「公共歩廊」新設に期待 相模大野 公園への動線
伊勢丹跡地に建設が進む新築分譲マンション(相模大野4丁目)。来年春にはマンション敷地内にこの間途絶えていた、相模大野駅から相模大野中央公園につながる動線が確保される。伊勢丹の撤退後、地域の経済活動に「陰り」が見える中、街の変化による新たなにぎわいの創出が期待される。
伊勢丹閉店で通路閉鎖来年春整備
「2019年に伊勢丹が閉店してから、人通りがガクッと減ってしまいました。そのあとコロナ禍が重なり、飲食店は大打撃を受けました。通りにあったお店はだいぶ減ったと思います」。駅北口の「コリドー街」周辺の店舗で構成される相模大野北口商店会の三澤崇典会長はそう語る。ある調査では、コリドー街の人通りはピーク時の3分の1にまで減少したとも言われている。
ただ、そのように街の成長に停滞が見られる中でも、商店会としては酒をテーマにしたイベントを試みるなど、にぎわいを絶やさない努力を続けてきた。「来年に向けて、また盛り上げていきたいですね」
「百貨店がなくなったのはもちろん寂しいことですが、公園へつながる通路が使えなくなったことも街としては痛かった」。駅周辺にある4つの商店会による連合会の岩井大輔会長はそう語る。伊勢丹営業時は、店舗の裏手にある中央公園や相模女子大学グリーンホールにつながる「店舗内通路」を誰もが利用できた。閉店後は利用できなくなり駅から公園、ホールへの道は迂回路が設置され、歩行者動線は確保されたものの、「不便」になったことは否めない。そのため、連合会はこの間、行政に通路の確保を要望し続けてきた。「新しくマンションが建つことで通路が設けられると聞き、ほっとしました」。事業者によると、マンションの敷地内には「公共歩廊」が新設される。
それまで相模大野の人流は、伊勢丹をひとつの目的地とすることで回っていた面がある。来年春に整備される公園や広場などが「新しい目的地」となれるか――。にぎわい復活の鍵を握ることは間違いなさそうだ。