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給与のデジタル払い、利用したくない従業員が7割 「銀行口座への移動が面倒」などメリット見えず

月刊総務オンライン

給与のデジタル払い、利用したくない従業員が7割 「銀行口座への移動が面倒」などメリット見えず

エン・ジャパン(東京都新宿区)は11月21日、同社運営の求人サイト「エン転職」ユーザー4830人を対象に実施した「給与のデジタル払い」に関するアンケート結果を公表し、7割の人が利用したくないと考えていることが明らかになった。

給与のデジタル払い「利用したい」は少数派

2023年4月から解禁された、「〇〇pay」などの決済アプリや電子マネーを利用して企業が社員に給与を振り込むことができる制度、いわゆる「給与のデジタル払い」の認知度を調べたところ、64%が「知っている」(「よく知っている」と「概要は知っている」の合計)と回答した。

続いて、給与のデジタル払いを利用したいかどうかを尋ねた。その結果、70%が「利用したくない」(「あまり利用したくない」と「利用したくない」の合計)という結果となった。年代別の結果では、20歳代(23%)、30歳代以上(30歳代:14%、40歳代以上:14%)と、若い世代ほどデジタル払いに肯定的な人が多いことがわかった。

給与のデジタル払いの利用意向(※画像クリックで拡大)

利用したくない理由のトップは「銀行口座への資金移動が面倒」

デジタル払いを「利用したくない」と答えた人に、その理由を聞いたところ、約半数にあたる49%の人が「銀行口座への資金移動が面倒だから」と回答した。世代間では、20歳代が40%だったのに対し、40歳代以上は52%だった。

このほか、「アプリ・電子マネーのセキュリティが不安だから」(20歳代:14%、40歳代以上、24%)、「無駄遣いしてしまいそうだから」(20歳代:27%、40歳代以上17%)で、年代別で10ポイント以上の差が付いた。

給与のデジタル払いを利用したくない理由(※画像クリックで拡大)

また、否定派の人たちに対し、今後どのような条件が整備されると、「利用したい」と思えるかを質問した。

その結果、全年代で「出金にかかる手数料の無料化」(20歳代:61%、30歳代:65%、40歳代以上:60%)が最多。「ポイントの還元や上乗せ」は、30歳代以下(20歳代:53%、30歳代:52%)と、40歳代以上(42%)で、10ポイント以上差が出る結果となった。

従業員が考える、給与のデジタル払い利用拡大につながる条件(※画像クリックで拡大)

普段からキャッシュレスで生活している人は肯定的

一方、給与のデジタル払いを「利用したい」と答えた人からは、「キャッシュレスで生活しているから」(52%)という意見が多かった。

このほか、給与のデジタル払いのメリットとして、「銀行口座から現金を引き出す際の手数料が不要になるから」(51%)、「アプリ・電子マネーへのチャージの手間が省けるから」(45%)などの意見が上位に挙がった。

デジタル払いを利用したい理由(※画像クリックで拡大)

「給料のデジタル払いは転職先選びに影響しない」70%

アンケートでは、給料のデジタル払いが転職先選びに与える影響についても調査した。

「転職先を選ぶ上で、給料のデジタル払いOKの企業についてどう思いますか」を尋ねたところ、71%の人は「特に何も思わない」と回答した。

給料のデジタル払いが転職先選びに与える影響(※画像クリックで拡大)

「特に何も思わない」と答えた人からは以下のような感想が聞かれた。

 ・この点だけで、応募先として選ばなかったり辞退したりはしない(20歳代女性)

 ・できればデジタル払いではないほうが良いが、仕事内容や待遇など、ほかの面で魅力があれば志望度にはあまり影響しない(30歳代男性)

アンケートの詳細は同社の公式リリースで確認できる。

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