<私はアッシー?>親戚乗せて、高速はムリだって!運転が苦手な私に夫「よろしく~」【まんが】
これは数年前の話です。私の名前はフミ。とある地方の中小企業で働く会社員です。同じく会社員の夫カイトと1歳になる娘のサナがいます。実家と義実家も同じ市内にあり、どちらも車で20分ほどの距離です。
夫は結婚まで実家ですごしてきましたが、義弟のリクくんは大学進学と同時に上京し、今も東京で暮らしながら働いています。そんな義弟が、このたび結婚することになりました。新婦のエリナさんも都内の会社に勤めていることもあり、東京で式を挙げるそうです。
義弟がこの度、結婚することになりました。結婚式は都内で開催されるとのこと。私たちは当日の移動手段について悩んでいました。
結婚式だし、お酒を飲むことを考えると、新幹線でいくのがベストです。しかし、うちにはまだ1歳の娘がいます。
1歳の娘を連れての新幹線移動はまだ早いかなと、不安がありました。そして、私は都内を運転したこともなかったし、高速道路も慣れていないので途中で夫の運転を代わってあげることもできません。
夫が今回の義弟の結婚式では、お酒を飲まないと言ってくれたので、東京への移動手段は車ということになりました。しかし数日後、義母から夫にある申し出があったのです。
エミコおばさんとは、義母の姉です。義母が、「どうせ車で行くんだったら、エミコの家族(3人)も乗せてあげて」と言い出したのだとか。
わが家の車はミニバンです。私たち一家3人とエミコおばさん一家3人、合計6人で多少窮屈にはなりますが、人数的に乗れないことはありません。
夫は快諾といった感じでしたし、しぶしぶ了承はしましたが、なんとなくモヤモヤします。ところがまた数日後、また新たな話がでてきました。
なんと、義実家の車を夫が運転することになったというのです。義父がお酒を飲みたいからという理由で、夫は義母に頼まれたのでした。
つまり運転経験の少ない私が、東京まで伯母一家も乗せて運転することになってしまったのです。夫は楽天家なのか、それとも何も考えていないのか、「大丈夫」の一点張りです。
普段は近所しか運転しない私が! 高速道路に1人で乗ったことのないこの私が! 親戚を乗せて遠方まで運転するなんてどう考えても危険です。絶対に引き受けるわけにはいきません。「私は運転しないから!」と今後も強く訴え続けるつもりです。
運転を断ったらワガママ?実家で本音がポロリ……両親の反応は!?
高速道路に乗ったのは自動車学校に通っていたときに一度だけ。そのときは隣に教官がいました。もし仮に、一般道で行ったとしても、何時間もかかるだろうし、遅刻したらそれはそれで私が責められるでしょう。それになにより、そんなに長時間、娘がおとなしく車に乗っていられるとは思えません。
私は普段は、必要最低限しか運転はしません。この辺だってなかなか遠くまで行くことなんてしないのに、ましてや親戚を連れて都内を走るなんて怖すぎます。
これだけ私が不安だと話しているのに、「自分は慣れているから大丈夫」=「妻も同じように大丈夫だろう」と考えられる能天気な夫の思考回路。いったい何を考えているのか……まったく理解できません。 それから数日経ち、娘と2人で実家へ行ったときのこと。両親の顔を見たらほっとしてしまい、ついポロッと今回のことを話してしまいました。すると……。
すると、私の両親は私が式当日の運転係をすることに猛反対!
夫にずっと「大丈夫」とばかり言われてきたので、「運転を断るのは私のわがままなのかな?」とさえ思い始めていました。しかし、両親にもおかしいと言ってもらえたことで私は少し安心しました。
「だいたい会場までの足なんて、新郎新婦が気を回すことだよな? なんで義理の姉であるお前が、そこまで犠牲になる必要があるんだ?」と父。 「遠方の場合って、親族全員が乗れるバスをチャーターすることとかもあるわよね。運転手付きとかで、ほらよくあるじゃない?」と母。
あとは、行きは自分たちで運転して帰りは運転代行を頼む、もしくはやっぱり、新幹線で行くなど方法はたくさんあると一緒に考えてくれました。さすが年配者。冠婚葬祭の経験が多いからこその意見です。
「そもそもさ、うちが夫婦で運転手をすることになるなら、新郎であるリクくんが頭を下げてお願いに来てもいいと思うんだけどねー」という私の発言に両親は驚きました。そう、この件に関して私は義弟と何も話せていません。夫が「もう弟と段取り組んだから」と勝手に言ってきただけだったのです。
もしかしたら夫が勝手に「フミに運転させればいい」と話を強引にまとめてしまったのかもしれません。夫の性格を考えると、これは大いにありえます。
夫が安請け合いしたのかもしれないと推測した母、なかなかするどいなと思いました。最初は夫が送迎すると言っていたのに、途中から義実家の車を運転するからできないと言い出したのを考えると、もしかしたら義両親も絡んでいるかもしれません。とくに義母は、「リクの結婚式、お金すごくかかるのよね~」と愚痴っていたのでかなり怪しいです。
仮に夫と義母が勝手に暴走しているだけだったとしたら、義弟に「こういう状況で困っています」と打ち明けてみることで何か状況が変わるかもしれません。さっそく、義弟と話せる機会を作ろうと思います。
【義母の気持ち】豪華な結婚式にするなら、私が節約してあげなきゃ!
