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2025年“飛躍期待”の静岡県勢ベストイレブンを選んでみた!前線は異彩を放ち始めた若手3人に!

アットエス


【サッカージャーナリスト・河治良幸】
2025年がスタート。年末から行われている第103回全国高校サッカー選手権では静岡学園の奮闘も目に付いたが、新春のコラムに相応しく、今年の飛躍が期待される静岡県勢を筆者の目線でベストイレブンにしてみた。

GKはベテラン牲川の定位置奪取に期待

GKは牲川歩見(浦和レッズ)だ。浜松市生まれで、磐田ユース出身の牲川は2022年からJ1の強豪である浦和に加入し、4年目を迎える。西川周作という壁に立ち向かいながら、昨年はリーグ戦3試合に出場。30歳となったが、GKというポジションを考えれば、ここからが選手としてのピークになる。GKコーチも替わるため、実力的にもポジション奪取のチャンスは十分にありそうだ。

4バックは代表2人も

(左から)伊藤洋輝、山原怜音、関根大輝


4バックは関根大輝(柏レイソル)、立田悠悟(ファジアーノ岡山)、伊藤洋輝(バイエルン・ミュンヘン)、山原怜音(清水エスパルス)という個性的なセットになった。

<関根大輝(柏レイソル)>
関根は地元の静岡学園で中高とスキルを磨き、拓殖大で大きく成長。在学中に柏とのプロ契約を勝ち取ると、右サイドバックの主力として躍動した。パリ五輪に出場、A代表に招集とブレイクの年になったが、ポテンシャルを考えればさらなる飛躍は間違いない。一部報道ではプレミアリーグのクラブからの関心も伝えられるが、動向も含めて楽しみなシーズンになりそうだ。

<立田悠悟(ファジアーノ岡山)>
清水ユース出身の立田は昨年、関根とともに柏レイソルでプレーしたが、前半戦はなかなか出番を得られずにベンチを温める試合が続いた。しかし、終盤戦は犬飼智也の欠場もあった中で、横浜F・マリノス戦で今シーズンの得点王に輝くアンデルソン・ロペスを完封するなど、存在感ある守備が目立った。後半アディショナルタイムの失点に絡んでしまうなど、まだまだ未成熟な部分も見られたが、26歳という年齢を考えても、清水とともにJ1昇格を果たした岡山で、本当の殻を破れるか。

<伊藤洋輝(バイエルン・ミュンヘン)>
磐田ユース出身の伊藤はドイツ1部シュトゥットガルトでの活躍が認められて、欧州屈指の強豪であるバイエルンに移籍したが、開幕前からの怪我が重なり、未だデビューすらできずにいる。ちょうど冬休みに当たる現在、すでにリハビリ期間を終えて、中断明けでの復帰に向けたトレーニングに励んでいると聞く。2026年の北中米W杯に向けた大事な期間に完全復活、そしてビッグクラブでの主力定着を果たしてもらいたい。

<山原怜音(清水エスパルス)>
御殿場で活動していた、JFAアカデミー福島で中高を過ごした山原は筑波大から清水に加入すると、ルーキーイヤーから左サイドバックの主力に定着。しかし、2023年には春先に左足を負傷し、清水の昇格争いにも少なからず響いた。J1からの関心も伝えられた中で残留を決意し、3得点6アシストを記録するなど、安定したハイパフォーマンスでJ2優勝&J1昇格に導いた。7月にはE-1選手権もある今年、さらなる活躍で本格的に代表入りを目指す年にもなりそうだ。

中盤3枚の顔ぶれは…

(左から)遠野大弥、藤原健介、杉田真彦


中盤は杉田真彦(藤枝MYFC)、藤原健介(ジュビロ磐田)、遠野大弥(横浜F.マリノス)の3枚だ。

<杉田真彦(藤枝MYFC)>
杉田は一昨年の大きな怪我を乗り越えて戦線復帰を果たしたが、ピッチに立てば味のあるプレーを見せるものの、本来の中盤の主力としての働きはできずに2024年シーズンを終えた。リーダーシップがあり、“ハイエナジーフットボール”とも呼ばれる須藤大輔監督のサッカーを誰よりも熟知する選手ではあるが、フルに出し切れることを示していかなければならない。契約更新の公式コメントでは「もう一度サッカー小僧に戻って心からサッカーを楽しみ、J1昇格に向けて全てをかけて戦います!」と語った杉田の奮起に期待したい。

