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1,000匹超えを目指すワカサギの釣り方&誘い方解説 食い渋りの攻略が鍵?

TSURINEWS

ワカサギ(提供:週刊つりニュース中部版・松森渉)

ワカサギ釣りはベテランから初心者、子どもまで楽しめる手軽な釣り。また食べてもおいしい魚で、調理も簡単にできるのがうれしい。数釣りも簡単で魚影の濃い釣り場なら1,000匹超えも狙える魚ではあるが、数を伸ばすにはそれなりのコツがある。今回は、ワカサギ釣りで釣果を伸ばすための、釣り方や誘い方などを解説する。

ワカサギ釣りのスタイル

ワカサギ釣りにはドーム船・ボート釣り・桟橋の釣り・氷上釣りの4つの釣りスタイルがある。

ドーム船は長野県の諏訪湖が発祥で室内で釣りが可能。自走式のタイプと、沖に桟橋や船を固定して別船で乗り付けるタイプ、桟橋の先にドームを作るタイプなどがある。どのタイプも暖房の効いた暖かい船内で釣りが楽しめ、トイレも安易に行けるのが魅力。その便利さから人気が高い。

ボート釣りで連掛け(提供:週刊つりニュース中部版 松森渉)

桟橋の釣りは、期間限定の釣りになる。桟橋にワカサギが寄ってこないと釣りにならない。しかし寄りさえすれば、手軽に釣りが楽しめる。

氷上の釣りは、氷に穴を開けて釣る風情のある釣り。しかし氷が分厚く張る釣り場が限られるほか、温暖化によって条件も整いにくくなっている。

そしてボート釣り。全国的に見ればボートからの釣りが主流になると思う。ボート釣りの楽しさは自分でポイント選びができること。その気になれば場所移動はいくらでもできる。

ワカサギ釣りの竿とリール

ワカサギ釣りの竿とリールは、大概の釣り場ではボート店や管理棟でレンタルが可能だ。初心者の人や釣行回数が少ない人はレンタルで十分。レンタルタックルだと、釣れないイメージがあるかもしれないが、釣りに行くタイミングを大きく間違わなければ、簡単に釣れるはずだ。

便利な電動リール(提供:週刊つりニュース中部版 松森渉)

レンタルでは満足できない人には、断然電動リールタックルがおすすめ。ワカサギで電動?と首を傾げる人もいると思うが、あなどるなかれ。一回電動タックルを使ってしまえば、その利便性に気づくはず。

まずタックル自体がコンパクトで軽く、電池で稼働する。ボタン1つで巻き上げ可能。手巻きだと10数秒掛かるところを、数秒で巻き上げが完了する。つまり単純に手返しが早くなる。手返しが早くなれば、必然的に釣果が上がるわけだ。慣れてくれば二刀流の管理がしやすいのも、1,000匹超え釣果を目指すなら大きなメリットになる。

また、電動タックルは竿にリールを取り付けるのではなく、リール本体に穂先を付けるスタイル。速い誘いに向いた先調子の穂先や、ソフトに誘える胴調子の穂先など、状況に応じたタックルの使い分けが簡単にできるのも有利だ。

付ける穂先の長さは釣り場によって合わせ、ドーム船や氷上、ドーム桟橋なら穴から釣りをするので20~30cmまでの短い穂先、ボートや桟橋なら30~50cm程度の長めの穂先が使いやすい。

タックル図(作図:週刊つりニュース中部版 松森渉)

ワカサギ釣りの仕掛け

釣具店には各メーカーから多種多様なワカサギ釣り用仕掛けが発売されている。適切な仕掛け選びが釣果を左右するポイントとなる。

針の使い分け

針の大きさは1.5号が基準で、釣れるワカサギのサイズに応じて調整。針の種類はバレにくく高活性時に強い袖針と、吸い込みが良く低活性時に強いキツネ針が主に使われる。

ハリス

ハリスの号数は0.2号が基準。こちらも活性やサイズに応じて太いものや細いものを使い分ける。ハリスの長さは3~3.5cmが標準で、短いものは誘ったときエサがよく動いてアピールでき、長いものはロングフォールするので、食わせの間を作りやすい。前者は動くものに反応する場合、後者は落ちてくるものに反応する状況で効果的だ。

また、ハリスの材質はフロロカーボンとナイロンが基本。フロロは張りがありトラブルが少なく、誘いに素直に追従する。ナイロンは柔らかいので縮れやすく、手返し面は劣るが、しなやかなのでゆっくりと落ちるのが特徴。このふわっと落ちる動きが低活性時には効くことが多い。そのため、高活性時は太めで短いフロロカーボンラインのハリス、低活性時は細めで長いナイロンラインハリスを使い分けるのがおすすめだ。