次男のリクが結婚することになりました。リクと新婦のエリナさんは東京で働いていて、職場の同僚や上司、友人も東京近郊に住んでいるので、東京で式を挙げることにしたそうです。できれば地元で結婚式をしてほしかったのですが、まあ、職場の上司などを呼ぶ都合上、仕方がなかったのでしょう。それにしても困るのはお相手のエリナさんのことです。結婚式にかなり高い理想があるようで、ドレスや式場の装飾など、あらゆるもののグレードをどんどん上げていっているのだとか。いったい総額いくらかかるのでしょうか……?
リクたちの結婚式は、「こんなに豪華にする必要があるのかしら?」と言いたくなるくらいどんどんグレードをあげているようで金銭面が心配になります。余計なお世話だとはわかっていますが、つい言わなくていいことまで言ってしまいます。
エリナさんはアパレル関係の会社にお勤めだから、式をおしゃれでセンスあるものに仕上げたいのでしょう。結婚式は、なるべくお金を使わないように、できるだけ安くすませないと。あの2人は子どもが生まれたときのことまで考えているのでしょうか? 結婚式の後も、これからどんどんお金がかかってくるのです。
「母さんが心配してくれるのはわかるけれど、俺とエリナできちんと貯金してきた中から出すんだし、結婚式はエリナの夢でもあるんだから、あんまり口出ししないでよ」とリク。親の話なんて、聞く耳も持ちません。
エリナさんはバリバリ働く女性で、お給料もリクと同じくらい……と、前にちらりと聞いたことがあります。だからでしょうか、どことなく態度が大きく、結婚式のことでも一歩も譲ろうとしません。それに、エリナさんに直接なにを言っても、いつもこれです。彼女にはあれこれ言わせない「何か」があるのです。
「あなたのお母さん、うるさいんだけど」なんて告げ口された日には、またリクに怒られちゃう。口出ししないでとはリクからも言われているし。
どうにかして少しでも節約できないかしら? それでいてエリナさんにあれこれうるさく言われないように……何かいい方法はないかしら? 私はヘアセットやメイクを自分でして、あと削れるところは……いいアイデアが浮かびました。
「車で高速に乗って来るにしても、新幹線を使って来るにしても、どちらにしてもお車代が必要だよね」と、リクは私の姉・エミコ一家にお車代を出すと言っていました。そのエミコ一家をカイトたちの車に乗せてしまえば、その分はお車代が節約できます。 カイトたちはサナちゃんがいるからきっと車だろうし、ちょうどいいわよね!
うちのお父さんが「できれば当日お酒を飲みたい」と言っていたので、ついでに、わが家の運転はカイト、姉たちの送迎はフミさんにお願いすることになりました。
簡単に話がまとまったので、リクには「私の親戚のお車代はいらないわよ」とだけ伝えておきました。私は免許をもっていないので、カイトとフミさんが運転できる人でラッキーでした。全体からしたらお車代を節約なんてほんのわずかな額かもしれませんが、ムダなお金は1円でも使わないようにしてあげたいのです。きっとエリナさんがあまり気にしない部分(新郎親族の送迎や身支度など)で節約する分には、何も言われないはず。
我ながらいい案だと思います。引き続き、少しでも安くできそうな部分がないか探して、厳しく節約していきたいと思います。
【私の気持ち】「安全面は節約NG!」わが身を守るため、義弟に……「告げ口」?
私は、義弟に直接相談することにしました。
とある休日の午前中。私は意を決して、義弟にメッセージを送りました。
メッセージを送ると、すぐにスマホが鳴り響きました。義弟が慌てた様子で、音声通話をかけてきてくれたのです。義弟には、こちらの状況がまったく伝わっていなかったのです。
「リクくんの結婚式という晴れの日になにかあったら大変と思って……」と私は少しおおげさ感を出しながら話してみました。すると「本当にごめんなさい! 僕から母と兄さんに『フミさんには絶対送迎させないで』って言います!」義弟は私の気持ちをよく理解してこう言ってくれました。まさかこんなにうまくいくなんて……! 私はほっと胸を撫でおろしました。
義弟と電話で話した日の夜、義父からもお詫びの電話がありました。それに、義母にもちゃんと話したから安心してくれという内容でした。
義母は義父にしっかり絞られたようです。
義父がエミコさんたちにも「できれば新幹線で」とお願いしたら、「車で送ってもらうのは申し訳ないなって思っていたの。新幹線のほうがいいわ」とエミコさんたちの気持ちも聞けました。「いろいろ話がごちゃごちゃして申し訳ない」と、義父は何度も私に謝ってくれました。 リクくんに告げ口したことについて、義母に後からイヤミを言われるかもしれませんが、それでも事故を起こしてしまうより良いです。
話はここで終わりません。今度はわが家で、夫をしっかりと絞る番です。
「これからは相談なしに勝手に決めないで。次こんなことがあったら実家に帰るからね!」頭を下げながら謝る夫を見て、少しだけスッキリしました。
今回は無事に車送迎を回避できましたが、このことをきっかけに、義母には安全にかかわる部分の節約はやめてもらいたいです。遠距離移動をするのなら、運転に慣れている人、もしくはプロにお願いするべきです。それこそバスをチャーターするなど、いろいろ方法はあったはずなのに、ムリヤリ身内にやらせようとしたのはよくなかったですよね。結果、多方面に混乱を招いてしまいました。今後私も同じようなことがあったなら、節約のしすぎで安全への配慮を損ねていないかしっかり注意したいと思います。