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理不尽に怒るのとは全く違う、サッカーコーチが実践する振り返りと思考力を育てる指導

サカイク

感情に任せて怒るのはよくない、暴力暴言など言語道断。という意識は学校やスポーツ、各種習い事の現場でもだいぶ浸透しています。

理不尽に怒るのはダメだとわかっているけど、親である自分自身も「怒る」「叱る」の違いを教えてもらったこともないし分からない、でもほめて甘やかすだけでは社会でやっていく力がつくと思えない......。

学校やスポーツの場でも甘やかすだけでなく、ダメなことをしたときはきちんと叱ってほしい、という声も。

サカイクアンバサダーにご参加いただき、サカイクキャンプやスクールで大勢の子どもの指導にかかわっている、柏瀬翔太コーチに「怒る」と「叱る」、「褒める」について相談してみました。

 

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■もともと「怒る」指導はしないよう気を付けているが......

サツマさん(仮名)は、未就学児から高校生までの指導を行うスクールの運営者であり、以前よりサカイクの理念に賛同いただいていたそうです。

ゆえに、スクールで理不尽に怒ることはしないそうですが、小学生年代だとどうしても些細なことで言い合いが起こり、そのなかで相手の人格を否定するような場面も多々あるそうです。

そんな時にはきちんと叱って理解させているつもりだけれども、子どもたちが「どうして叱られたか」を理解してほしいので、改めてサカイクコーチと話して自信を深めたいという思いでご参加いただきました。

 

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■怒ることは相手の判断や思考を奪うこと

「怒る」と「叱る」の違いについて見解をうかがうと、柏瀬コーチはこのように回答しました。

「怒るというのは、子ども自身が振り返って判断し考える回数を少なくする行為だと思っています。怒ってしまうと、相手は『これをしなきゃいけない』と考えや判断をかなり狭めてしまうと思っています。叱るというのは、振り返り考え判断することが『怒る』よりも多く発生する行為だと思うので、そこを基準にしています」

悪いことをしてしまった、友達に暴言を吐いてしまった。そんな時に「どうして言ってしまったのか」「この後どうしたらいいのか」を自分で考えて導きやすくさせることが「叱る」という行為ではないかと考えている、とご自身の見解を示しました。

 

■「叱る」とともに原因の「振り返り」をすることで未来に目が向けられる

スクールやキャンプなど、最初はおとなしくても仲が良くなると子ども同士の言い合いなど諍いが起こることは珍しくありません。

子どもたちのトラブルの時は、きちんと叱って諭すこともあるそうですが、叱ると同時に大切なのは原因の振り返りだと柏瀬コーチは言います。

例えば、ファウルがあったか無かったかがキッカケで暴言を吐いた子がいたとして、「どうしてそういう事を言いたくなったのか。何が原因でいま怒っているのか」を本人に振り返らせると、「こういうプレーが嫌だったから」などその子の感情が見えてきます。

それに対して「じゃあ、さっきはお互いそのプレーで言い合いになったけど、どうしたらもっと良いプレーができただろうね?」と未来に目を向けさせることを意識しているのだそうです。

それを聞いてサツマさんは、「僕もしょっちゅう感情的にはなってしまうんですが、そこは『怒り』を出すのではなく、理解させることを意識するようにしています」と、自身のスタンスに自信を深めた様子でした。

 

■自分たちで発信できる時代、いい指導を広めていく

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聞くと、サツマさんの周辺クラブにはまだまだ怒鳴ったり、「今の時代そんな言葉で指導するのはダメでしょう」と言いたくなるような指導者もいるそう。

「運営しているスクールにはいろんなチームの子が通っているので、保護者からも相談を受けるし、スクール生のチームの試合を見に行くと、未だにオラオラ系の指導者もいます。第三者からしても『えっ!?』と驚くような罵声も......」と明かしてくれました。

それでも、現代はSNSの普及もあり、良いことをしているチームの情報も伝わりやすくなっています。旧態依然の指導者を変えることは難しくても、自分たちの理念を発信して共感してもらうことができる時代です。

指導者自身が情報を発信することで、そこに気づいて賛同してくれる同業者や保護者が増えることによって、子どもたちのサッカー環境を良くする活動を続けていく、とご自身の行動に自信を深め、決意を新たにしていました。

  

■いいプレーは具体的に褒め、人として良くない言動はしっかり叱るサカイクキャンプ

今冬も開催が決まっているサカイクキャンプでは、いいプレーは具体的にどこが良かったか褒めます。そして、フェアじゃないプレーや人に危害を加えたり傷つけるような言動が見られたらコーチたちがしっかり叱ります。

サッカーを楽しみ、技術が向上するだけでなく、親元を離れ、一人で考える経験をたくさん積む3日間の中で、人間としても成長するキャンプです。

サッカー歴、現在のレベル関係なく小1~6年生までどの学年も楽しめるプログラム、選手として伸びるきっかけとなるキャンプとなっていますので、お子さんを参加させてみませんか。

 

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