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公明党の存在感が薄れる背景

文化放送

ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時30分~17時、火~金曜日15時30分~17時35分)、6月9日の放送にジャーナリストの二木啓孝が出演。『そういえば公明党ってどうなっている?』というテーマで、昨秋の衆議院選挙で自公が少数与党になって以降、報道が少なくなっている印象の公明党の現状、今後について解説した。

長野智子「最近、(公明党は)野党に近いなというイメージはありました。このままだと存在感がどんどんなくなっていきますね」

二木啓孝「全然、ニュースに出てこないでしょう? ずっと凋落傾向ではあったけど、大きかったのは去年秋の衆院選の惨敗ですよね。あのときは石井啓一さんが代表だった。代表になってすぐ落選した。8議席減らしているわけ。公明党って選挙に強い、って皆さん思っていらっしゃると思うけど、2005年の比例でざっくり900万票もあった。去年秋の総選挙での比例が600万票。20年間で300万票、減っている」

長野「どういう背景があるんですか?」

二木「はっきり言って、公明党のバックの創価学会の会員がどんどん減っている、ということなんですよ。創価学会って宗教法人として公称827万世帯と言っていますが、膨らませている数字でね。実際は350万人ぐらいなんです」

長野「ええっ? そんなに違うんですか」

二木「宗教法人法は『本当ですか?』と検証しない。創価学会婦人部って聞いたことあります?」

長野「あります」

二木「選挙のとき婦人部の人が走り回る、電話かけまくる、ですよ。何年も高校時代の私の同級生から電話がかかってきました。電話して『お願いしますね』と言って、創価学会以外の人の『F票』と呼ばれる、フレンド票を集約するわけ」

長野「へえ~!」

二木「そのF票が膨らんでいた。婦人部はすごく力があったわけ。強烈な『平和・護憲・人権』で。亡くなった池田大作名誉会長が平和と護憲を言っていて。選挙のマシンと化していた婦人部の方々が高齢化した。あと自公で連立したのが1999年なんですね。このときから『平和』という主張がしにくくなってきた。とりわけ第2次安倍政権となって集団的自衛権の問題が出てきたとき、護憲・平和と言いづらくなった」

長野「はい」

二木「だんだん力が落ちていった、という経緯があった。聖教新聞は公称550万部。学会の人が2部、3部ととっているから。毎朝、おばちゃんたちがずっと配っていたけれど高齢化して厳しいので、だんだん一般の新聞の販売店に委託をし始めた。アクティブな人たちが薄れていくと必然的にさっき言ったフレンド票も減っていく」

長野「若い人も減ってきた、ということですよね。あとを継ぐ人がいなくて」

二木「学会の方、あるいは学会でお友達がいる方、日曜に集まって話し合いの会を行うわけです。古くからの会員は朝、勤行といって『唱える』わけ。若い人はそんなこと、ね。朝シャンしたいし、日曜は遊びたいし。そうなってどんどん減ってきています

長野「なるほど」

二木「公明党の政策よりも公明党を支える創価学会が高齢化によって弱体化していることが、この結果なんですね」

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