フィナンシェを年間3300万個販売する名店がすすめるベストな食べ方は「トースターで1分加熱」
日々の天気や街のトレンド、おいしいゴハンに大人の悩み、社会の仕組み1日イチ「へぇ~」なトピックスを。新進気鋭のコラムニスト、ジェーンスーが、生活情報や人生の知恵をナイスなミュージックと共に綴る番組。
スイーツ大好きアナウンサー杉山真也の新企画『教養としてのスイーツ』
スイーツの“教養”、つまりは基礎知識を身に付けるべく、毎回、さまざまな洋菓子の基礎知識と、typical(ティピカル)な一品をご紹介。甘く、ディープなスイーツの世界をご堪能いただきます。
さぁ水曜のお昼時、今日もあなたを、深い…深いスイーツの沼へといざないます。
…ということで、「教養としてのスイーツ」。
第1回は、フィナンシェについておいしく学びます。
ふわふわの黄色い焼き菓子フィナンシェ。
誰もが1度は食べたことがあるのではないでしょうか。
しかし、その語源や、似ているスイーツである「マドレーヌ」との違いは知っていますか?
そんなフィナンシェの基礎知識と、おいしいフィナンシェを探し求め取材してきました。
伺ったのは、東京メトロ銀座一丁目駅から徒歩1分ほどの「アンリシャルパンティエ 銀座メゾン」。
1930年に建てられたという、中世ロマネスク様式の美しいレトロ建築がひときわ目をひきます。
1969年、兵庫県。50年以上、フィナンシェを作り続け、国内外に100店舗をかまえる老舗。
年間に販売するフィナンシェ3000万個以上。
フィナンシェに関して、歴史も実績もある「アンリシャルパンティエ」。
店内はさまざまなスイーツとショーケース。今まさにスイーツを作っている様子も見ることができます。
まず、フィナンシェの発祥について伺いました。
「アンリシャルパンティエ」を運営する株式会社シュゼットホールディングス。
広報宣伝室室長の川井佳菜子さんです。
川井:フィナンシェは約120年前にパリの証券取引所近くの菓子職人が、背広を汚さずに、仕事の合間に食べやすいように、現在の長方形の形になったとされています。フランス語では「金持ち、金融家」の意味。
つづいて、フィナンシェとマドレーヌの違いについて。以前は開発の部署でスイーツを製作していた、商品部の石川慶子さんに伺いました。
石川:共通点は、バター、卵、小麦粉を使用していること。フィナンシェはらんばくのみで、少し弾力のある歯応え。焦がしバターで風味づけ。バターやアーモンドで香ばしいんです。一方、マドレーヌは、全卵を使用。溶かしバターもポイントです。当社では、ラム酒、はちみつ、レモンで香り漬け。ふんわりとして優しい味わいです。
アンリシャルパンティエのフィナンシェのこだわりですが、まず、アーモンドは、甘みのマルコナ種と香りのフリッツ種、2種類のカリフォルニア産アーモンドをブレンドしています。パウダーではなく、ホールの状態で輸送して酸化が進まないための輸送にも気を遣っているんです。コンテナで温まってしまうと酸化してしまうため、ワインのように低温で管理。工場で挽き、10分以内に生地に混ぜ込んでいます。バターは、北海道 根室釧路地区の生乳を使用した、ブランドオリジナルのバターです。
ちなみに、マドレーヌもフランス生まれ。
つづいて、「アンリシャルパンティエ」の歴史について。そして、番組スタッフが事前に調べたところ、日本で始めてフィナンシェを販売した、という情報があり、それについても伺ったのですが
川井:1969年に兵庫県芦屋市でスイーツも楽しめる喫茶店として創業しました。創業者の蟻田尚邦がクレープシュゼットに魅了されたことがブランドの始まりです。(日本で初めて取り扱った?)そこはちょっと、なんともいえないです。(笑)
石川:最初かどうかはわからないが、当社では50年前から販売しています。
川井:百貨店でギフトデザートとして出したのは初かもしれません。
石川:わたしが入社したときから看板商品でしたので、会社にとって大事な焼き菓子だと感じております。
「日本で初めて」かどうかはわかりませんでしたが、「看板商品で、大事な焼き菓子」というお言葉をいただきました。(2015~2022年まで「最も売れたフィナンシェ」としてギネス世界記録を保持)
ちなみに、ブランドの名前の由来:「アンリシャルパンティエ」は19世紀に実在したフランス人の料理人の名前。彼がイギリス皇太子のために考案した青い炎のデザート「クレープシュゼット」に創業者蟻田尚邦(ありた なおくに)が出会い、感動したことで名付けたそう。
スタジオに、アンリシャルパンティエの「フィナンシェ」をお持ちしました!
おなじくアンリシャルパンティエの「マドレーヌ」もご用意したので、食べ比べてみてください!
石川さんのおすすめの食べ方「オーブントースターやレンジで温めて」あります。
風味が増し、外側がカリっとしてさらにおいしくなる!
自宅のレンジによるが、30秒~1分ほどあたためるとよいそう。
いまの時期限定の「甘夏フィナンシェ」も7月末ごろまで販売しているそうです。
価格は、「フィナンシェマドレーヌ詰め合わせ 8個入り」で税込1,350円など、さまざまな詰め合わせパターンで購入できます。
オンラインストアですと、2個399円から購入できます。
銀座メゾンでは、店内の工房で作られた出来立てのケーキも食べられます。
「ナポレオンパイ」(税込810円)
クレープシュゼット(税込2750円)など
「銀座メゾン」。建物のレトロ感もよいのですが、お手洗いにちょっとした仕掛けが。
一見、本棚のような壁が隠し扉になっていて、押して開けるとトイレになっています。
ちなみに、おなじみの「ろうそくのロゴマーク」は、創業者が感銘を受けたクレープシュゼットを提供する空間を演出し、顧客の笑顔を照らす食卓の灯火をイメージしているそうです。
今回伺ったお店「アンリシャルパンティエ 銀座メゾン」は、
東京メトロ銀座駅から徒歩3分ほど。
午前11時から夜7時までの営業です。
店舗は、兵庫の芦屋本店のほか、全国の商業施設の中など国内93店舗。
ホームページからお近くの店舗を探してみてください。
また、公式オンラインストアからも購入できます。
(TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』より抜粋)