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鎌倉市 学びの多様化学校 開校 不登校の生徒受け入れ

タウンニュース

高橋洋平教育長(左)と学校について話す保護者や生徒

鎌倉市由比ガ浜に、不登校を経験した生徒を受け入れる学びの多様化学校、「鎌倉市立由比ガ浜中学校」(文部科学省指定の不登校特例校)が開校し、4月12日にセレモニーと内覧会が行われた。同市立御成中学校(笹目町)の分校という位置づけで、「分校型」の学びの多様化学校としては県内初となる。

不登校が全国的に社会問題になっているが、鎌倉市の小中学生の不登校児童生徒数も2013年度に104人だったのに対し、2022年度は359人と増加傾向にある。市は、校内フリースペースを設けたり、森や寺、海など鎌倉の地域特性を生かし、一人一人が個性や特性に応じて自分らしく学んでいく方法を見つけることを目的とした企画「かまくらULTLAプログラム」を実施するなど、支援を続けてきた。その中で、不登校の子どもたちが、自分らしさを発揮しながら学ぶことができる環境を整備する必要があるとし、同特例校の開校準備を2年前から進めてきた。

昨夏実施した説明会には市内外から70組を超える親子が参加。面談などを経て、定員30人程度に対し1年生10人、2年生7人、3年生14人の計31人が入学した。

セレモニーには松尾崇市長など関係者50人以上が出席。生徒代表としてあいさつに立った3年生女子は、「教室に入ることができ、授業を受けられることが本当にうれしい。クラスメートと話せることも楽しい」と笑顔で話した。また、保護者は「沈黙の数年間が親子で続いていた。学校に通えることで未来が広がるかもしれない」と涙を浮かべた。

分校長を務める岩田明さん(=人物風土記で紹介)は、「誰もが希望をもって安心して学べる学校を目指したい。生徒たちのありのままを受け入れ、寄り添っていければ」とコメントした。

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