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動画生成AIツール「Vidu(ヴィドゥ)」が描く、AIと共創するアニメーションの未来

東京ディープチャイナ

動画生成AIツール「Vidu(ヴィドゥ)」が描く、AIと共創するアニメーションの未来

アニメの聖地・日本に「革新」という名の風が吹く!
AI動画ツール「Vidu」が、クリエイターの常識を変え始めている!

2025年6月、桜美林大学で開催された「WaytoAGI グローバルAIカンファレンス」。世界中のAI開発者やアーティストが集まったこのイベントで、ひときわ熱気に包まれていたセッションが開催されました。その名も「Viduと描く未来|グローバルクリエイター交流会」。

主役は、ShengShu AI HK Limitedからリリースされた中国発のAI動画生成プラットフォーム「Vidu(ヴィドゥ)」。わずか数枚の画像とテキストから、まるでアニメスタジオが手がけたような映像を生み出す実力派です。

日本で「グローバルクリエイター交流会」が開催された背景

今回の「グローバルクリエイター交流会」が開催された背景のひとつとして、アニメ大国・日本における生成AIへの関心の高まりがあげられます。

アニメ大国である日本のコンテンツは、繊細なタッチ、高度なクリエイティブな表現によって世界的に高い評価を受けてきました。
しかし、制作期間の長期化や人件費の高騰、さらに創造的なアイデアを形にする難しさなど、長年にわたりさまざまな課題を抱えているのも現実です。

そのような背景の中で、構想段階から作品完成までを秒単位で実現する革新的な制作ワークフローが可能となったViduは革新的なAIソリューションとして、今年に入ってから日本のクリエイターの間でもViduへの評価が高まっており、今回のイベントが開催されました。

動画生成AI「Vidu」って何ができるの?

Viduの魅力は、「動画制作に必要なほぼすべてが一つに詰まっている」ところ。これひとつで、映像も音も演出もすべて完結できてしまいます。

具体的には…

画像2枚+テキストで高品質なアニメ動画を自動生成
テキストからナレーション・セリフを自動で音声化(48kHzの高音質)
キャラクターライブラリ・シーン設定・動きの演出テンプレートも完備
複数の音声トラックやBGM・環境音も自在にミックス可能
わずか10秒で動画素材が完成する高速生成も実現(Vidu 2.0)

映像制作における「難しい部分」や「時間がかかる工程」がどんどん短縮され、誰でもすぐに動画づくりに踏み出せるのが最大の強みとなっています。

つまり、従来なら「何人ものプロが数日〜数週間かけてやっていた作業」を、ひとりで・数分で・しかもハイクオリティでこなせるのがViduのすごさ。

動画制作が“プロの領域”から、“誰でも試せる創作の手段”へと広がる中で、Viduはまさにその先陣を切る存在です。

https://www.youtube.com/watch?v=syq14O26USQ

“ひとりアニメ”を支える、頼もしすぎるツール

中国のアニメクリエイター・柔樹特效さんが、Viduで制作した連載アニメ『観測者の逆説』は、その象徴的な例。

この作品は、脚本・演出・アニメーション・音声生成まですべてをほぼ一人で手がけたにもかかわらず、そのクオリティはSNSでも「商業作品に匹敵」「手描きアニメ以上の滑らかさ」と話題に。
配信から数週間で再生数300万回を突破し、視聴者からは「本当にAIで作ったの?」「カメラワークと空気感がすごい」「アニメ業界が変わるかも」といった声が続出しました。

Viduがあれば、ひとりでも企画から仕上げまで全工程を担える。もはや“個人=インディー”という時代は終わり、“個人=スタジオ”がリアルな選択肢になってきています。

※柔樹特效氏の製作した動画については、下記の動画をご覧ください。

https://www.youtube.com/watch?v=yia4wPDz62s

日本のクリエイターたちのリアルな声

この日の交流会では、実際にViduを使っている3人のクリエイターが登壇。それぞれの視点から、「Viduって、こういうところがすごい」と熱く語ってくれました。

Noriyangさん(AIアーティスト)

Viduって、ほんとに“痒いところに手が届く”ツールなんです。『こんな機能が欲しい!』が、すでに搭載されてることが多い。作業にかかる時間が大きく減るだけじゃなくて、表現そのものがもっと自由になって、アイデアがどんどん湧いてきます。

