと、「歯の妖精さんが来てくれなかった~~~」。
寝ぼけていたので一瞬理解できませんでしたが、枕を持って泣いていたので、「あ~、ペッパピッグか…」とすぐに気づきました。
「ペッパピッグ」は、ペッパという子豚の女の子が主人公のアニメ。
その中のお話で、抜けた歯を枕の下に忍ばせて寝たら、翌朝「歯の妖精が来てくれた!」と、枕の下からコインを見つけてペッパが大喜びするというものがあります。
昔、何度も何度もその話を見ていたこうちゃん。
きっと歯の妖精が自分の歯も持っていってくれると信じて寝たようなのです。
しまった…。
しかし、時すでに遅し。
「歯が小さすぎて妖精さんに見えなかったのかも」
「忙しい時期なのかな?」
必死にこうちゃんを慰めながら「次に抜けたときのためにコインを用意しておかなくては…」と心の中で唱えていました。
今、上の前歯が少しグラグラしてきています!
最近では抜けた乳歯を保管する専用のかわいらしいケースもたくさん売られていますよね。
そんなケースを買ってきて見せたら、「やっぱり妖精さんにあげない!とっとく!」と言うのかな?
私たちの時代のように、「屋根の上に投げよう!」なんて言ったら、また大泣きされそうです…。
みなさんのお家では、我が子の乳歯、どうしていましたか?
ここで一句!
抜けた歯は 屋根ではなくて 妖精へ?
「連載|室谷香菜子の「いっくじ」日記」
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文|HBCアナウンサー 室谷香菜子
青森県出身。2009年HBC入社。HBCラジオ「アフタービート」、「美香と香菜子のおさんぽ土曜日」などを担当。2018年第1子(男の子)を出産。趣味は寝かしつけ後のドラマ鑑賞と、美味しいお酒。息子(こうちゃん)との日常はInstagramでも発信中。
編集:Sitakke編集部あい