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世界遺産・厳島神社の海中で宝珠を奪い合う伝統行事「玉取祭」が開催されました

旅やか広島

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人気観光地・宮島にある世界遺産の厳島神社沖で、幸運を手にするために宝珠を奪い合う「玉取祭」が2024年8月24日(土)に開催され、多くの観光客が見学に集まりました。

 

【写真】宮島の大鳥居と玉取祭の櫓(やぐら)

 

厳島神社と大鳥居の間には櫓(やぐら)が組まれ、多くの観光客が見守る中で10時頃から神事が執り行われると、玉取祭を行うふんどし姿の勇ましい男連中が海に入りました。

集まった観客の中からは、玉取祭参加者の家族らしき子供の声で「じぃじーがんばれー、パパがんばれー」と声援が送られて、手を振る微笑ましい姿が見受けられました。

玉取祭では、櫓の天井から吊るされた台座に乗る宝珠を取るため、男たちは海中で組体操のように3段のピラミッドを作ります。一番上に乗った人がジャンプをして手を伸ばしますが、なかなか台座を掴むことができません。
その様子を見守っている観客からは、失敗する度に「あー」と残念そうな声が上がります。
海の中で奮闘する参加者は、「ゆっくり、ゆっくり」「しっかり狙って耐えろ!」など、懸命な様子の掛け声を出しています。
何度も失敗を重ねましたが、そのストーリーが徐々に観客の心に響き、「次決めようぜ!」と応援する声も聞こえてきます。
次の瞬間、ジャンプした青年が台座を掴み、飛び乗ることに成功すると「おー!」「すごい!」「いけー!」と大きな声援が上がりました。
ついに宝珠を掴み掲げると、大きな拍手が沸き起こりました。
見守っていた観客からは「玉を叩いて落とすのかと思ったら上に飛び乗るんじゃね」と驚いた様子の声や、「楽しそう!地元の祭りでもあんなのやりたいねー」との声が聞こえてきました。

玉取祭のハイライトはここまでで、見学していた観光客もこれで終わりと思った方が多いようでしたが、祭り自体はまだ続きます。本来はこの宝珠を海中で奪い合い、注進所と呼ばれるゴールに持ち運んだ人に将来幸運が訪れると言われていますが、今では参加した男たちがまるでボール遊びのように宝珠を海中で投げ合い、楽しそうに岸まで向かって行きました。

玉取祭終了後、関係者からのお話しでは今年は思っていたより観客が少なかったとのことでしたが、厳島神社から大鳥居までの海岸沿いには埋め尽くすほどの観光客で溢れ、多いに賑わいました。

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