「飛び抜けてたほうがいい!それが“個性”」ミスター・レッズ、大切な心得
個性豊かな様々なゲストをお迎えして、幼少期のターニングポイントや、やる気スイッチの入った瞬間を深掘りしていきます。
メインパーソナリティの佐藤隆太さんと佐々木舞音アナウンサーの2人でお送りします。
2月17日(月)放送のゲストには、元プロサッカー選手の福田正博さんが登場!Jリーグのレジェンドがサッカーを始めたきっかけや、日本人選手初の得点王に輝いた経緯などをき話してくれました!
佐々木:50試合で32ゴール、日本人初のJリーグ得点王に輝きました。またJリーグ通算では228試合に出場、93得点!日本代表にも選ばれ9ゴールを記録しています。2002年の引退まで浦和一筋、かのジーコさんから日本最高の選手は福田と称されました。
佐藤:50試合中32ゴールですよ。すごいですよね!想像つかないです…。日本人初のリーグ得点王ですもんね。
福田:僕はもうこの「日本人初」ということで、仕事をさせてもらってます。(笑)
肩書きってすごく重要なんですよ!説得力増すので。「日本人初の~」がなかなか僕にとっては大きいです。この先もずっと永遠に抜かれないんで!(笑)
佐々木:「初」はずっと「初」のままですもんね!
野球少年だった福田さん、「給食食べ過ぎて太るぞ!」と転校先の先生との出会いでサッカーの道へ
佐藤:子供の頃は幼い頃は野球をやられてたんですね?
福田:当時やっぱり野球で運動神経のいい子はやっぱりプロ野球選手になるってのは大体の流れで。僕も間違いなくその1人だったんですよ。小学校5年の時に引っ越して、そこがたまたまサッカーが盛んなところで、クラスが2組しかなかったんです。それで僕が入ったクラスの担任の先生が、サッカー教えてたんですよ!
佐藤:あぁ~なるほど!
福田:だから僕がもう一方のクラスに入ってたら、サッカーやってなかったかもしれないんですよ。
福田:なぜならば、その先生に、強めに「サッカーやったらどうだ」って誘われたんですよ。
佐藤:なるほど、勧められたんですね。
福田:野球が大好きだったんで、当然プロ野球の選手になりたかったから、週末だけ、転校前のチームに週末だけ練習に行ってたんですよ。でも、月曜から金曜までは何もしてないと。
佐藤:はい。
福田:「普通の日に何もしないで!お前そんなに給食食べてると、ブクブク太るぞ」って言われたんですよ。今だったら訴えたら勝てそうな感じですけど。(笑)いろんなことをやれば野球にも役立つんじゃないかな、っていうようなことで「1回だけやります」っていうことで、それがスタートだった。
佐藤:へ~!でもそれだけ強く誘ってくれなかったら…。
福田:そう!サッカーと出会ってないんですよ。だから、今ここのラジオにも出てないですよね。
佐藤:田中先生、すごいですよ!スーパープレーヤーの生みの親ですね。
「君は1人でサッカーをやっている」…若手時代に出会った監督の言葉が、日本人初の得点王を生み出す
佐々木:でもいろんな方に会って、今の福田さんがいらっしゃると思うんですけど、サッカー人生の中で、ここはやる気スイッチを押してくれたなっていう、恩師ですとか仲間ってたくさんいますよね?
福田:先ほどの田中先生ももちろんそうですけど、プロに入って12人の指導者とお仕事したんですよ。その中でもやっぱり強く影響を受けたのは浦和レッズで一緒にやった監督、ホルガー・オジェックですね。さっきの得点王を獲ったっていう話がありましたけど、その監督に出会ってなかったらたぶん得点王になってなかったなっていう。1年目2年目の時期は僕自身混乱してて、チームも整理できてなかった。監督が来て「お前はどうしたい?」と言われて、「優勝したい!」「点をたくさん取ってチームに貢献して、それで優勝したい」って僕は言ったんです。
佐藤:はい。
福田:監督は「僕もそういうふうに思ってる」って言ったんですね。ただ、「君はその気持ちをうまく表現できてない。ピッチの中で君は1人でサッカーをやってる」って言ったんです。サッカーは1人でやるものじゃないと。自分の役割をもっと明確に持って、しっかりと自分の仕事をやるべきだと。要はそれは何かっていうと、人の仕事に中途半端に手を突っ込んで、自分の仕事がおろそかになってるんですよ。点を取らなきゃいけないのに1年目3点、2年目4点しか取ってない。監督が「僕が求めるのは、君にはまずは点を取ってもらうことを求める」と。「それができたら、キャプテンとしての仕事をしてくれ」って言われたんです。
佐藤:なるほど!
福田:整理をつけてくれただけなんです。僕にもそうなんだけど、チームもそうやって混乱してた中で、その監督は整理をつけてくれて。「これが君の役割です」と一つずつ明確にしてくれて。当たり前なんですけどね、今思えば。チームも整理されたおかげで、僕が31点取って得点王になったっていう。得意なことをやらせたということですよね。苦手なことを一生懸命やらせたわけじゃないんですけど、1人1人得意なことがあって。それを11人ピッチに立たせて、その攻守のバランスを整えるのは監督の仕事なんですよ。選手1人1人が攻守のバランスを整える必要ないんです!自分の特徴を最大限出せばいいだけ。それをしてくれたんですよ。
佐藤:サッカーに限らず、全てに大事になってきますよね。やっぱり今なんか、小さい子供たちにとってもやっぱり自分の武器というか得意なことを伸ばしていくっていうのはね。
福田:どうしても日本の場合って、ないところをもっと伸ばそうとしてしまうんですよ。
これはもしかすると日本の主義みたいなのかな~って。佐藤さんたぶんこういう仕事されてたら分かると思うんですけど、”飛び抜けた”ほうがいいんですよ!それをチームとしてまとめるのは監督の仕事。それが何を言ってるかっていうと、個性ってことになるんです!
佐藤:確かに!
佐々木:本当にでもこれは、サッカー以外のことでも言えることですもんね。
佐藤:そうですよね、すごく自分の中で、大切に持っておきたいなっていう言葉ですよね。
佐々木:自分の個性を探していきたいなと改めて思いました!
野球少年がサッカーの道へと導かれ、様々な出会いで得た経験によって多くの栄冠を手にした福田さん。サッカー以外にも通じる大切なことを教えてくれました!皆さんにとって、「自分の個性を再確認するきっかけ」になれば幸いです。
(TBSラジオ『やる気スイッチラヂオ アストルム』より抜粋)