<子育ての正解は?>パン屋で遭遇「ステキなお母さん」でも……感動したのは私だけ?【まんが】
私(セイコ)は、旦那と小学生の子どもがいるママです。今日は街で人気のパン屋さんに行きました。このお店の一押しは焼きたてのメロンパンです。時間ごとに焼きたてを販売しているので、いつも店内には列ができています。私が店内でパンを選んでいると、一組の親子がメロンパンの列に並んでいました。そこでくり広げられる親子の会話に、思わず感動してしまった私。「素敵なお母さんだな。見習わないと」そう思ったのですが、意外にも周りの反応はそうではなかったようです。
私が店内に着いたときは、メロンパンの列は既にでき上がっていました。
本当はメロンパンを目当てに来ましたが、この列に並ぶ時間はありません。私は他のパンをトレーにのせていました。
「メロンパン焼きあがりました―――――!!!!」
ショーケースにメロンパンが並びます。次々にメロンパンは売れていきます。
自分たちの番を迎えた親子。お母さんが、メロンパンの在庫と後ろの人数をチラッと確認しました。
「すみません。次のメロンパンが焼きあがるのって、何時頃ですか?」
その親子のお母さんは、店員さんに確認します。
どうやら次回の焼き上がりには、30分ほどかかるようでした。すると、お母さんは、後ろに待っている人のために購入を予定していたメロンパンの数を減らす提案を息子にしたのです。
早々にメロンパンを諦め、店内に並んでいるほかのパンを選んでいた私。 そんなとき目の前で起きた出来事でした。 後ろの人のことを考えて、子どもに素敵な提案をしていたお母さん。 周りが見えているその余裕に、私は感心してしまったのです。 子どもも笑顔でパンを買っていたし、こんな気遣いが常にできる人でありたいな……そんな風にも思っていました。 しかしそのことを帰宅してから旦那に話すと、旦那は私とはまったく別の意見を持っていたのでした。
旦那に「ほっこりを共有」のはずが……?正反対の意見にビックリ
「ルール違反でない限り、自分が必要な数を買うっていう考えは間違ってないと思うけど? 個数制限がないのなら早い者勝ちのような気もするけどなぁ……。ダメなの?」
旦那の見解を聞いて、新たな発見があったのも事実です。
だけどこれは、ある親子の母親の対応が素晴らしかったという話だけだったのに、こんな切り返し方をされるなんて思ってもいなかった私は衝撃を受けました。
「子どものうちは周りへの配慮じゃなくて、頑張った自分への満足感の方が重要じゃない?」
旦那の言葉に、私はモヤモヤが残り、納得がいきませんでした。
あのとき、あのお母さんの判断は間違っていたとは、私にはどうしても思えないのです。
旦那は「せっかく並んだのに、なぜ我慢しないといけないの?」 と、メロンパンを後ろの人に譲ったお母さんの行動に対して否定的でした。 しかもあえて自分の欲しい数を買わずに後ろの人にメロンパンを譲ることで、並んでいる人たちに無意識に圧をかけているようなものじゃない? という意見に驚きました。 確かにメロンパンを譲ってもらった人のことは考えてはいませんでした。 まるで物事の裏と表を見ているようで、すごく興味深いのですが、なかなか腑に落ちません。 今度ママ友とランチ会があるので、ぜひ聞いてみようと思います!
「損したくない」「偽善的だよ」ママ友たちの見解に目からウロコ
「わざわざ後ろの人のために残さなくても良くない?」
「気遣いの裁量を客に求めるのがおかしいんだよ。だいたい店側がルールを作っていない以上、そこにルールはないってことでしょ」
などなど……驚くことに、ママ友のなかでも結構、意見はわかれたのです。
念のため、旦那の言う「3個買わないとっていう圧になってない?」という意見もみんなに共有しました。
それに対してもそれぞれの見解で意見をくれたママ友たち。
「本当にいろんな考えの人がいるんだな」と思ってしまいます。
ママ友たちの意見も、いろいろありました。 自分が我慢したメロンパンを、何の忖度もせずにたくさん買う大人を見たときの子どもの気持ちを考えると、確かに少し切ないものがあるかもしれません。 店側の配慮も足りないというママ友もいました。 一方で、やはりメロンパンを譲ったお母さんは、その場にいい雰囲気を残したのでは? という人もいて、本当に色々な意見があって面白いなと思いました。 日常生活が「教育の場」と考えるなら、親として子どもに見せたかった姿が、そのお母さんの姿だったのかもしれません。
気づかいとは?優しさとは?論争に決着!私が出した結論は……
「その時々で正解は違うし、そもそも正解もない。でも子ども自身が今後、判断しないといけなくなるときに、後ろの人の存在について知っておくことは、悪いことじゃないし、子どもの経験にはなったから良かったよねって話なんだよ」
ママ友たちの意見は私には新鮮でした。しかし、結論がしっかりでてスッキリした気持ちです。
そうして、私たちはそれぞれメロンパンを買いました。帰り道、私はなんだか清々しい気持ちになっていました。
「どの考えも間違っていないよね」
どう行動すべきだったかも、この経験をどう生かすかも、みんな違うんだろうなと思います。
結局は子育ての方向性によっても、考え方は異なってくるという結論に至りました。 いろいろな考え方があっていい。 自分の考え方と違うことが「間違っている」ということではないと、改めて再確認することができました。 あのとき、メロンパンを譲る代わりに他のパンをたくさん買ってもらった子どもの笑顔を思い出すと、あの家庭では正解だったんだなと思います。 そしてしいていうならば、メロンパンを譲ってあげたママさんのことを悪く言うような人にならないように気を付けたいな……と思ったのでした。