身も心も癒して整える隠れ家サロン「古民家スパ まうり 石と掌」。
これから年の瀬を迎え、あわただしい日々を送る方も多いと思います。そんな生活のなかで、時間を忘れて身も心もリラックスしたいと思う方もいるはず。今回ご紹介する「古民家スパ まうり 石と掌(いしとたなごころ)」は、そんな方におすすめしたい、女性専用の予約制サロンなんです。隠れ家のようにひっそりと佇む古民家にお邪魔して、オーナーの渡邉さんにいろいろなこだわりを聞いてきました。
古民家スパ まうり 石と掌
渡邉 紗也 Saya Watanabe
1988年関川村生まれ。シングルマザーとして子どもを抱えながらいろいろな職業を経験し、2022年に関川村でリラクゼーションサロンを開業。2024年に「古民家スパ まうり 石と掌」として移転オープン。神社仏閣や歴史が好きで、推し武将は上杉家の垂水源次郎(たるみげんじろう)。
隠れ家みたいな古民家スパをはじめた理由。
——とても静かでいい所ですね。
渡邉さん:迷わずに着きましたか? 女性専用の隠れ家みたいなサロンなので、住所や電話番号を公開していないんです。
——そうなんですね。じゃあ申し込みたいときは、どうすればいいんですか?
渡邉さん:お手数ですが、インスタグラムのダイレクトメールからお問い合わせいただければと思います。
——なるほど。ではさっそくですが、リラクゼーションサロンをはじめたいきさつを教えてください。
渡邉さん:若い頃に病気をしたことがきっかけで、健康に対する意識が変わったんです。病気にならない身体づくりが大切だと思って、食生活も気をつけるようになりました。そのときから、いつか人を癒すような仕事をやってみたいと思っていたんです。
——そのときはまだ先の将来のこととして考えていたんですね。
渡邉さん:はい、でも28歳のときに、心身の病で働けなくなってしまったんですよ。自分以外の人がみんな幸せに見えて、ひたすらに自分を責めていました。そんなときに書店で偶然手に取った情報誌に「リラクゼーション特集」の記事が載っていたんです。そのなかで目についたリラクゼーションサロンに行ってみたら、すっかり癒されて元気が出たんですよ。
——それは本当によかった。
渡邉さん:そのときに、私も自分と同じような辛い思いをしている女性を、癒して元気にしたいと思ったんです。生活のためではなく、心からやってみたいと思える仕事と出会えた気がしました。
——リラクゼーションサロンを開業したのはいつ頃なんですか?
渡邉さん:2022年に親戚の会社の事務所があった跡地で開業しました。最初のうちはアルバイトをしながら、月に2〜3人の女性を施術していたんです。自分が人を癒せていることが嬉しかったですね。そのうちクチコミやSNSの効果もあって、少しずつお客様が増えていったんです。
——それは嬉しいですね。こちらの古民家に移転したのはどうしてなんですか?
渡邉さん:開業した年に大雨の水害にあってしまったんです。そこで新しい物件をいろいろと探していたところ、こちらの古民家に出会いました。私の求めていた、懐かしい雰囲気にぴったりな建物だったんです。
「竜宮城」のような非日常空間をイメージ。
——こちらでは、どんなふうに癒されることができるんでしょうか?
渡邉さん:「石と掌」とうたっていることもあって、ホットストーンとオイルトリートメントがメインですね。50℃前後に熱した石を使って身体を温めることで、血行を促進してコリをほぐします。特に冷え性やむくみに効果的ですね。ホットストーンには玄武岩(げんぶがん)と姫川薬石(ひめかわやくせき)を用いています。
——玄武岩はともかく、姫川薬石というのは?
渡邉さん:糸魚川地方の方々が、昔から痛みを和らげるために使っていた石で、人を癒す効果があると言われているんです。
——初めて知りました。他にはどんな施術をされているんでしょう?
渡邉さん:足湯で温まっていただきます。使っているのはただの水ではなく、関川集落の湧き水を使用しているんです。そこに日本酒、天然塩、薬湯、自家製ハーブを入れて、血行の促進をはかります。こちらも冷え性やむくみに効果的で、施術後はぐっすり眠れると評判なんですよ。
——ずいぶんいろいろなものを使って足を温めるんですね。あと、ずっと気になっていたんですけど、部屋の隅にあるテントみたいなものは何ですか?
渡邉さん:あれはハーブテントです。ハーブを煮出した薬効成分のスチームで、身体を温めながらリラックスしていただけます。テントのなかで眠ってしまう方も多いんですよ。4種類のハーブから体調に合わせて選んでいただき、心も整えていただけるんです。生理痛が緩和されたという方もいらっしゃいました。
——心をリラックスさせることが体調にも影響するんですね。
渡邉さん:私自身が体調不良になったときに感じたのは、心が不調になると身体にも影響が出るということです。
——なるほど。古民家ということも相まって、なんだか不思議な空間に感じられますね。
渡邉さん:実は昔ばなしの「浦島太郎」に出てくる「竜宮城」をイメージしているんですよ。時間を忘れて非日常を味わっていただき、気がついたら時間が経っていて本来の自分を取り戻しているというような……。だから、ここには時計を置いていないんです。
——それもあって隠れ家的な営業をされているんですね。
渡邉さん:ここへ来るまでの道のりでも、関川村の豊かな自然を味わうことができて、心が癒されると思うんですよ。四季折々の風景も合わせて楽しんでいただきたいですね。
——最後に、この仕事をはじめてみてよかったと思いますか?
渡邉さん:お客様に喜んでいただけると私も本当に嬉しいですし、やり甲斐を感じますね。「ここへ来る日を心待ちにして、毎日の仕事を頑張っています」と言ってくださるお客様が多く、本当にありがたいと思っています。
古民家スパ まうり 石と掌