【特集記事】みうら食品 (山形県東根市)|山形土産に「ご当地袋麺」がおすすめ!おうちで現地の味を楽しもう
株式会社みうら食品は、山形県東根市に本社を構える乾麺専門の製麺会社です。
1950(昭和25)年に創業し、70年以上の歴史があります。
主力商品である蔵王そばは、創業以来改良を重ね、これまでに半世紀以上愛されてきた商品です。
しかし、これにとどまらず、みうら食品では近年魅力ある商品が続々と登場しています。
いったいどんな商品が人気なのでしょうか…?
「株式会社 みうら食品」の名前が全国区となったのは、2000年以降に発売された「そば屋の中華そばシリーズ」がきっかけです。
当時、山形のお土産品として商品の開発を模索していたところ、「山形の麺文化を知ってほしい」という思いから、ご当地袋麺の「鳥中華」が誕生しました。
全国の方においしく食べてもらうため、現地の味を視察し、何度も試作を重ねたそうです。
麺のコシと香りにこだわり、乾麺とは思えないもちっとした食感と豊かな小麦の香りが広がります。
また、付属のスープもついたご当地袋麺は、現地の味を家庭でも楽しめるとあって、瞬く間に人気商品となりました。
今回は工場内を特別に見学させていただけることになりました。
みうら食品特有の生麺のようなおいしさや食感は、いったいどのように生み出されるのでしょうか…?
ここからは、実際の麺作りについて見ていきましょう。
① 小麦粉と水を混ぜる
はじめに、麺の材料となる小麦粉と水を混ぜます。
この時点で小麦のいい香りが広がります
ここでは小麦の風味を活かすため、少し時間はかかりますがお湯ではなく冷水を使ってこねているそうです。
② ローラーで伸ばして圧縮する
次に、生地をローラーで伸ばします。
ここではコシのある麺に仕上げるため、2枚の生地を重ねて伸ばしていきます。
生地を重ねて圧縮している様子
こうすることで、最初は凹凸のあった生地が、だんだんなめらかな質感になってきます…!
③ 生地を熟成させる
伸ばした生地は一度熟成し、状態を安定化させます。
生地を熟成している様子
麺のおいしさを引き出すための工程が要所要所に加えられているんですね!
④ 生地をローラーで薄く伸ばしていく
生地を熟成させたあとは、少しずつ幅が異なるローラーに通して、さらに薄くなめらかにしていきます。
だんだんと生地にツヤが出てきて、シルキーな質感に変化しているのが分かります。
この工程を繰り返すことで、ツルッとしたのど越しのよい麺に仕上がるのだそうです。
ローラーで生地を伸ばす様子
⑤ 麺状に切る
次に伸ばした生地を切断し、乾燥室に運びます。
麺が乾燥室に運ばれる様子
麺の切断が非常にスピーディーで、一瞬にしてたおやかで美しい麺ができあがります。
その様子が見ていてとても鮮やかでした!
⑥ 麺を乾燥させる
細く切った麺は4つの工程で乾燥されます。
①麺を室温に慣らす
↓
②温度を上げて乾燥させていく
↓
③湿度を下げて水分をとばしていく
↓
④麺を常温に戻す
じんわりと汗をかいてしまうような温かさの乾燥室
4つの乾燥室はそれぞれ温度や湿度が異なります。
最初は麺を慣らし、少しずつ温度を上げていきます。
ゆっくりとした温度上昇によって小麦の風味が失われにくく、折れにくいしなやかな麺に仕上がるのだそうです。
また、季節によっても気温や湿度は異なるため、日々の記録を丁寧に行い、情報共有をしながら、職人の判断による微調整が加えられます。
⑦ 食べやすい長さに麺を切る
乾燥した麺は食べやすい大きさに切ります。
乾燥室から運ばれてきた麺 (左)/ 長さを調整した麺(右)
写真では少し分かりにくいのですが、麺が運ばれてくる様子からも、しなるようなコシの強さを感じました。
⑧ 1束ずつに麺をまとめる
長さをそろえた麺は、機械で1束ずつにまとめられます。
麺を束にする機械
⑨ 麺とスープを袋に入れて包装
1束にまとめた麺は一つずつ人の手によって包装されます。
最後は目視で異変がないか確認
このような工程を経て、みうら食品の麺の完成です!