ワカサギ釣りの仕掛け(提供:週刊つりニュース中部版 松森渉)

針数と枝スの間隔

針数も5本から8本以上など色々あるが、数釣りがしやすい針数が多いものが有利な場面が多い。ただ、エサ交換の手間やライントラブルの起こりやすさなどのデメリットもあり、慣れないうちはかえって手返しを悪くするので、初心者の人は多くても6本バリまでとした方がいい。慣れてくればハリ数を増やしていこう。

仕掛け全長や枝スの間隔も重要で、中層にワカサギがいる場合はタナを広く探れる1mなどの長い仕掛けが有利。低温期など底ベタにしか反応がない場合は、枝スの感覚が短い仕掛けの方がいいだろう。

オモリ

ワカサギ釣りで、オモリはなくてはならないアイテム。オモリがなければ仕掛けが沈まないからだ。オモリの重さ、形、色までワカサギ釣りのオモリは多種多様だ。重さは1~7.5g。形はナス型、四面型、棒型とさまざま。色も鉛、黒、ピンクなどある。

様々な種類のオモリ(提供:週刊つりニュース中部版 松森渉)

近年は重めのオモリが主体になりつつある。理由は重い方が単純に早く沈むため、手返しが早くなる。オモリの重みでハリ掛かりしやすいなど。しかし状況によっては軽いオモリも活躍する。ワカサギにエサを長時間アピールしたいなら、軽い方が沈むスピードが遅いためアピール力はある。

また、ドーム船では周りとのオマツリを避けるため、オモリの重さに指定がある場合もあるので注意しよう。

ワカサギの釣り方一連の流れ

(1)桟橋やボートの場合は、ボート店や管理棟で情報収集。特にボートの場合は地図を手に詳しく聞こう。ワカサギは回遊魚。年中同じポイントで釣れることはない。どのポイントで釣れるか事前の情報収集は必要不可欠だ。

(2)ポイント探索。ドーム船はポイントが固定されているのでポイントを探索することはできないが、ボートや氷上、桟橋は自分で釣り場を決められる。その時期ごとによって好む水深が変わるので、その辺りも考慮して選ぼう。

魚探があれば水深やワカサギの反応がひと目で分かり心強いが、過去のデータからある程度は推測もできる。そして釣り人自身の勘も最後にモノを言うこともある。魚探は絶対ではない。魚探に魚群が映っても釣れないことはよくある。ボートの場合、ポイントが定まればアンカーを降ろしボートを固定する。

(3)次にハリにエサを付けて仕掛けを底まで落とす。食い気のあるワカサギがいれば、仕掛けを落としただけで食ってくる。食ってこなければ、誘いを入れて食い気を誘っていこう。

タナは基本は底付近だが宙層に浮くこともある。魚探があれば魚影反応のあるタナに合わせられるので、ドーム船や桟橋でも便利なアイテムだ。なければアタリのあるタナを広く探ったり、釣れてきた針の位置で判断しよう。

(4)アタリが出たらアワセを入れてハリ掛かりさせる。ハリに乗った感触があれば、仕掛けを巻き上げて取り込みバケツに入れる。釣りの動作自体は至って簡単。条件が良ければこの動作だけでたくさんのワカサギが釣れると思う。食い渋りの場合は、各動作に少しずつ工夫を加える。

食い渋り時の対処法

ワカサギの食いが渋い時の対処法を紹介しよう。

ワカサギ釣りの風景(提供:週刊つりニュース中部版 松森渉)

エサの付け方工夫

エサは白サシ、紅サシ、アカムシが基本。活性が高ければチョン掛けで構わないが、食い渋ってきたらエサをハサミで切る。

エサの刺し方(作図:週刊つりニュース中部版 松森渉)

通常は半分に切り、チョン掛けする。さらに食い渋れば3等分に切る。ハサミで切ることにより、エサの内容物を出させるのが狙い。この内容物がワカサギの食い気を誘う。ただハサミで切るとエサ持ちが悪くなるので、エサ交換は早めにした方が良い。

ワカサギ釣りのエサ(提供:週刊つりニュース中部版 松森渉)

仕掛けを変える工夫

仕掛けの項でも述べたが活性に応じて仕掛けを変える工夫も釣果に繋がる。

例えば、アタリがあるのにハリに乗らないときは、ハリが大き過ぎるか小さ過ぎるかだ。だから釣れるサイズが小さければ小さくして、大きければ大きくすると良い。

また、仕掛けのハリの間隔も、釣果を左右しやすい。ワカサギの群れが固まらず広範囲の群れで移動する場合は、仕掛けの間隔が短いと狭い範囲しかカバーできないので、必然的にヒット率が下がることになる。