妖精アーヤさん(アニメーター)

表情の作り込みや、キャラクターの動きが本当にリアル。Viduには“命が吹き込まれた感”があるんですよね。私は特に、リファレンス機能の完成度にびっくりしました。

あゆネオさん(AIアニメ研究所)

今、動画制作に興味を持ってる人がすごく増えてます。Viduは初心者でも直感的に使えるので、これからクライアントワークに挑戦したいって人にもおすすめ。私も企業向け研修で紹介しています。

進化するAIツール、その背後にいるのは──

この革新的な動画生成ツール「Vidu」を手がけているのは、ShengShu AI HK Limited(生数AI)というAIスタートアップ企業のグローバル拠点。

本社は中国・北京にある北京生数科技有限公司(Beijing Shengshu Technology Co., Ltd.)で、2023年に清華大学のAI研究院出身者たちによって設立されました。

彼らは画像・動画・3DといったマルチモーダルなAIモデルの開発を強みとし、独自のアーキテクチャ「U-ViT」や「UniDiffuser」など、世界水準のAIプロダクトを次々と発表。

今回紹介した「Vidu」もそのひとつで、特に日本やアジア圏での展開に力を入れるために香港法人(ShengShu AI HK Limited)を設立。日本市場向けのサポートやローカライズも積極的に行っています。

現在、従業員の約9割が研究開発職。Alibaba、Tencent、ByteDanceなど中国大手テック企業の出身者が名を連ねており、「技術開発力 × 実行力」を兼ね備えたチーム体制でグローバル展開を進めています。

すでに日本では、アニメ制作プラットフォーム「PocketAnime」との連携を通じて、AIアニメ創作コンテストを共催。次世代クリエイターの発掘と育成、そしてコミュニティ形成にも力を入れています。

また、将来的にはViduのエンジンをAPIとして開放し、他のツールやサービスとの統合利用も視野に入れているとのこと。

生成AIが「ツール」から「創作パートナー」へと進化する中で、Viduはその最前線を走り続けようとしています。

これからは「技術」じゃなく「アイデア」で勝負する時代

Viduの登場によって、動画制作は「体力勝負」から「想像力勝負」へと、大きな転換期を迎えています。

これまで映像制作といえば、時間も人手もお金もかかる“体力勝負”の世界。専門ソフトを使いこなし、高度な音響知識を持ち、チームで分業するのが当たり前。しかし、Viduを使えば、テキストと画像さえあれば、“思いついたらすぐ作品化”が現実になる時代が到来しました。

そんな中、交流会の中でも議題にあがった
「なぜ日本からは、こうしたツールが生まれていないのか?」

この問いに対しては、いくつかの仮説が考えられますが、ひとつには、映像制作の現場とテクノロジー開発の現場との間に、まだ距離があるのではないかという見方があります。
現場のクリエイターのニーズが十分に開発サイドに届きづらく、ツールの設計に反映されにくい状況があるのかもしれません。

その点、Viduはスタートアップとして、技術者がクリエイターの声を反映し、”一緒に設計している”のが強みです。
誰でも扱える直感的なUI(ユーザーインターフェース)、一貫性のある表現を生むAIエンジン、そして“表情が生きてる”とまで言われるキャラクターのリアルさ。それらはすべて、現場からのフィードバックによって磨かれてきました。

日本のアニメ文化は、世界最高峰の表現力を持っています。
今後、AIという新たなパートナーをどう迎え入れ、どう活かすのか──
今、その答えを探る時が来ているのかもしれません。

サービス概要

サービス名称:Vidu(ヴィドゥ)
公式URL:https://www.vidu.com
Vidu Japanサービスに関するお問い合わせ先:vidu_japan@vidu.com
X - Vidu Official:https://x.com/ViduAI_official
X - Vidu Japan:https://x.com/Vidu_JP
【ShengShu AI HK Limited:企業概要】

企業名:ShengShu AI HK Limited(中国語名:生数科技(香港)有限公司)
本社住所:World Finance Centre, Harbour City, 17 Canton Road, Tsim Sha Tsui, Kowloon,Hong Kong
CEO:Luo Yihang(駱怡航)
設立:2024年7月15日

(東京ディープチャイナ研究会・多賀井隆之)

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