出来上がった麺は種類ごとに必ず検食し、おいしさと安全を確かめてから出荷されます。
一つ一つの商品に注意を払い、安心安全な食品を届けるための徹底した品質管理も、みうら食品のすごいところです。
今回の工場見学の中で、ココがすごい!と感じたポイントをまとめてみました。
1.素材の風味を活かす細やかな配慮
2.麺のコシとのど越しをよくするための工夫
3.徹底した品質管理
今回、初めて麺の製造を見学させていただき、香りやのど越しなど細部へのこだわりを知れたことで、乾麺に対する概念がガラッと変わりました。
皆様も麺の香りやのど越しに注目してみてはいかがでしょう。
みうら食品で人気の商品をご紹介します。
① そばつゆベースのやさしい味「鳥中華」
みうら食品公式HPより
2009年発売の鳥中華は、「そば屋の中華そばシリーズ」の先駆けとなった商品です。
天童市のソウルフードとして有名な鳥中華ですが、その味を再現するため、既存の麺を使わずスープも新たに開発。
そばだし風の甘めのしょうゆ味とツルッとなめらかな麺が相性抜群です!
揚げ玉ときざみのりをトッピングすると、現地の雰囲気に近づきますよ。
冷たい鳥中華も合わせてチェックしてみてくださいね。
② 濃厚な鶏だしが絶品の「肉そば」
みうら食品公式HPより
山形の内陸部で有名な「冷たい肉そば」を再現した一品です。
タレの袋を開けた瞬間、濃厚な鶏だしの香りが広がります。
肉そばの材料である親鳥が手に入らない場合でも、身近なサラダチキンを使って作れます。
もちっとコシのあるそばに、鶏の旨みたっぷりのつゆがしみてのど越しもよく、お箸がどんどん進みますよ。
時期によって冷たくしたり、温かくしたりと、一年を通しておいしく召し上がれます。
③ アレンジ自在でやみつき!「やっぱり旨い油そば」
油そばと聞くと、しっかりとした味わいでボリューム満点の印象がありますよね。
みうら食品の「やっぱり旨い油そば」は、初めて油そばを食べる方にもおすすめの一品です。
卵を入れるとまろやかなコクが加わり、ラー油やお酢をかければやみつきのおいしさに。
具材によってアレンジ自在なので、様々な味のバリエーションを楽しんでみてくださいね。
※インスタント麺などのコーナーに陳列されることが多いそうです。
みうら食品の麺は、山形のお土産店や物産展、スーパーなどで販売されています。
親しみやすい「乾麺」という形で山形の味を再現し、旅行中や部活動などで遠征に来られた方も興味を持って購入する方が多いそうです。
スープの調理が不要なため、おうちにある食材を使ってすぐに作れるのもうれしいポイント。
山形県内のスーパーでは、みうら食品の商品を集めたフェアが行われることもあるそうなので、見つけたらぜひのぞいてみてくださいね。
今回はみうら食品のご当地袋麺と麺づくりについてご紹介しました。
山形の味が気軽に楽しめるご当地袋麺は、旅行で山形を訪れた記念やお土産にもおすすめ。
麺とスープのおいしさをとことん追求したみうら食品ならではの味を、ぜひ一度召し上がってみてください。
最後に株式会社みうら食品の熊谷さんより、VISIT YAMAGATAをご覧の皆様へメッセージをいただきました。
「弊社のご当地袋麺を通して、山形の麺文化を多くの方々に知っていただけて嬉しいです。
山形ならではの四季折々の麺料理を、ぜひ楽しんでみてください!」
株式会社みうら食品
〒999-3725
山形県東根市大字沼沢2030-1
0237-41-4100