松見町1丁目 新町内会館が完成 半世紀ぶり建て替え
建て替え工事を進めていた松見町1丁目町内会館がこのほど完成し、約半世紀ぶりに地域住民の交流拠点がリニューアルされた。5月11日には、関係者を招いて落成記念式典が行われた。
これまで使用されてきた会館は、1979年に建てられたもの。8畳ほどの部屋が2つの広さで、松見地区では近隣町会に先駆けて建てられた反面、最近は建物の老朽化やスペースが課題となっていた。
同町内会前会長の岡谷博さんは、2014年の神奈川区地域づくり大学校参加を機に、「イベントの開催や情報共有の場、子育てや防災の拠点として、地域がつながる居場所を次世代に残していきたい」とリニューアル構想を思い描いた。
資金面については町内会内外の100人以上から総額400万円を超える寄付があったほか、横浜市の補助金も活用。昨年夏までに旧会館の解体が完了し、同地で建て替え工事が行われた。
地元業者が手掛ける
新会館は平屋建てで、広さは約124平方メートルと従来の倍以上に拡張された。工事を手掛けたのは、松見町にある地元業者。設計を木村英雄建築設計事務所(木村英雄代表)、施工を岡地建工社(岡地俊明代表)がそれぞれ請け負った。
メインスペースは隣接する公園を「借景」として窓を大きくとり、木の梁をむき出しにした開放的な空間に。壁際の1面は引き戸を開けると、ダンスレッスンなどでも使える鏡貼りになっているほか、キッチンスペースも完備。入口のスロープやトイレなどは車いすでも使えるようバリアフリー仕様となっている。
また「地域の歴史を知ってほしい」という思いから、玄関口には八幡神社の祭礼用の神輿と太鼓が飾られている。
「寄りたくなる場に」
11日に行われた式典には、関係者ら約50人が出席して完成を祝った。
今年4月に岡谷前町内会長の後を引き継いだ瀧本雄次新会長は「新しい赤ちゃんが生まれてくれたような思い」とあいさつし、今後の活用方法については「災害時には皆さんの支えとなるのはもちろん、日頃からも商店街への買い物ついでにちょっと寄りたくなるような会館にしていきたい」と意向を語った。
これまで中心となって動いてきた岡谷前会長は「このような形で立派な会館ができたことは、まるで夢みたいな気分。支援頂いた方々に感謝を申し上げたい」と話した。