カラスに襲われないために覚えておくべき3つのポイント 「短く鳴く」のは警戒の合図
カラスの見方が変わるかもしれません。
低空飛行で飛ぶカラス。鳴き声を発し、人を威嚇して襲ってくるのは本当にこわいですよね。
カラスは、子育ての季節になるとヒナを守るために気性が荒くなります。
そして7月までは、その子育て真っ盛り。特に、ヒナが巣立つ6月は要注意です。
NPO法人札幌カラス研究会の中村眞樹子代表は、「カラスにとってもあんなに体力を使って人間に直接触れて攻撃するのはほぼ命がけなんですよね」と話します。
一方で今、異変が…カラスが「かなりの勢い」で減っているんです。
カラスから身を守るためには、どうすればよいのか?
そして、なぜ、カラスは減っているのか?調査しました。
中村眞樹子さんは、カラスと人間の関わりに興味を持ち、1999年から、札幌のカラスの生態を研究しています。
普段はおとなしいカラス。しかし、今の時期は、キツネやネコなどから卵やヒナを守ろうと気性が荒くなります。
そして、子どもが巣立つ6月は、親ガラスは特に攻撃的になるのです。
中村さんが教えてくれたのは、カラスが怒っているときの鳴き方。
「小刻みにカカカカって鳴いて何回も来るし、いかにも怒っているぞってわかります」
短く鳴くのが、その合図。こうなると襲ってくる可能性があります。
中村さんによると、襲われないためには「両手をあげて歩く」「傘をさす」といったことが有効です。このときは、走ったりしないようにしましょう。
頭を蹴ろうと襲ってくるカラスにとって、翼が引っかかって自らがけがをする危険があるため、襲ってこないのだとか。
翼を守ろうとする習性を逆手に取った、カラスから身を守る方法です。
そんなカラスについて、中村さんは、ある「変化」を感じています。
害虫が増える!?カラスが生態系に果たしている役割
NPO法人札幌カラス研究会の中村眞樹子代表によると、今札幌のカラスがどんどん姿を消しているのだといいます。
その数、20年前の約7000羽から3500羽ほどまで半減!
理由は、「2022年の鳥インフルエンザの流行」や「新幹線工事で札幌駅と桑園駅の間の緑道がなくなったこと」が影響しているのではないか、と中村さんは考えています。
人間の最も身近な野鳥でもあるカラス。その数が減少すると、どんな影響があるのでしょうか?
それは、ネズミや害虫の増加。
カラスが適度にこれらを食べてくれていたことで成立していたバランスが崩れることが心配されています。
カラスは、その見た目から嫌われてしまうことも多いのですが、一方でカラスが減ることで去年、大発生した「クスサン」や「マイマイガ」などが増えてしまうかもしれません。
中村さんは、「キタキツネを都会でよく見かけるようになったのはカラスが減少したからではないか」と話しています。
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カラスは、身近な存在だった分、その変化に関心を払う機会がありませんでしたが、きょうをきっかけに、自然環境の中での役割にも目を向けたいですね。
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2024年5月29日)の情報に基づきます。