本町から英バレエ名門校へ 中2岸間杏さん、夢への一歩
藤沢本町のバレエ教室「レイナバレエスクール」に通う岸間杏(きょう)さん(13・横浜市戸塚区在住)が先月、世界3大バレエ団の一つとして知られる英国「ロイヤル・バレエ団」の付属校「ロイヤル・バレエ学校」の入学試験に合格した。同校は、日本を代表するバレエダンサーの熊川哲也さんや、吉田都さんなども輩出してきた名門だ。
「杏ちゃん、入学が決まったよ」。先月下旬、レッスン後の自主練習をしていたところ、講師の甘糟玲奈さんからそっと告げられた。「信じられなかった」と岸間さん。友人たちが歓声を上げる中、驚きのあまり動けなくなってしまったそう。現在は「9月までにロイヤル式に体を慣らしたい」と一層力を入れて練習に取り組んでいる。
バレエを始めたのは5歳の時。すぐに夢中になり、小学生の時には週4回、中学生になってからは週6回の練習に励んだ。これまで多くの時間を費やしてきたが、「バレエが何より好き。練習がつらいと思ったことはない」と明るく語る。「バレエの魅力は普段の生活ではできないような美しい動きや、体全体での感情表現ができること」
指導に当たってきた甘糟さんは、岸間さんの踊りについて「豊かな感性を持っていて、表現に華がある」とし、「安心して送り出せる」と太鼓判を押す。
校長に招かれ
入学のきっかけは昨年8月、同校のクリストファー・パウニー校長(当時)が来日して講師を務めるワークショップに参加したこと。あくまで勉強のつもりでレッスンを受けていた岸間さんだったが、才能に目を留めた校長から呼び出され、入学試験の受験資格を受け取ったという。「最初は何をいただいたのかも分からなかった。まさかと思った」と当時を振り返る。その後、現地オーディションを経て正式に入学が決定した。
9月から単身渡英し、現地で3年間学ぶ予定の岸間さん。「ロイヤルの踊りは人間らしい感情が生身で伝わるし、上品。レッスンも常にオーディションだと思って、気を引き締めて臨みたい」と意気込む。
「憧れはマリアネラ・ヌニェスさん」。現在のロイヤル・バレエ団のプリンシパル(最高位のダンサー)の一人だ。「将来はロイヤルのプリンシパルになりたい」と夢への一歩を踏み出した。