ミャンマー地震 故郷思い、支援を思案 母国料理店オーナー語る
ミャンマー中部で3月28日、マグニチュード7・7の大地震が発生し3週間。多くの死傷者が報告されており、建物も数多く倒壊するなど、いまだ被害の全貌はわかっていない。ミャンマーの被災状況に胸を痛め、人一倍心配しているのが、川崎市内のアジア創作料理店「ラシオ」(中原区新丸子東)の尾木勇司オーナー。
尾木さんは、ミャンマーのシャン州出身。今回の地震の震源地に近いマンダレー市の隣町で育ち、30年前に留学生として来日。その後、日本にほれ込み日本国籍を取得。10年程前に母国の味を日本に伝えようと同料理店を開いた。
今回の地震は、現地時間で午後0時50分、日本時間で3時20分ごろに発生。最初の一報をインターネットで知った。すぐに母国の家族に電話したがつながらない。夜になって連絡がつくと、家の天井がはがれ、ガラスが割れ、壁にひびが入ったという。連絡が取れた友人の家は全壊した。「まだ安否が分からない友人もいる。マンダレー市などの都市部の被災状況は報道されているが、小さな村の状況が分かっていない」と案じる。
ミャンマーは、もともと地震が少ないうえに、レンガ造りの家が多く、耐震構造の家も少ないという。4月8日時点では電気、水道などライフラインが止まっており、心配の種は尽きない。「何かできることはないか考えているところ」と思案する。コロナ禍には、友人とお金を出し合い、酸素ボンベや手袋など、知人の所へ直接寄贈した。今もミャンマーは内戦が続き、情勢は不安定なまま。「現地で何が必要かわからないし、自分に出来ることも限られている。もう少しして状況がある程度わかった時に、直接なのか、日本の支援団体を通してなのか、何か支援活動をしたい」と思いを語る。