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夏のボーナス支給額、据え置きの企業が4割近くに コスト高や米国の関税など先行き不透明が影響

月刊総務オンライン

夏のボーナス支給額、据え置きの企業が4割近くに コスト高や米国の関税など先行き不透明が影響

帝国データバンク(東京都港区)は6月13日、2025年夏季賞与についてのアンケート調査結果を公表した。調査の結果、企業の4割近くが夏ボーナス支給額平均は前年と変わらず、3割の企業では増額しているが、依然として企業規模により格差がある。

ボーナス支給額は据え置きは企業の4割近く、減少は12%

2025年の夏季賞与(ボーナス、一時金など含む)の支給状況(従業員1人当たり平均)について、多数を占めたのは「賞与はあり、変わらない」企業で37.0%(前年比2.8ポイント増)だった。「賞与はあり、増加する」と回答した企業の割合は前年より5.8ポイント減少し、33.7%だった。「賞与はあるが、減少する」企業は12.0%(前年比0.7ポイント増)だった。

夏季賞与の支給状況

また、「賞与はあり、増加する」企業を規模別に見ると、「大企業」が38.4%で、全体(33.7%)を4.7ポイント上回っている。「中小企業」は33.0%で、うち「小規模企業」は27.0%と、夏季賞与が増加すると回答した企業の割合は低めとなった。特に「小規模企業」は「大企業」より11.4ポイント低く、依然として企業規模による格差があった。

業績改善で従業員に還元する企業、改善しないが還元する企業、コスト高で還元できない企業

「賞与はあり、増加する」とした企業では、「売上・利益が順調であることによる還元と、物価上昇への対策」(不動産)のように、業績改善による従業員への還元を挙げた企業が多かった。また、業績は改善していないものの、物価高騰のなかで人材の確保・定着のために賞与を増やすという企業(建設、情報サービス)もある。

その一方で、賞与はあるが変わらない、または減少する企業では、各種コストの上昇などによる業績の圧迫を理由とする企業が一定数あった。「原材料・エネルギー価格の高騰や人件費の上昇、消費マインドの低下による売上減などで業績が悪化。多く出してあげたいが出す余裕がない」(繊維・繊維製品・服飾品製造)などの声が挙がった。

企業からの声業種51分類「賞与はあり、増加する」人手不足の状況が厳しくなる中、賃金を上げていかなければ、必要な人員が確保できないとの危機感があり、4月の賃上げに続いて夏季賞与についても増額した建設業績は良い状態ではないが、人材確保を優先して支給した建設賞与とは別にインフレ手当も支給する予定飲食料品・飼料製造賃上げ促進税制を活用するため紙類・文具・書籍卸売今年度の売上は横ばいであるが、値上げで利益を確保できたため増加させる鉄鋼・非鉄・鉱業製品卸売賃上げに伴い、ベースとなる月給が上がったため、賞与も増加する化学品卸売業績の反映と物価上昇への対応運輸・倉庫業績は下降気味だが、物価の高騰に困窮する社員の生活を少しでも和らげるために賞与を支給する情報サービス「賞与はあり、変わらない」「賞与はあり、減少する」2024年の賞与は例年に比べ多く支給したため、2025年夏季の賞与も同等に支給したい出版・印刷仕事量の減少に伴い、売上が減少している。損益も赤字になったので、少しでも内部留保を増やすために賞与を減額した機械製造決算後の発注控えと、トランプ関税により4月頃から発注が少なくなりはじめ、ダブルパンチでの発注減のため賞与を減らさざるを得ない電気機械製造先行きが不透明な状況での賞与の支給は不安ではあるが、人材の確保も含めて仕方がない専門商品小売人件費高騰により2024年度下期で減益となったため、ボーナスを減らすその他の小売物価上昇の中で賞与支給を増やしたいが、業績が低迷し、増やす原資がないため、前年と比較して支給額を下げるを得ないその他の卸売売上・営業利益が減少したため賞与も減らしたかったが、据え置きとしたメンテナンス・警備・検査コロナ禍から毎年赤字だが、社員は賞与を楽しみにしていると思う。物価高だからなおさらであり、金額より社員の気持ちを大切にしたい広告関連

「トランプ関税などで先行きが不透明」などが賞与の減少・維持に影響

2025年の夏季賞与の支給額(正社員1人当たり平均)は45.7万円で、2024年(43.9万円)から1.8万円増加した。このうち、「30万円から50万円未満」の企業の割合が34.8%で最も多い。次に「50万円から75万円未満」(24.7%)、「15万円から30万円未満」(21.8%)がどちらも2割台で続いた。

夏のボーナスを据え置きまたは減少する企業からは、「トランプ関税などで先行きが不透明なため、夏は控えめに支払い、関税の影響がなければ夏の不足分を冬で支払う」(情報サービス)などの声もあり、アメリカの関税政策などの先行きが不明瞭であることから、賞与の支給額を抑制するケースなどは、今年の特長の一つ。

金額ベースで増加した企業では、その要因として「ベースアップに連動して賞与も増額となった」との声も複数寄せられ、昨今の賃上げの影響もあるとし、帝国データバンクは総じて夏季賞与の支給は企業の間で二極化の兆しが見えていると分析した。

また、今後は物価の高騰で企業収益がさらに圧迫され、先行き不透明感の強まりに伴い、賞与を含め賃金の引き上げが難しくなることが懸念されるため、国の多方面にわたる支援策などにより「賃上げ」の継続を後押しする重要性について同社では示唆している。

この調査は、全国1227社を対象に、インターネット調査で6月6日から10日に実施。発表の詳細は同社の公式リリースで確認できる。

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