草笛光子演じるアンジーが颯爽と登場する冒頭映像解禁 アクティブ・シニア応援試写会も『アンジーのBARで逢いましょう』
映画『アンジーのBARで逢いましょう』の冒頭映像が解禁。また、公開に先駆けてのアクティブ・シニア応援試写会のレポートも到着した。
導かれるようにやってきたアンジー
鮮やかな色の帽子と耳に大振りのイヤリングをつけた白髪の女性・アンジーがトンネルを抜け、風に吹かれて颯爽とやってくる。
工場の煙たなびく街のはずれまで歩いてきたところで、またひゅーっと風が吹き、立ち止まると、そこには長く空き家になっている店舗が。
賃貸物件の看板も錆びつくほど放置されて久しい様子。するとアンジーは、囲いを無理やり押しのけて店の中を覗き込む。
以前はBARだった店内のカウンターにはなんとヘビの姿がみえたが、驚くこともなく意味ありげに頷き、一言「いいねぇ」とつぶやく。
風にふかれて導かれるようにやってきたアンジーが、このあとどう行動していくのか、草笛の存在感ある演技に引き込まれる冒頭シーンとなっている。
アクティブ・シニア応援試写会を実施
また、公開に先駆けて、3月14日(金)に アクティブ・シニア応援試写会を実施した。
2025年は日本人の3人に1人が高齢者となる“超高齢者社会”が現実となる。その一方で今注目を集めているのが、仕事や趣味に積極的で、生産力も消費活動も他の世代と変わらない“アクティブ・シニア”と呼ばれる高齢者である。
草笛光子演じる本作の主人公、アンジーは「生涯現役を貫く」「ライフスタイルへのこだわり」「他者とのコミュニケーションを大切にする」「夜遊びを楽しむ」など、アクティブ・シニアの理想像ともいうべきキャラクターだ。
そこで今回、スクリーンで颯爽とした姿を披露するアンジーに元気をもらい、さらにアクティブ度を増してもらうことを目的に招待された65歳以上のシニア世代が試写会場に大集結。そして上映前には、本作の松本動監督が登場し、トークを実施した。
本作制作のきっかけについて、まず松本監督は「草笛光子さんが出演した『デンデラ』のプロデューサーが草笛さんに『日本の映画には、なんで脂の乗った、シニアの主人公の作品がないのよ、あなた企画しないの?』と言われたことが本作の生まれたきっかけでした」と説明。
そのプロデューサーとともに企画をすすめる中で、『デンデラ』の脚本家でもある天願大介への脚本を依頼したそうで「『デンデラ』でご一緒していて、草笛さんのことをよく知っている天願大介さんは1週間くらいで脚本を書きあげてきてくださいました。草笛さん=アンジーという感じで、あてがきです。ですので、アンジーそして草笛さんが魅力的に描けていると思います。アンジーはこれまで草笛さんが演じたことのないキャラクターになっています」と語った。
印象に残っている撮影のエピソードとしては「草笛さんが『この女って変な人よね~私こういう役をやってみたかったのよ、フフフフ~』っていたずらっ子のようにいってくださったのが思い出に残っています。この役を楽しんで演じてくださっているんだなぁと本当に嬉しくなりました」と振り返る。
また、‟注目してみてほしい“場面として、草笛さん演じるアンジーがBARを開業するためにリヤカーで色々買い出しに行くシーンを挙げた。「草笛さんにリヤカーに乗って頂けないか、とお願いしたところ快諾して頂けて、さらに草笛さんに『これロールスロイスだと思って、優雅に気品のある感じでお願いします!』とお願いしたところ『わかったわ』と言ってくれました。あんなにリヤカーを優雅にのりこなす人はいないんじゃないか、と思うほど素敵に演じてくれました!」と草笛とのやり取りを再現する様子に場内から笑い声も。
今回、寺尾聰、ディーン・フジオカ、石田ひかりなど共演者はみな「草笛さんの主演作だったらぜひ」と協力してくれた豪華なキャスティングの秘密を明かした。
松本監督は「草笛光子さんは、アンジーという役を演じるというより、生きてくださいました。だからこそアンジーはすごくかっこよくて、すごくチャーミングに映っていると思います。アンジーをぜひご堪能ください!」と熱く語り、シニア世代の観客から大きな拍手が。
上映後、参加者からは「見て良かった!こういう映画大好き」「草笛さんが素敵」など感想を言いながら笑顔で帰る方や、記念にポスターと写真を撮る方など、アクティブ・シニアもすっかり草笛光子が演じるアンジーの虜になった様子。
90歳を過ぎてますます凛とした存在感を増し、生涯現役を体現する草笛光子の最新作は人生を楽しくイキイキと過ごすヒントに溢れていること間違いなしだ。
『アンジーのBARで逢いましょう』は4月4日(金) 新宿ピカデリー/シネスイッチ銀座 ほか全国公開