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【取材レポート】「令和6酒造年度全国新酒鑑評会 公開きき酒会」

酒蔵プレス

「令和6酒造年度全国新酒鑑評会 公開きき酒会」が7/12日(土)に開催されました。 今回はこちらをレポートします。

会場について

会場は池袋サンシャインシティ文化会館3F 展示ホール。 2,860平方メートルものあるこの会場に受賞酒がずらりと並びます。
各回500名で前売りチケットは完売したそうです。当日券含め、1,221名の方が来場されたとのこと。
学生割があったこともあり、例年より多くの学生がこられたとのことでした。

利き酒コーナー

ここは実際に出品酒を審査する際に使われるシートを使用して利き酒体験ができる場所です。
2種類と4種類の飲み比べができ、分からない方も専門スタッフがアドバイスしてくれます。

私もやってみましたが、カプロン酸(りんご様)や麹、カラメル様などは分かりましたが、アセトアルデヒド、ジアセチル、土臭、紙臭など、専門的な物は嗅ぎ分けることができませんでした。

後方では実際の香りのサンプルがあり、解説して頂きながら嗅ぐことが出来ました。
普段嗅ぐことがなかなかできないので、とても貴重な体験でした。

他にも酒類研究所コーナーや酒関係のリサイクルを紹介するコーナー、グッズ販売コーナーなどがありました。

ユネスコ無形文化遺産伝統的酒造りセミナー

この公開利き酒会には「ユネスコ無形文化遺産伝統的酒造りセミナー」が行われております。
今回は和菓子薫風 店主の「つくださちこ」さんのセミナーにお邪魔しました。

テーマは「和菓子と日本酒」。
和菓子の歴史と日本酒との関わり、そして和菓子と日本酒のペアリングについてでした。
いつの時代に「菓子」が生まれ、砂糖が伝来することでどのように文化が変わっていったのか。
高級品だった甘い菓子が何故大衆にも食べられるようになったのか。
また、日本酒も同じように高級酒として存在していた所から、和菓子と同じ時代背景で大衆に飲まれるようになった所が和菓子との共通点として挙げられていました。
このように、時代と照らし合わせて解説してくださいました。

その後、実際の和菓子と日本酒を口にしながら、マリアージュについて解説してくださいました。
お酒は伯楽星 純米吟醸酒(右)と義侠 えにし 特別純米酒(左)です。色からわかる通り、対極のお酒をご準備いただきました。
和菓子はグラニュー糖を使用した求肥(ぎゅうひ)と黒糖を使用した求肥の2種類です。

※求肥とはもち米を粉上にしたものに砂糖や水あめを加えて練り上げた和菓子。

伯楽星のような高精米の日本酒にはグラニュー糖のようなすっきりした甘さの和菓子が、
義侠のような低精米の日本酒や熟成させた日本酒には黒糖のような精製度が低い複雑実のある和菓子が合うそうです。
これには「同調」というマリアージュの基本があり、黒糖にはメイラード反応生成物があり、義侠にも同じく存在することが根拠となります。

ほかにはいちご大福にはフルーティーな大吟醸や生酒、ヨモギや焼き団子には生酛・山廃系、みたらし団子や焼き菓子・黒糖饅頭には熟成酒など様々な例を頂きましたので、ぜひ皆さまも試していただければと思います。

和菓子 薫風
住所:東京都文京区千駄木2-24-5 1F
TEL: 03-3824-3131
営業時間(月・火定休/土・日不定休)
水・木・金 13:30-20:00
土・日  13:30-19:00

利き酒会場にて

こちらでは各地方ごとに受賞酒が並べられ、列が各6列程あります。 各列には40種類ほど。列も一方通行にすることで混雑が回避されていました。

出品酒には一部を除き、ある程度都道府県ごとの傾向がありますが、今年の出品酒も傾向を感じました。

金賞受賞数が1位の福島県は全体的に華やかで甘くまろやかな酒質が多く、同じく1位の兵庫県はキレがあり、香りが穏やかでスッキリとしたものが多い印象です。 香りと味のバランスがよく、雑味が少なく、余韻が綺麗なところが2つの県の共通点として挙げられます。
他にも新潟県は日本酒度が高め(+3~6程度)のものが多く兵庫県と近い印象、埼玉県は醸造アルコールを使用してバランス重視な酒質が印象的でした。

来場されている方々は出品酒リストを見ながら書き込む方、全て回ろうと量を少なくして1つずつ飲んでいる方、有名なものをまず飲みに行く方など、様々な楽しみ方をされていました。 実際に珍しい瓶や有名蔵のお酒は終盤には無くなっていました。

まとめ

出品酒は、普段なかなか味わうことのできない銘柄が多く、限定販売のみの蔵もある中で、これだけの数を一度に利き比べできるのは非常に貴重な機会です。日本酒の持つ奥深さやクオリティの高さを改めて実感できる、まさに日本酒ファン必見のイベントでした。

会場には、利き酒コーナーや日本酒グッズの販売ブースなども充実しており、日本酒にあまり馴染みのない方でも気軽に楽しめる工夫が随所に見られました。これをきっかけに、日本酒デビューを果たす方も多いのではないでしょうか。

来年度の開催も今から楽しみです。さらに多くの方に日本酒の魅力が伝わることを期待しています。

開催概要

【イベント名】
令和6酒造年度全国新酒鑑評会公開き酒会

【開催日】
①令和6酒造年度全国新酒鑑評会公開き酒会
7月12日(土)
第1部 10:00~13:00
第2部 15:00~18:00
②ユネスコ無形文化遺産伝統的酒造りセミナー
7月12日(土) 10:45~17:45
全6講座入替制(定員40名)

【開催場所】
池袋サンシャイン(豊島区東池袋3-1-1 )
①令和6酒造年度全国新酒鑑評会公開き酒会
文化会館ビル3F 展示ホールC
②ユネスコ無形文化遺産 伝統的酒造りセミナー ワールドインポートマートビル5F コンファレンスルーム

【参加費】
①令和6酒造年度全国新酒鑑評会公開き酒会
・一般チケット:各部5,000円(税込)
・学生チケット:各部2,000円(税込/20-25歳以下学生限定)
※各部交換制、きき酒グラス付き
②ユネスコ無形文化遺産 伝統的酒造りセミナー・セミナープログラムにより500円~2,000円(税込)
※セミナーチケットは、公開きき酒会の参加チケットを購入された方に優先販売を実施※各セミナーが売切れの場合は、一般販売はありませんので先にご了承ください

公式サイト:https://www.sakefair.com/index.html

酒蔵プレス編集部年に一度の機会なので、是非来年、足を運んでみてください!
 https://www.sakagura-press.com/

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