特に群れが中層にいる場合は、枝スの間隔が長いものが断然良い。逆にワカサギが底に集中しているときは仕掛けの間隔が短い方が有利になる。適材適所の仕掛けを使い分けるよう心がけよう。

下バリを付ける工夫

ワカサギは本格的な冬場になると、ベタ底でしか食わなくなる。ワカサギ用のオモリには、下部にハリス止めが付いている。ハリス止めに下バリを追加で加えるのだ。市販の仕掛けもあるので、冬場は持っておくことをおすすめする。

誘いのパターンを変える工夫

ワカサギは食い気があるときは、何もしなくても釣れることもある。しかしワカサギは繊細な魚で、スレてなかなか口を使ってくれないことも多い。そんなときには誘いを入れるのが効果的だ。活性によっても反応する誘いは変わってくるので後述する誘いを覚えておこう。

ワカサギ釣りの誘い方7選

ワカサギの誘い方を7つ紹介する。下記のような誘いを組み合わせて、例えば「着底→たたき→段差誘い→フリーフォール→たるませ」など一連の流れとして行うアングラーも多い。状況に応じたアタリの出る誘いパターンを見つけ出そう

また、誘いを入れたら、意識して食わせの間を作るのもコツ。ほとんどの場合、誘いを入れて止めた直後にアタリが出るはず。

誘い上げ

仕掛けを底まで落としたら、水面から竿先をゆっくりと上げていき、目の高さぐらいまで来たら止めて食わせの間を作る。アタリは止めたときだけでなく、誘い上げているときに出る場合もある。その場合、竿先のモタレなど微かな反応になることも多いので見逃さないようにしよう。アタリがなければフリーフォールで落として再度誘うか、ゆっくりと誘い下げるのが有効な場面もあるので試してみよう。

段差誘い

竿先を水面から小刻みに止めながら段差状に誘い上げていく。止めたときにアタリが出ることが多く、5秒ほど長く止めたほうが良い場合もあれば、ハイテンポに誘うほうが好反応を見せることもあるので色々と試してみよう。目の高さまで誘ってアタリがなければ、フリーフォールorゆっくり誘い下げる。

焦らし誘い(巻き落とし)

仕掛けを底まで落としたら、すぐに2mほど巻き上げる。5~10秒したら再び底に落とす。一度ワカサギにエサを見せてから視線から外し、焦らすことで反射的に食わせる誘い。

焦らし誘い(作図:週刊つりニュース中部版 松森渉)

たるませ誘い

まず仕掛けを底まで落とす。普通は仕掛けを落としたら一度仕掛けを張るが、この釣り方は仕掛けを張らずたるませた状態で3~7秒水中をフワフワ漂わせる。食いつかないときは、仕掛けを少し巻き上げて再び仕掛けを落とし同じことをする。かなりの食い渋りでもワカサギが反応する誘いだ。

たるませ誘い(作図:週刊つりニュース中部版 松森渉)

たたき

オモリを底につけた状態で、たたき台にリールをトントンと軽くたたきつけるように動かす。小刻みに仕掛けを揺らして誘う。

振り子誘い

オモリを底につけた状態で、たたき台にリールを付けたまま穂先を上下に動かす。ブラブラと道糸を振り子状に動かすイメージで誘う。

スライド誘い

仕掛けを底まで落とし、仕掛けを上方へ少し上げて速い動きでスライドさせる。いきなり目の前にエサが現れ、反射的に食う。これで食わなければ今度は落として誘う。

スライド誘い(作図:週刊つりニュース中部版 松森渉)

ワカサギ釣りのマナー

ワカサギ釣りは誰もが楽しめる手軽な釣り。しかし水深がある場所を釣るこの釣りは、それなりに危険もある。ボート釣りでは必ずライフジャケットを着用すること。基本寒い時期での釣りなので防寒はしっかりとしてほしい。

風が強い日は無理な釣行は避けよう。また釣り場によってその釣り場のルールがあるので必ず守ってほしい。例えばねりエサなどの寄せエサは禁止など。湖によっては出航時間も決まっている。そして当然だが、ゴミは必ず持ち帰ること。

ワカサギをおいしく持ち帰る

釣れたワカサギはバケツやフラシに入れて、泥などの内容物を吐き出させる。あとはこまめにクーラーボックスに入れよう。

ワカサギはスーパーや魚屋では滅多に買えない小さな高級魚。釣りたてのワカサギを食せるのは、釣り人の特権であり醍醐味だ。

<週刊つりニュース中部版 松森渉/TSURINEWS編>

この記事は『週刊つりニュース中部版』2022年12月16日号に掲載された記事を再編集したものになります。

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