【MIRAIEリアンの「七間町シネマヒストリー」パネル展】 「映画の街」七間町の貴重な写真がずらりと並ぶ
静岡新聞論説委員がお届けするアートやカルチャーに関するコラム。今回は2月23日から静岡市葵区のMIRAIEリアンで開かれる「七間町シネマヒストリー」パネル展を題材に。主催はNPO法人静岡ユネスコ協会。
静岡市の映画館街の変遷をたどった2009年の書籍「映画館 わが青春のスクリーン 静岡映画館物語」に収録された写真を中心に、貴重な映画ノベルティーを含め約50点を出品。「七間町」という映画ファンには特別な響きのある街の、かつての姿が確認できる。
明治3(1870)年に清水次郎長の協力を得て完成した芝居小屋「玉川座」(後の若竹座、静岡で初めて活動大写真を上映)に始まる写真群は、この地域の「映画館史」をたどる貴重な資料である。
大正9(1920)年の「電気館」、村野藤吾設計による昭和16(1941年)の「歌舞伎座」、戦後の「静岡オリオン座」など現存しない劇場の数々は、映画館としての風格をビシビシ漂わせる。映画館の中に入ること自体が「娯楽」だったのだろう。
アルフレッド・ヒッチコック監督の昭和34(1959)年来静時の写真にはびっくりした。「サイコ」のキャンペーンで全国を巡っていた際、静岡駅でほんの少しだけ途中下車したようだ。巨匠の目に、1950年代の地方都市はどう映っていたことだろう。
(は)
<DATA>
■「七間町シネマヒストリー」
会場:MIRAIEリアン(静岡市葵区七間町12-4)
開場:午前10時~午後5時。観覧無料
会期:2月28日(金)まで
▽関連イベント
「映画館文化のルーツを探る」
日時:2月24日(月・祝)午後1時開始
会場:MIRAIEリアン大ホール
入場料:3300円
内容:
第1部 「映画館文化のルーツを探る」(元静活営業本部長で静岡ユネスコ協会長の斎藤隆さん講演)
第2部 「メモリアル・スクリーンミュージック」(SAKURAグランドオーケストラの演奏)