ゆめみ、週5日の出社原則を「JIKKEN」 顧客への価値提供を最優先にした働き方を導入
ゆめみ(京都府京都市)は4月18日、週5日の「出社原則」を前提とする新たな働き方の運用を「JIKKEN」として本格化すると発表した。
「JIKKEN」は社員同士のつながりを促すことで、対面による価値創出と持続的な成長を見据えた未来志向の施策として位置付けた。同社は「出社の義務付けではなく、顧客への価値提供を最優先とする目的志向の働き方の一環」としている。
一度でもオフィス出勤で「出社」に 「オフィスに片道2時間以上」は原則の例外に
「週5日の出社原則」の本格運用「JIKKEN」は、2025年3月1日から2026年1月31日を想定。顧客オフィスや京都、東京、鎌倉の同社オフィスや合宿所といった物理的な施設に、一日の中で一度でも出勤すると「出社」と認定される。
また、以下のようなケースは原則の例外扱いとした。
・片道2時間以上、ゆめみオフィス出勤に時間がかかる場合
・育児、介護、病気、障がいなどで、特別な事情があり出社が困難な場合
・感染の可能性が高い症状がある、あるいは診断結果がある場合
・災害や交通障害により出社による安全性が損なわれる危険性が高い場合
ゆめみ、「働きやすさ」でアワード受賞
2000年創業のゆめみは、企業のインターネットサービスの開発・制作・コンサルティングの内製化の支援などを展開し、2025年1月時点で391人の従業員が所属している。
これまでに、東京都が男性従業員の育児休業取得率の一定割合を達成した企業を登録する「TOKYOパパ育業促進企業」の「シルバー(75%以上達成)」に登録されている。
また、ジョブレインボー(東京都千代田区)がダイバーシティ&インクルージョンに取り組む企業を認定するアワードで、「在宅リモートワーク・フルフレックス制を無期限全社標準」などが評価され、最高位の「ベストワークプレイス」認定を取得している。
このほか、育児休暇取得メンバーの復職率100%を維持、「有給取り放題制度」「産休・育休期間中の給与100%保証制度」などの導入で社員の働きやすさを追求してきた。
生成AIで高まるコミュニケーションの重要性、「JIKKEN」で関係性構築促進など検証
同社で「週5日の出社原則」の本格運用を始めたのは、社内でサポート体制やチームとしての一体感つながりが欲しいという意見があがり、顧客側で出社回帰の傾向が高まる中、より顧客との対面の機会を増やす必要性が出てきたためだ。
さらに、顧客からの相談が案件創出につながっているほか、メンバーや顧客との親密性を短期間で構築するには対面が有効なことなども背景にある。
また、生成AI活用が広がったことが、より人と人とのコミュニケーションの重要性を高めているとの考えの下、同社の事業や個人のキャリア、働き方に多大な影響を与えることが想定されていることもあり、今回、「JIKKEN」を実施することになった。
同社は「JIKKEN」の期間中、以下の仮説を検証する。
・対面の機会を増やすことにより、顧客やプロジェクトメンバーとの関係性構築が促進されるか
・曖昧な要求の段階からの相談により案件創出につながるか
・顧客およびお客さまへの価値提供を目的にして逆算して手段を選択できる思考に至るか
仮説は「アンケートや顧客満足度などの変化」「案件ごとのヘルスチェックのデータの変化」のほか、定性的な情報からも判断するが、詳細は今後、検討していく方針だ。
同社は出社原則を本格運用するにあたり、オフィスの拡張移転や地方拠点の新設など、将来を見据えた設備投資を検討していく考えで、「今後も、顧客との連携を強化しながら最適な価値を提供できるよう努めるとともに変化する環境に適応し、持続的な成長を目指していく」としている。
ゆめみの発表の詳細は同社の公式プレスリリースで確認できる。