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「最高に挑発的」セクシーでスリリングな〈ミルク映画〉!?『ベイビーガール』ほか“ミルク”が印象的な名作5選

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「最高に挑発的」セクシーでスリリングな〈ミルク映画〉!?『ベイビーガール』ほか“ミルク”が印象的な名作5選

「映画とミルク」の関係

最新作から往年の傑作まで、映画において食べものや飲みものが象徴的に扱われることは多い。中でも「ミルク」、つまり牛乳には特別な意味があるとされ、あの純白の飲み物が劇中に登場するたびに観客はハッと身構え、そこにどんな意味や狙いが込められているのか思案することになる。

濃厚な白色はモノクロ映画にも映え、たとえばサスペンス映画ではスリルを醸成する立派な小道具に。またアクション映画にミルクが出てくれば、屈強なキャラクターの内面とのギャップを匂わせる。殺人鬼の好物がミルクで、それをバカにしたチンピラの血しぶきによってミルクがピンク色に……なんてシーンを観たこともあるだろう。

「got milk?」は90年代アメリカのミルク消費量UPを狙った有名なキャッチコピーだが、今回は<ミルクが登場する名作映画>を5作、厳選してご紹介。とくに”最新ミルク映画”として紹介したいのが3月28日(金)より公開となる、ニコール・キッドマン主演の超・挑戦的な作品としても話題の『ベイビーガール』だ。

『ベイビーガール』© 2024 MISS GABLER RIGHTS LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

意味深すぎる“ミルク映画” 『ベイビーガール』はどんなお話?

ニューヨークでCEOとして大成功を収めて誰もが羨む生活を送りながらも、満たされない渇きを抱える主人公・ロミー。そんな完璧であるはずのロミーが、若きインターンに欲望を嗅ぎ分けられ、力関係が逆転。燃え上がるような危険なパワーゲームへとはまっていく様子をユーモアたっぷりに描く快作に仕上がっている。

『ベイビーガール』© 2024 MISS GABLER RIGHTS LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

本作に登場するコップに注がれた一杯のミルクは、作品を代表するアイコンとも言える存在だ。サミュエルがロミーを試す形で勝手に注文したミルクを、ロミーは戸惑いを見せながらも一気に飲み干す。それを遠くで眺めていたサミュエルは去り際に、「Good girl.(良い子だ)」とロミーに囁き去っていく。2人だけの“ゲーム開始”を告げる合図としてミルクが用いられた、まさに新時代の“ミルク映画”にふさわしいシーンだ。

また、今年1月に行われたナショナル・ボード・オブ・レビュー賞でのガラでは劇中さながらに、ニコール・キッドマンが壇上で実際にミルクを一気飲みして会場を沸かせたことも話題となった。

――ということで、ミルクに込めたメッセージを読み解く意味でも、名作映画のミルクシーンを改めて鑑賞してみては?

『ベイビーガール』

3月28日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

行先不明のスリリングな展開×大胆不敵な官能
燃え上がる危険なパワーゲームは、衝撃のクライマックスへ――

ニューヨークでCEOとして大成功を収めるロミー。舞台演出家の優しい夫ジェイコブと子供たちと、誰もが憧れる暮らしを送っていた。ある時、ロミーは一人のインターンから目が離せなくなる。彼の名はサミュエル。ロミーの中に眠る欲望を見抜き、きわどい挑発を仕掛けてくるのだ。行き過ぎた駆け引きをやめさせるためにサミュエルに会いに行くロミーだっったが、逆に主導権を握られてしまい……。

監督/脚本/プロデューサー:ハリナ・ライン
出演:ニコール・キッドマン、ハリス・ディキンソン、ソフィー・ワイルド、アントニオ・バンデラス

『ベイビーガール』© 2024 MISS GABLER RIGHTS LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

『時計じかけのオレンジ』(1971年公開)

喧騒、強盗、歌、タップダンス、暴力。山高帽の反逆児アレックスは、今日も変わらず最高の時間を楽しんでいた。他人の犠牲の上にのみ成り立つ最高の時間を。モラルを持たない残忍な男が洗脳によって模範市民に作りかえられ、再び元の姿に戻っていく。

原作者・アンソニー・バージェス自身が”危険な本”と語った同名の小説を映像化。独特な世界観の中で主人公たち不良グループが飲む「(何かがミックスされた)ミルク」は、その暴力性と相まって強烈な印象を残した。

製作/監督/脚本:スタンリー・キューブリック
出演:マルコム・マクダウェル、パトリック・マギー

『レオン』(1994年公開)

無口で孤独な殺し屋・レオンの元に、家族を惨殺された少女マチルダが助けを求めてやってくる。奇妙な共同生活の中で、二人は徐々に心を通わせていくが……。

リュック・ベッソン監督のハリウッドデビュー作。ジャン・レノ演じる殺し屋のルーティンのひとつとして“ミルク”が印象的に描かれる。幼きナタリー・ポートマン演じるマチルダとミルクで乾杯するシーンは改めて見返すと楽しくも悲しい。

監督・脚本:リュック・ベッソン
出演:ジャン・レノ/ゲイリー・オールドマン/ナタリー・ポートマン

『ゴーストワールド』(2001年公開/全国の一部劇場でリバイバル上映中)

親友のイーニドとレベッカは高校を卒業したが、進学も就職もせずに気ままな毎日を過ごしている。ある日、2人は悪戯心で、新聞の出会い広告欄に載っていた男・シーモアを呼び出して尾行。イーニドは冴えないシーモアになぜか興味を抱き、彼の趣味であるブルースのレコード収集を通して親交を深めていく。一方のレベッカはカフェで働き始め、2人は次第にすれ違うようになってしまい……。

ダニエル・クロウズによるグラフィック・ノベルが原作。疎外感を抱えて生きる2人の少女の日常を、ポップかつユーモラスに描いた青春ドラマ。レコードオタクの“イケてない”中年男性(スティーブ・ブシェミ)がミルクシェイクを寂しくすする姿は、トガリたい少女の好奇心の対象にされる切なさが身につまされる名シーンだ。

監督:テリー・ツワイゴフ
出演:ソーラ・バーチ、スカーレット・ヨハンソン

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015年公開)

資源が枯渇し、法も秩序も崩壊した世界――。愛する者を奪われ荒野をさまよっていたマックスは、砂漠を支配する凶悪なイモータン・ジョーの軍団に捕らえられてしまう。そこへジョー配下の女戦士フュリオサらが現れ、マックスはジョーへの反乱を計画する彼女たちと力をあわせ、自由への逃走を開始する。

荒廃した近未来を舞台に、家族を殺された男マックスの復讐劇を描いた「マッドマックス」シリーズ4作目。水資源を独占するイモータン・ジョーが“ミルク(母乳)”を自身の管理下に置いているという描写はその“タブー感”とともに、貴重な栄養源であり母性の象徴として強い印象を残す。

製作/監督/脚本:ジョージ・ミラー
出演:トム・ハーディ、シャーリーズ・セロン、ニコラス・ホルト、ヒュー・キース=バーン

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