<藤原健介(ジュビロ磐田)>
藤原は昨年の夏、J3のギラヴァンツ北九州に育成型期限付き移籍して、正確なキックを武器に、主力として4得点5アシストと活躍。後半戦のチームを浮上させた。最終的に7位で、昇格プレーオフにあと一歩届かなかったが、ボランチを中心に、継続的に試合に出ることで自信を付けて磐田に復帰。ジョン・ハッチンソン新監督のもとで、中盤の主力を勝ち取り、磐田をJ1復帰に導くことができるか。

<遠野大弥(横浜F.マリノス)>
遠野は藤枝市の出身で、藤枝明誠高で選手権の第95回大会に出場した。当初は進学を考えていたというが、JFLのHonda FCに誘いを受けて加入すると、天皇杯での活躍が認められて川崎フロンターレに移籍。その後はレンタル先のアビスパ福岡で成長を示し、復帰した川崎で2021年のリーグ優勝など、4シーズン主力として奮闘した。そこからライバルのマリノスに移籍という大きな決断をして臨む2025年。持ち前の動き出しに磨きをかけつつ、課題であるゴール前の決定力を見せることができるか。

前線は若い3人

古川陽介が月間ベストゴール賞を獲得した東京ヴェルディ戦


左右のウイングは古川陽介(グールニク・ザブジェ)と西原源樹(清水エスパルス)、そしてセンターフォワードには後藤啓介(アンデルレヒト)を配置した。

<古川陽介(グールニク・ザブジェ)>
滋賀県生まれで、静岡学園出身の古川は磐田で3シーズン、得意のドリブルに磨きをかけながら、守備などの課題に向き合って成長を重ねてきた。横内昭展監督が率いた過去2シーズンも、なかなかスタメンに定着することはできなかったが、与えられた時間で存在感を示し、昨年6月の東京ヴェルディ戦では60メートルのドリブルからゴールを決めて、月間ベストゴール賞と月間ヤングプレーヤーをダブル受賞。ここからというところで夏の欧州移籍を決断し、惜別の声も多かったが、ポーランドで着実に飛躍の足場を固めており、今年はさらなるステップアップ、そして国内では手が届かなかったA代表入りに期待がかかる。

後藤啓介(左)と西原源樹


<西原源樹(清水エスパルス)>
群馬県の生まれながら、清水のアカデミー育ちである西原は昨年、二種登録選手としてトップデビュー。17歳7ヶ月でクラブ最年少ゴールを記録する活躍を見せると、6月にプロ契約を結んだ。9月には17歳でU-19日本代表に選ばれるなど、大きな期待を背負っている。右利きのドリブラーで、左サイドからのカットインを得意とする西原だが、代表では右サイドを担うなどプレーの幅を広げている。ポジション、スタイルともに似たタイプで、ライバル視する小竹知恩もトップ昇格してきた今年、クラブと代表の両方で飛躍できるか注目だ。

<後藤啓介(アンデルレヒト)>
後藤は浜松生まれで、幼少からのサポーターでもあった磐田で2023年にトップ昇格。高校生Jリーガーとして注目を集めると、静岡ダービーのゴールなど、途中怪我がありながらもJ2で7得点を記録し、J1昇格に大きく貢献した。期限付き移籍でベルギーの名門アンデルレヒトに移籍すると、ベルギー2部に所属するBチームで得点を重ねて、アクロバティックなゴールが話題を集めた。その活躍が認められて、完全移籍を勝ち取った。フィジカル面も逞しくなったように見える。当面の目標はトップ定着だが、念願のA代表入りに向けて、ストライカーとしての価値を高めていく2025年になりそうだ。

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