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出産後の激痛の正体は「胎盤用手剥離」。安産のあとに訪れた、産後の格闘

たまひよONLINE

ライターの“岡崎たかこ”です。40歳で高齢出産を経験しました。妊娠の可能性に気づいたのは、39歳の初秋。妊娠検査薬で、陽性反応が出たことから産婦人科へ。胎嚢(たいのう)を確認し、2週間後の再検査を予約して帰宅しました。

3度目の妊娠が継続。留まってくれた赤ちゃんに感謝


その晩、まさかの不正出血。実は以前に2度、初期の流産を経験しています。慌てて産婦人科に連絡をすると、時間外であるにもかかわらず診察をしてくれました。

「この時期にママができることは何もない。唯一、絶対安静くらい」と先生に言われ、「気休め程度」という薬を飲みながら、トイレと食事以外は起き上がらない生活を2週間ほど続けました。

7週目に無事、心拍を確認。初めて母子手帳を手にした日は、今でも覚えています。その後は、順調に発育し、無事に正産期に突入。高齢出産であることを考えて、大学病院での出産を選びました。

朝方に体の中から聞こえた「水音」。破水の予感


妊娠38週目の検診を終えた翌日の明け方。「パシャ」という水気の音で、目が覚めました。破水を疑いましたが、下着がわずかに湿った程度。予定日から2週間早いこともあり、2時間ほど横になって様子をみました。

6時になって病院に電話すると「高位破水でしょう。車では横になって、病院に到着したら車イスを利用してください」と、極力、体を起こさない、動かさないようにと指示されました。

病院到着後、初産であることから出産は夕方だと言われましたが、昼前には痛みがMAXに。おなかの中を何かが旋回しながら下がっていく感覚がハッキリと伝わりました。

「この感覚を夕方まで我慢なんてできない!」と思っていたら、助産師や看護師が駆け込んできました。「子宮口全開!すぐに分娩室へ」と言われて、出産開始です。

生んだ後もこんなに痛いなんて聞いていない!


そこからは、想定していた出産の痛みを感じながらすんなりと進み、13時半頃には、赤ちゃんの泣き声が室内に響き渡りました。顔半分が出てきたところで泣き声が聞こえ、我が子の気の早さに苦笑いしました。

カンガルーケアをしている病院だったので、生まれてすぐに触れ合えるのかと思ったら、まずは体を洗うようで「パパはこちらへ」と、立ち合っていた夫と赤ちゃんが別室へ移動。

大仕事を終えて一息ついていた私を激しい痛みが襲いました。痛みの震源は体の内部。見上げると、先生が必死の形相で何かをしています。先生の顔の位置や腕の角度を見ると、どうやら腕が中に入っているような…。さらにおなかを上から押され、混乱しながら、先生に向かって「優しくして~!」と叫んでいました。

実は危ない胎盤の癒着。後産のことも知っておくべき


もちろん、先生は無言で処置を続けます。やっとのことで先生の腕が出てきて、ほっとした途端、再び痛みが。腕がまた入ったもよう。「うう」と、うめくことしかできない中、遠くから「お父さんですよ~」という看護師の声と、喜ぶ夫の声が聞こえていました。

結果としては、後産と呼ばれる胎盤の排出がうまくいかず、癒着の疑いがあったようでした。「先生の手技できれいに取り除けているので大丈夫ですよ」と説明されたほか、母子手帳には「胎盤用手剥離」との記載が。子宮内部の胎盤を手で取り出していたのだと、痛みの理由が判明しました。

もし胎盤の一部が子宮内に残ってしまうと、大量出血など母体が危険になるそうで、先生の真剣な表情も納得。でも、「出産より痛いことがあるんだ」「ママなのに、一番に抱っこができないんだ」と驚いた出産体験でした。出産の痛みは、体験記を散々読んで予習ができていた私。例えると、生理痛の延長線上にある最大の痛みではあるものの、未知なる痛みではありませんでした。しかし、「後産が大変だった」という話を聞いたことはありませんでした。
完全に油断していたところに、予想外の痛みが襲ってきたことが衝撃でした。もし、出産前に後産が大変な場合もあると知っていれば、心構えくらいできていたのに…と思い、今では妊婦さんにこの話をしては、怖がらせてしまっています。

※この記事は個人の体験記です。

[岡崎たかこ * プロフィール]
39歳で妊娠、40歳で出産した高齢出産ママ。現在は、ママを差し置いて一番に息子を抱っこしたからか、育児に協力的なパパと、保育園に元気に通う男児とドタバタ生活しています。

●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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