「脂肪が筋肉に変わる」は誤解?【眠れなくなるほど面白い 図解 筋肉の話】
筋肉が脂肪になったり、脂肪が筋肉になったりするってホント?
筋肉の細胞と脂肪の細胞はまったくの別物
運動をやめて太った人はよく「筋肉がぜい肉に変わった」などといいます。反対に、運動を始め体が締まってきた人は「ぜい肉が筋肉に変わってきた」とうれしそうに話したりします。
でも、この考え方は正しくありません。人体で一度分化した細胞が、別の細胞に変わることはありえないからです。脂肪が筋肉に変わることも、筋肉が体脂肪に変わってしまうこともないのです。運動をやめると筋肉が減って基礎代謝が下がり、その結果体脂肪が増えるので、あたかも筋肉が体脂肪に変わったかのような錯覚を受けるに過ぎません。その逆も同様。筋トレをすると、筋肉量が増えて基礎代謝が上がって体脂肪が減るので、脂肪が筋肉になったかのように感じてしまうのです。筋肉と脂肪の大きな違いは比重の大きさです。
筋肉は脂肪よりも比重が大きく、同じ量でも1割程度体積が小さいため、同じ体重なら筋肉が多い人のほうがスリムに見え、逆に体脂肪が多い人は太って見えます。痩せたい人がチェックすべきは体重よりも体脂肪率です。男性は25%、女性は35%を超えると「肥満」です。体重は適正なのに体脂肪が多い人は、いわゆる「隠れ肥満」。でも、食事制限をすると体脂肪だけでなく筋肉の分解と消費が進んでしまいます。体脂肪だけを落とすには、並行して筋トレの取り入れが不可欠です。
筋肉から脂肪、脂肪から筋肉に変わる?
痩せている人は、トレーニングを始める前に1回太ったほうが、たくさん筋肉ができるらしい?
答えは×→筋肉と脂肪は別の細胞。変わることはない!
細胞は、体の部位ごとに種類が決まっていて、ほかの部位の細胞に変化することはない。
【細胞例】表皮細胞(皮膚)、赤血球(血液)、骨細胞(骨)、筋細胞(筋肉)、脂肪細胞(脂肪)、肝細胞(肝臓)、神経細胞(神経系)など
筋肉を増やすことと、脂肪を減らすことは別!
体重だけでなく体脂肪もチェックしよう!
同じ体重なのに体型が違うのはなぜ?
→ 同じ体重でも筋肉が多いほうが引き締まって見えるから!
こんなことありませんか?
体重は適正だけど体脂肪が多い
→それは隠れ肥満!
体脂肪の目安男性は25%、女性は35%を超えると「肥満」
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 筋肉の話』著:坂詰 真二