都合のいい人になっていませんか?本当の「自由・幸せ・愛」を感じるための自分との向き合い方
「マインドセット」という言葉を聞いたことはありますか? コーチングやコンサルの世界では経営や人材育成に必要なスキルとして捉えられて広がっていますが、実は本来の言葉の意味としては「固定観念」や「考え方のクセ」のことを指します。 漠然と「仕事がイヤ」と感じたり、ひととの関係性に執着を感じたら、もしかするとマインドセットが影響しているのかもしれません。
マインドセットって?
マインドセット(mindset)を直訳すると人の考え方や好み、習慣ですが元々は心理学の用語で人間が持つそれぞれの「無意識の思考・行動パターン」「固定観念や思い込み」「物事を捉える時の思考の癖」を意味する言葉です。
出典: Schoo for Business schoo.jp
この文を読んで「!」と思ったひとは、もしかすると「自分らしさ」や「それぞれの個性」というワードに少し苦手意識があるのでは? 何らかの固定観念は、環境や家族構成、躾のされ方・思い込みなどによって知らない間に身についてしまう。そんな固定観念や思い込みに縛られていると、自由な発想より安全な方法を選んだり、ついネガティブな「~になったらどうしよう」という思考に囚われがち。
あなたは、どのタイプ?
マインドセットに囚われがちなタイプの1番手は真面目な頑張り屋さん。コミュニティでのふるまいに長けているお姉さん役で、人の面倒を見ることを任され、よく気が付き、その場をまとめるのが得意で、とにかく優しい。みんなが好きなお菓子や飲み物を自由に選んでいるときでも「私はなんでもいいよ」と残り物をやっと手にする。だけど、いざ「あなたは何がすき? 何がやりたい? どうしたい?」と聞かれると、途端にしり込みして明確に言えなかったりする。
試しに自分に質問をしてみよう。
「自分の性格は? 好きな食べ物、得意な料理は? 好きな色、行ってみたい外国は? 好きな音楽…」反射的にぱぱぱっと答えられるのは比較的自由に生きられている人。自分との向き合う時間がある人。
ちょっと考えないと思いつかない人や、そもそもこれらの意識が無い人は、環境の中での生き方、役割を果たすのはとても上手だけれど、本来の自分自身とうまく付き合えていないのかも。ということは? 役割のマインドセットに囚われてしまっているかも!?
「環境での役割」を外す
人間は誰しも「こうした方がうまくいく」と思うと安心し、うまくいけば「これが正しい」と思いがち。職場や家族、ご近所のコミュニティならお互いの意見を尊重し合うことも大切。
でも、自分自身のことならもっと自由でわがままでもいい。どうするべき、よりも「どうしたい」を優先させていけば、もっと自分と仲良しになれる、つまりストレスフリーな日々を過ごせるはず。
つい役割を頑張っちゃう人が、1番最初に外すと良さそうなマインドセットは「評価への執着」と「承認欲求」かもしれない。誰かに褒めてもらいたい、みんなに認めて欲しい、という欲求はどこまで行っても「他人」が存在しなければ成り立たない。
「自分の時間=人生」は自分のもの
「誰かじゃなくて自分で自分を認めて褒める」ことにもっと慣れていい。自分を認める、許す、好きになる。
周りの期待に応えることも大切だけど、めちゃくちゃ頑張っても意外と他人の評価はあいまいで「凄い」と尊敬してくれる場合より「便利」に使われちゃうことの方が多い。
それになぜだかこの頑張り屋さんタイプの人は、便利だと思ってすり寄ってくる人と、本当に自分を大切にしてくれる人を判別するセンサーが鈍い。
なぜなら「みんなと仲良くしなくちゃ」「人を嫌いになっちゃいけません」というマインドセットが働いていて、自分で自分にそう課しているから。
だから、うっかりしていると単なる「都合のいいひと」にされちゃうだけで、気の毒な場面もある。
それよりも、もっと自分を出して、得意なことや好きなことで誰かの役に立つ方が自分も周りもウレシイ。
好きなことをアピールして自分を出していけば、他人からのあなたのキャラクターや考え方が捉えやすくなる。「これは好きでしょう?」「あの案件、できそうじゃない?」「多分、得意だと思うからお願いしていい?」と、頼られることが増えるんじゃないかな? 得意なことのアピールは積極的にした方がいい。
搭載しよう!ご機嫌スイッチ
便利な人は、組織の中ではとてもありがたがられるけど、実は貢献度ほどには愛されない。感謝の積み重ねの愛はあるけど、それだけでは人との関係性は深まらない。頑張っているのに、失敗やピンチの時に助けてくれる人が見当たらないことだってある。いつも助けてもらっているから、と義理で手を貸してくれる人はいるかもしれないけど、あくまでもワンポイントリリーフだ。
他人軸で「役に立つ」生き方よりも、自分らしさを選ぶなら、一番に搭載しておきたいのが誰の手も借りず「いつも機嫌よく」過ごせるというスキル。つまりは自分のご機嫌スイッチをたくさん持っていて、いつでもどれかしらをオンできる人になっておく。隣のデスクの人がいつも不機嫌そうだと辛いけど、いつもにこにこ前向きだとそれだけで気分が楽。誰だってそうでしょう?
以前、小さなイベントで「あなたのご機嫌スイッチを教えて」と聞いてみたら「もう彼さえいればいいのよ」とアイドルを推している人もいれば、仕事帰りのコンビニコーヒーで幸せになる人もいたし、むしゃくしゃした日でもランニングをすれば爽快とか、サウナで整うとかの汗系の人もいた。もちろんスイーツやおいしいランチでの気分転換も素敵。
自分らしさ…を真っすぐ捉える
ご機嫌スイッチひとつでも、自分を理解していないと実はわからないもの。好きなこと、なんとなくできそうなことを集めて紙に書き出してみるのもいい。そう、ちょうど秋は手帳がお店に並ぶ季節だから、そんなことを書いてみる。文字を書くなら、好きな筆記具を選んでみることからスタートするのもまた面白い。100円ショップでも充分に揃うので、4、5本買ってみて書き味を試してみると、没入できる瞬間を味わえる。お気にいりの1本を相棒に任命してみよう。心ほぐしのワークとして、書くことは有効。
マインドセットはオフ、ご機嫌スイッチはオン
ついでに好きじゃないこと、やりたくないことも書いてみて「無理をしがちな自分」を自覚することも大切。「~するべき」なマインドセットを外して、きちんとワタシを真正面から受け止めつつ、ご機嫌スイッチをオンにしながら、今日も笑顔で過ごせたらいいよね。
人生は、そんな毎日の繰り返し。自分のために大切に贅沢に使いたいものね。
みやむらけいこ/ライター