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【中央区・ヤマヤ五平】昭和6年の家屋で“団子型の五平餅” 店主が建物を譲り受けた理由もうんといい!

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浜松市中央区の二俣街道沿いに、歴史が深そうな建物があります。本業はカメラマンという店主が五平餅の店を始めたところSNSで話題となり、一躍人気スポットに。この建物と出会い、五平餅を焼くことになった店主の思いも調査しました。

【画像】記事中に掲載していない店内画像! ギャラリーページへ
ヤマヤ五平(浜松市中央区高林)

元は酒店だった日本家屋

JR浜松駅から北に車で約10分。いかにも歴史がありそうな瓦屋根の日本家屋がありました。古びた看板には「ヤマヤ酒店」と書かれています。

さっそく店内に入ってみると、お客さんで賑わっていました。

広い畳の座敷、青い羽根の扇風機など昭和レトロ感満載です。

ヤマヤ五平・林道雄さん:
建物を引き継いで、五平餅など甘味処にしました。もともとはお酒やタバコの販売をしていた店で、その昔はみそ・しょうゆを作っていたそうです

ヤマヤ五平・林道雄さん

ここはかつて「ヤマヤ醸造」という、しょうゆ・みその蔵元があった場所です。建物自体は昭和6年に建てられ築90年以上。

時代と共に使われ方が変わり、店を始める直前は住居として使われていたそうです。

そんな歴史ある建物を林さんが引き継ぎ、この夏、新たに甘味処をオープン。

昭和のくらし“課外授業”

店内には、昭和の面影がいたるところに残っています。

ヤマヤ五平・林道雄さん:
黒電話も現役で使用しています。子供さんがこの黒電話から、お父さんお母さんの携帯電話に電話をして、まるで課外授業です

いまも使える黒電話

店の奥にまわると、井戸の洗濯場もありました。水をためる槽と、洗い場に分かれていて、当時の洗濯の大変さがよくわかります。

店内を巡れば、昭和の暮らしを学ぶこともできるヤマヤ五平。大人は懐かしい風景に思いをはせ、子供には新鮮な輝きを放つ、古き良き日本の建物です。

井戸水をくんで洗う洗濯場

お団子型の五平餅

そして忘れてならないのは、林さん自慢の五平餅です。

五平餅と言えば小判肩が定番ですが、ヤマヤ五平は一口サイズで見た目もかわいい、お団子型五平餅です。

ヤマヤ五平・林道雄さん:
岐阜県多治見市の方に行くと団子3つ型になるんです。五平餅と言えばタレはみそで味付けされているイメージですが、ヤマヤ五平はしょうゆベースで、ゴマが入っています

残念ながらヤマヤ醸造はずいぶん前に店を閉めたため、しょうゆはヤマヤのものではありません。

林さんもその味を体験したことがないので、好みのしょうゆを使っています。

五平餅3本セット」はお茶付きで450円。

テレビ静岡・小倉彩瑛アナウンサー:
モッチモチで甘じょっぱくておいしい! 外側がちょっとカリッとしています

ヤマヤ五平・林道雄さん:
最初の素焼きのときに焼きを強めに入れて、中のふんわり感と外のカリカリ感を出しています。通常の五平餅は甘めなものが多いと思いますが、やや塩味をしっかりさせています

甘塩っぱさを重視しているので、おやつの時間だけでなく、どの時間でも食べたくなる五平餅です。

五平餅の他にも、昔ながらの固めの「プリン(450円)」や、「だし巻き卵サンド(500円)」など、林さんの好みで決めたメニューがありました。

左)プリン(450円) 右)だし巻き卵サンド(500円)

カメラマンが五平餅を焼くワケは

ところで林さんの本業は五平餅職人ではありません。

地元浜松で、プロのカメラマンとして活動しています。

湿板写真(しっぱんしゃしん)と言われる幕末~明治の撮影法で撮影することもあるそうです。

林さんの友人が、たまたまこの建物に住んでいた女性の“おい”だったことから、この建物と出会いましたが、レトロな雰囲気が大好きな林さんにとって、昭和の面影を残す建物は後世に残すべき貴重な文化財でした。

ヤマヤ五平・林道雄さん:
建物にあった「ショーケースや棚はいらないか」と話がありました。来てみたらあまりにこの建物のために作られた建具だったので、バラすにはもったいないと思い「できたらこの建物ごと譲っていただけないか」ということになりました

駅に近いエリアにも関わらず、全く異質の空間。

林さんは地域に根付いた“文化財”として維持するためにも、しっかり五平餅を焼いて建物を守っていきたいと笑顔で話していました。

■店名 ヤマヤ五平
■住所 浜松市中央区高林1丁目1-36
■営業時間 10:00~17:00
■定休 水・木
■駐車場 あり

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