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​【ボタニカ・アートスペースの「ながいいちほ個展『風景』」】 無機的な作業が有機的な絵肌を生む

アットエス

静岡新聞論説委員がお届けする“1分で読める”アート&カルチャーに関するコラム。今回は静岡市葵区のボタニカ・アートスペースで8月4日まで開かれた「ながいいちほ個展『風景』」。

伊豆市在住の画家ながいいちほさんは、1年ほど前に詩人谷川俊太郎さんがライターのブレイディみかこさんとの往復書簡で提唱した「その世」という言葉、概念がいたく気に入ったそうだ。

「この世」と「あの世」のあわい=「その世」。今回展の出品作は、この言葉に突き動かされるように生まれたという。緑と青の中間の色が全体を支配する。それは一昔前の工作機械や古い電化製品の色を思わせる。下地に紺やオレンジを引き、その上に塗る白い絵の具の多い少ないで画面の濃淡を決定づける。

画面にはおじさんや少女がいる。ただ、ながいさんの作品の神髄はペイントナイフで不規則に塗られた「平場」の質感にある。「できるだけ自意識を持ち込まないように」「自分が機械になったように」。制作態度とは裏腹に、実に有機的な絵肌が出来上がる。(は)

<DATA>
■ボタニカ・アートスペース
住所:静岡市葵区研屋町25
会期:7月27日〜8月4日(会期は終了しています)

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