流れ星のピークは4/22の深夜【こと座流星群2025】1時間に最大10個の流れ星! いつ・どこを見ればいい? 観察ポイントを博物館学芸員が伝授
あたたかくなってくると、夜空を眺める機会もぐっと増えてきます。
夜空を見上げて、満月や流れ星が見られたら…なんだかとってもラッキーな気分になりますよね。
今回は4月22日にピークを迎える「こと座流星群」を紹介します。
こと座流星群って…あまり聞きなじみがないと思った人もいるはず。
一体、流星群ってどのくらいあるのでしょう?
流れ星を上手に見つけるには、どの方角を見たらいい?
富山市科学博物館 天文担当の学芸員さんに教えてもらいました。
そもそも流れ星ってなぁに?
流れ星って、絵本や映画などではよく見ますが、そもそもきちんと知っていますか?
流れ星は「星」じゃない
実は、流れ星はふだん見ている「星」とは違います。
ほうき星(彗星)が残したチリ(流星物質)がもとになっています。
ほうき星は、たくさんのチリを出しながら宇宙の中を動いていき、その通り道にチリの集まりができます。地球がそれらのチリの中を通る時に、チリが大気と衝突すると、大気などが高温になって光を放ちます(プラズマ発光)。
私たちが流れ星として見ているのは、この発光なのです。
チリの大きさは、直径わずか1mmから大きくても数cm。とっても小さいのに、きらっと輝いて見えるんですね。
流れ星とほうき星は何がちがう?
ほうき星(彗星)と言えば、2024年は「紫金山・アトラス彗星」が全国各地で観測され、話題になりました。
彗星は、さまざまな成分を含んだ氷と砂つぶのような“チリ”が混じった半径 数km~数十kmほどの天体で、地球やほかの惑星と同じように太陽の周りを周っています。
太陽に近づいた時、彗星を構成する氷などが気化して、ほうきのような尾が見えるため、「ほうき星」と呼ばれます。
流星群ってなに?
では、多くの流れ星を見ることができる流星群とは、いったい何なんでしょうか?
地球が太陽の周りを回っている道(公転軌道)と、流れ星のもとをまき散らしていくほうき星(彗星)の通り道が交わる時、たくさんの流れ星を見ることができます。これが流星群とよばれているものです。
地球が彗星の軌道を横切る日時は毎年ほぼ決まっているので、特定の時期に特定の流星群が出現するというわけ。
おもな11つの流星群と3大流星群
国立天文台がおもな流星群として挙げているのは、次の11つです。
しぶんぎ座流星群(12月28日~1月12日)こと座流星群(4月14日~4月30日)みずがめ座η(エータ)流星群(4月19日~5月28日)みずがめ座δ(デルタ)流星群(7月12日~8月23日)ペルセウス座流星群(7月17日~8月24日)りゅう座流星群(10月6日~10月10日)オリオン座流星群(10月2日~11月7日)おうし座南流星群(9月20日~11月20日)おうし座北流星群(10月20日~12月10日)しし座流星群(11月6日~11月30日)ふたご座流星群(12月4日~12月20日)
このうち、安定的に多くの流れ星をみることができる3大流星群は・・・
しぶんぎ座流星群ペルセウス座流星群ふたご座流星群
それぞれ、しぶんぎ座流星群は30個、ペルセウス座流星群は40個、ふたご座流星群は60個の流れ星が1時間あたり最大見られると言われています。
(※月明かりや街の灯りの影響を受けないなど条件が整った際に見える数)
“見られたらラッキー” こと座流星群
こと座は、名前は知っていても、なかなか見つけられないですよね。
七夕の「おりひめ星」として知られる「ベガ」はこと座の1等星です。ひときわ青白く輝くベガと4つの星からなる平行四辺形が楽器のたて琴の形をした小さな星座です。
流星のピークは23時から翌朝にかけて
こと座流星群の一般的な出現時期は、4月14日~4月30日にかけてです。
流星群自体が最も活発になるのは4月22日23時ごろから翌朝にかけて。空の暗い場所で1時間あたり約10個と予想されます。もともと数が少ない流星群なので、「見られたらラッキー」という気持ちで探してみましょう。
26時半ごろ(翌23日の午前2時半ごろ)に月が昇るため、それまでの時間か、それ以降は月から離れた方向で見わたすといいんだとか。
どっちの方向を見ればいい?
こと座は、4月22日(火)23時ごろには東北東の空20~30度くらいの高さに見えます。
流星は、放射点を中心に放射状に出現します。ただし、放射点付近だけでなく、空全体に現れます。方角は関係ありません。なるべく空の広い範囲を見渡すようにしてください。
また、屋外の暗さに目が慣れるまで、最低でも15分ほどは観察を続けるとよいでしょう。まちの灯りや月明かりがあると観察しづらいので、それらの光が邪魔しない方向を見るのがオススメです。
観察に必要なものは?
こと座流星群は、流れ星の数は少ないので観測しづらいですが、望遠鏡や双眼鏡などの特別な道具は必要ありません。
肉眼で十分に観察できます!
ただし、あると便利なのは、星座早見盤。
流れ星を観察する合間に、星座や星を調べることで学びや発見も広がります。
また、上を見上げたままの姿勢で長時間も空を見続けるのが大変な場合は、安全な場所を確保して、寝転んで観察できる環境を整えるのもいいですが、風邪などひかないよう体温調節もしっかりしてくださいね。
暗い場所で観察することになるので、車に気をつけるなどくれぐれも安全の確保と、他人の迷惑にならない場所を選ぶようにしてください。
富山市科学博物館では寝転んで楽しめるプラネタリウムがありますし、1年を通して「星空観察会」も実施しています。
天文に興味を持ったら、ぜひ富山市科学博物館に足を運んでみてくださいね。
【富山市科学博物館】
住所 富山県富山市西中野町1丁目8-31
営業時間 9:00~17:00(入館は16:30まで)