名物のウサギ料理も食べたよ! 留学生に人気の高田馬場「小米椒」
高田馬場にある「小米椒」(シャオミージャオ)は四川料理のお店です。
お店の正面玄関
高田馬場は学生の町。早稲田大学をはじめとして、予備校や日本語学校などが集まっており、留学生も多数います。駅を出ると、中国語の広告が目に入ってきました。どうやら中国人向けの塾があるようです。
そんな高田馬場にあるので、この「小米椒」も中国人留学生にとっての学食のような立ち位置なんだそう。昼は行列ができ、ご飯をおかわりする学生で活気がある店内ですが、夜は苦戦しているとのこと。最近の若者は日本人も中国人もあまりお酒を飲まないからかな、とオーナーの汪旗さん。
店内の様子
今回はオーナーの汪旗さん、編集長の中村さん、元従業員の日本人の方、そして私の友達で色々食べました! ウサギやザリガニなど、いわゆるゲテモノもいくつか挑戦したので紹介します…!想像していたよりずっとおいしかったし、何より見た目が普通のお肉と同じなので抵抗なく食べられました!
ご飯が机に並んで私たちが食べている様子
それでは食べたメニューを紹介します!
1. 大根と牛バラ煮込み
具材がごろっとしていて食べ応えのあるスープにも近いメニューです。醤油のような親しみのある味付けですが、辛さもあって寒い日に食べたいなと感じる味でした!
大根と牛バラ煮込み
2. 四川風ウサギ炒め
そして、これがこの店の名物の四川風ウサギ炒め!
お店で作った麺にウサギや唐辛子を炒めたものが合わさった、汁は少なめの麺料理です。麺がもちもちしていて、辛い味付けとよく合っています。
ウサギ、といわれるとかわいい見た目を想像してしまって少し抵抗はありましたが、ウサギは柔らかいけれど弾力があって、味は鶏肉のような感じ。
四川風ウサギ炒め
3. 牛肉とハチノスのピリ辛和え
これが一番山椒が効いているさわやかな感じの辛さでした。ただ赤い唐辛子よりも後をひく辛さで、水を飲んだり白米を食べたりしてもしばらく舌がしびれたままで大変でした。
牛肉とハチノスのピリ辛和え
4. キノコのニンニク炒め
醤油とニンニクで白ご飯によく合う、辛くないメニューです。ガチ中華というと日本では馴染みのないメニューしかないと思ってしまっていましたが、同じ東アジアですし、似たようなメニューもあるのだなと感じました。
キノコのニンニク炒め
5. 四川風唐辛子と鶏肉炒め(辣子鶏)
中国語でのメニュー名の由来は「唐辛子の中から鶏肉を探す」こと。大量の唐辛子の中からカリカリの鶏肉を探すのが楽しいメニューです。一見激辛に見えますが、あまり辛くない種類の唐辛子が使われているため、鶏肉はそこまで辛くありません。ちなみに中国人はこの唐辛子も食べちゃうそうですが、私には辛すぎるので断念しました…
四川風唐辛子と鶏肉炒め
6. 鶏もみじの醤油煮込み
とっても柔らかくて、味が中まで染みています。日本でもなじみがあるような味付けです。鶏皮が好きな私にはぴったりのメニューでした!
鶏もみじの醤油煮込み
7. 旨辛ザリガニ
オーナーの汪さんや店員さんが殻の剥き方を教えてくださいました。
殻をむくときに手が汚れてしまうのが難点ですが、海老よりも身が甘くてギュッと締まっているのがとってもおいしい!!
学校の裏庭に泳いでいたようなでかいやつを想像していましたが、もっとミニサイズで言われなかったら海老だと思ってしまうような見た目です。
8. 四川風カエルの青唐辛子炒め
カエルは魚と鶏肉の間くらいの食感と味。脂ののった白身魚、ホロホロした鶏肉といった感じでしょうか。こってりした味付けで癖になります。私はこれが一番お気に入りです!!
四川風カエルの青唐辛子炒め
中の身の部分しか食べないので、こちらもカエルだからといって見た目に抵抗はありません。ただカエルは小さいからか、どうしても骨を取り切るのは無理なようで少し口に残りました。
9. アサリと鶏肉炒め
アサリも鶏肉もたっぷりで食べ応えがありました!青唐辛子たっぷりでかなり辛いのですが、アサリの旨味がおいしい一品です。
アサリと鶏肉炒め
10. 焼き唐辛子と鶏肉和え物
茹でられたしっとりした鶏肉に、唐辛子や高菜のような野菜が載っている冷たいメニューです。ジューシーな鶏肉とトッピングの塩味がマッチしていて、お酒にも合いそうな味です。
焼き唐辛子と鶏肉和え物
11. ラーロウと干し豆腐の辛味炒め
ラーロウ(腊肉)というのは中国の干し肉のことで、このお店のラーロウは塩で漬けた後に燻製して作っています。日本で製造されたものだそうです。噛むほどにうまみを感じるラーロウがとってもおいしかったです!
