36歳、医療事務の《リアル貯金額》。60歳で退職したい。不自由なく暮らせますか?【FPが解説】
読者から寄せられたリアルな総資産額を大公開。質問内容から、改善できるポイントがあるのか、ファイナンシャルプランナーが解説します。【36歳 女性】
【貯蓄額】36歳、女性の場合
プロフィール
36歳、女性
医療事務の契約社員、年収250万円
一人暮らし
【相談内容】早期退職をめざしたいです。投資の取り崩しと年金だけで足りますか?
「勤務時間をもう少し増やして収入を上げたいです。65歳定年ですが、60歳で退職したいと考えています。投資からのとりくずしと年金で不自由なく暮らしたいですが、可能ですか?資産バランスは今のままで大丈夫ですか?」
現在の資産額の水準は?
質問者さんと同じ30代単身世帯の貯金額は、平均が594万円・中央値が100万円*です。
*……参考:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]令和5年調査結果」
質問者さんの資産総額は1,211万円と、平均より多い額となっています。
投資と給与収入、どちらを優先すべき?
質問者さんは、60歳での退職をめざして今後の資産バランスを考えていきたいとのこと。
目標を叶えるために必要なのは、「給与水準を上げて、60歳まで安定した収入を得られるようにすること」です。
投資による資産運用は常にリスクがつきもの。
安定した年収があれば、投資の失敗もカバーでき、老後への不安も和らぐでしょう。
また、年収が多ければ余剰資金を投資にまわしてより資産を増やせる可能性があります。フルタイム勤務をご希望されているので、正社員雇用をめざして就職活動されるのもよいかもしれません。
老後に向けた資産運用はどうするべき?
老後に必要な資金は次の式で計算できます。
必要な老後資金 =1か月間の(生活費-年金収入等)×年数+その他の費用
60歳で退職される場合、年金受給開始となる65歳までの5年間は貯蓄を取り崩して生活することになります。
60歳〜64歳単身世帯の1か月あたりの平均支出は約15.9万円*ですが、これをもとにシミュレーションすると、5年で954万円を取り崩す想定となります。
*……参考:総務省「家計調査家計収支編単身世帯男女年齢階級別2024年」(表番号2)
今はまだお若いので、資産の中で株式の比率が高めでも問題ありません。
ただ、今後60歳に近づいていく中で、国債(利付債)のようなリスクを抑えた運用への切り替えを検討してみましょう。
国債(利付債)は、年に1〜2回購入額に応じた利子収入を受け取れますので、年金代わりになりますよ。
発行元が国で償還時に元本が全額返済される仕組みのため、株式よりも低リスク。
ただし、国債は利率が低めなので、大きなリターンは期待できません。ある程度まとまった資金が用意できたタイミングで購入していくのがおすすめですよ。
まとめ
・まずは給与収入を上げて安定した収入を得ることを目標にしましょう。
・老後は利付債を利用して、年金代わりの収入を得るのがおすすめです。
※この記事では媒体で募集した情報を掲載しています。
◆綾瀬わか
AFPライター。元中学校・高校の国語教員。
資産形成や社会保険、教育等に関するお悩みを解決するお手伝いをしています。教員時代のスキルを生かして、相手に寄り添いながらわかりやすくアドバイスすることが得意です。より多くの方々が安心して生活できるようにお役に立ちたいと思っております。