ラーロウと干し豆腐の辛味炒め
オーナーの大連出身の汪旗さんについてお話します。
日本に来日したきっかけは、汪さんの伯父さんが日本の水産加工工場と取引していたこと。
伯父さんの仕事を日本から手伝いながら、日本語を勉強していました。
その後、日本の大学を卒業し、貿易会社で食材の仕入れを行っていました。最初はヨーロッパの食材が多かったそうですが、次第に中国食材も多く扱うようになりました。
10年ほど働いたのち、飲食店の経営にかかわるようになりました。貿易会社の中国人社長がもともと飲食店オーナーで、池袋にある社長のお店を手伝ったことがきっかけです。
独立して自分でも経営するようになり、アメ横などでお店を出していましたが、2022年に小米椒を始めました。現在でも食材の販売や調達を行う会社に勤めており、そのおかげで日本では珍しいウサギなども輸入できるのだそうです。ウサギは中国で使われている食材ですが、近年は中国内での生産はあまりないため、スペインから輸入しているんだそう。
汪さんは、小米淑のメニューについても中国料理についても優しく丁寧に解説してくださいました!! 例えば中国で飲食店が今のように発展してきたのは、2008年の北京五輪後なんだそう。社会主義の時代は個人経営の飲食店は禁止されており、国営店しかありませんでした。そのため家で食べることが多かったのですが、その規制がなくなってからは、飲食店が一気に発展し、創作料理なども増えていきました。その多様な料理が日本に入ってきたのが、ガチ中華となったそうです。
たくさんのメニューを食べられて、初めての食材にも挑戦でき、興味深いお話をたくさん聞けて、楽しい時間を過ごさせていただきました!
小米椒は、昼は定食スタイルなので一人でも行きやすく、夜は複数人でわいわい食べるのにちょうどいい、駅チカのガチ中華です。辛いメニューも多いですが、優しい店員さんに頼んだら辛さを抑えめに作っていただくこともできたので大丈夫!
またゲテモノ系もありますが、見た目ではわからないし、何より味がおいしいんです!! 私はかなり気に入ったので、ぜひ色々な人に挑戦してみてもらいたいなーと思います!!!
本格的な四川料理を食べたい方、ぜひ一度足を運んでみてください!
(泉山あにか)
店舗情報
小米椒
新宿区高田馬場3-1-3 東栄ビル 2F
営業時間 11:30~14:15、17:00~23:00
高田馬場駅から徒歩1分
代表からのひとこと
高田馬場にあるこの四川料理店を紹介してくれたのは、今年1月池袋で実施したトークイベント「いまアツい!ガチ中華の世界」に参加してくれた東北大学大学院の留学生の李慕榟さんでした。
https://deep-china.tokyo/press-release/33712/
李さんは大学院入学前に高田馬場に近い日本語学校に通っていたことから、小米椒によく通ったそうです。なにしろこの店のランチはライス食べ放題。昼時には若い留学生で行列ができたりする店なのです。
ぼくはこの店の話をForbesJapanというオンラインメディアで書いていいます。
「この店の日替わりランチメニューは一応1000円以内に抑えてあり、量もたっぷりでリーズナブルといえる。しかもご飯にスープ、中国のコンビニでよく見かける茶葉や醤油で煮込んだ煮タマゴの茶叶蛋とデザートも付いている。
この日の日替わりランチの1つは、鴨血(ヤーシュエ)というアヒルの血を煮凝りにした四川の定番食材入りの麻辣煮込みである毛血旺の定食だ。見るからに辛そうな真っ赤なスープで、本格派の四川料理である。
店の自慢は四川省や湖南省でよく食べられている干し肉の腊肉(ラーロウ)と干し豆腐の炒め(豆干炒腊肉)だ。四川出身のシェフのつくる自家製腊肉なので、料金は1480円とやや高めで丸の内のランチ価格に近いかもしれないが、中国人留学生には人気だそうだ」
※「高田馬場のガチ中華は中国人留学生の学食か 人気の店を紹介」
(ForbesJapan 2025.05.23)より。
ぼくは煮タマゴも含めて、とてもランチを食べきれなかったのですが、汪さんは「高田馬場で中国人留学生を相手にしようとしたら、四川料理は外せない。学生さんにおなか一杯食べてもらおうと、ご飯はおかわり自由」と話しました。
ごった返した店内で若い男子学生たちが何度も立ち上がって、おかわりしている光景は微笑ましかったです。
高田馬場に詳しいある人物が「高田馬場のガチ中華は中国人留学生の学食だ」と語っていたのは本当でした。