望海風斗がマリア・カラスに扮し公開授業 舞台『マスタークラス』プラみちゃん貸切公演レポート
20世紀最高のオペラ歌手マリア・カラスが、ニューヨークの名門音楽学校ジュリアード音楽院で公開授業を行う様子を描く舞台『マスタークラス』が、2025年3月14日(金)より上演されている。
演出を森新太郎、翻訳を黒田絵美子が手がけ、元宝塚歌劇団雪組のトップスター・望海風斗が初のストレートプレイに挑む本作。3月21日(金)に世田谷パブリックシアターで行われた「プラみちゃん貸切公演」の様子をレポートしよう。
独自の席種・価格でのチケット販売、アフタートークの開催、サイン入りパンフレットなどの抽選会などが行われるイープラス貸切公演。今回は、望海とイープラスの貸切広報担当・プラみちゃんとの相思相愛を公言していることもあって初の「プラみちゃん貸切公演」となった。
アフタートークの実施、来場記念ポストカード進呈、抽選でサイン入りプログラム+非売品アクスタのプレゼントといった特典がつく公演となり、劇場ロビーにはプラみちゃん&マリア・ノゾみちゃん(マリア・カラスに扮した望海)のイラストボートやアクリルスタンドが飾られる。多くの方が記念撮影をし、開演前のロビーは大いに賑わっていた。
客席を巻き込んだ構成が楽しい舞台『マスタークラス』
世界中のオペラファンを虜にした歌姫マリア・カラス。本作は、彼女が現役引退後にニューヨークの名門・ジュリアード音楽院で行ったマスタークラス(公開授業)の様子を通して、芸術に対する想いや人生を描いていく物語だ。
本作において、客席に座る者は「舞台の観客」ではなく「公開授業の見学者」として扱われる。冒頭からカラスが観客に話しかけ、心地よいリズムで講義に引き込んでいく。カラスと生徒が本気でぶつかり合う場であると同時に、キャスト陣と客席のセッションのような雰囲気もあるのが楽しい。望海はカラスが発する毒のあるユーモアをおちゃめに聞かせ、歌や芸術に対する思いの強さをリアリティを持って届けていた。
また、伴奏者や生徒たち、道具係との掛け合いの面白さだけではなく、講義の中で自らの過去を思い出すカラスも大きな見どころだ。妊娠や結婚などのライブイベントが彼女の人生にどんな影響を与えたかが、回想シーンを通してドラマティックに描かれている。照明の落ちたステージに立ち、長セリフを自然に紡いでいく望海と、彼女の言葉に集中して聞き入る客席の様子が印象的だった。
オペラやマリア・カラスについて詳しくなくても、音楽や芸術に興味がある方ならカラスの熾烈なまでの情熱、歌に対する真摯さに多くのことを感じられるだろう本作。笑えてグッとくる“公開授業”に、ぜひ参加してほしい。
望海による特別カーテンコールを実施
衣裳のまま登壇した望海が「プラみちゃんを推してきた私ですが、その想いが叶って“イープラス貸切公演”ではなく“プラみちゃん貸切公演”です! プラみありがとう!」と笑顔を見せると、客席から大きな拍手が起こる。
「普段はカーテンコールでも作品の雰囲気を崩さないようにしていますが、プラみとなるとギアが入ってしまって……(笑)」と愛を爆発させつつ、「今日はマリア・ノゾみちゃんも誕生しました。来てくださった皆様にも本当に感謝です」と語った。
「大阪でもプラみちゃん貸切公演があります。もしよかったらよろしくお願いします。今後ともイープラス、プラみ、望海をよろしくお願いします」と笑わせ、最後に「イープラスのeはエンターテインメントのeらしいです。エンタメが皆さんにとってのプラスになるようにという思いで名付けられていると思う。マリア・カラスの最後のセリフに通じるところもあると感じます。皆さんにいいことがあったら嬉しいです」と、観客への愛も感じさせる言葉で締め括った。
『マスタークラス』の魅力や貸切公演の感想は……
終演後、抽選でサイン入りプログラム+非売品アクスタ当選者様にお話を伺いました。インタビューに答えてくださった皆様、ありがとうございます!
一人目は宝塚時代から望海のファンだという女性。
ーー望海さん初のストレートプレイですが、いかがでしたか?
「宝塚時代から望海さんのファンで、望海さんが出演する公演はできるだけ見たいと思っています。元々ミュージカルが好きで、そこから望海さんを知ってファンになりました。だから、今回はミュージカルじゃないんだという思いもあったんですが、ミュージカルとかストレートとか関係なく感動しました。今日が2回目の観劇ですが、本当に素晴らしかったです。最前列で見られた上に抽選に当たったのが嬉しくて、今年1年の運を使い切った気分です(笑)」
2人目の方も、二番手時代からの望海ファンだという。
ーー望海さんのどんな部分が好きですか?
「今日も少し男性役をやってらっしゃいましたが、役になりきる姿が大好きですね。(この作品では)歌わないとおっしゃっていましたが、少しだけ歌ってくださいましたし、お芝居の上手さも全面に出ていて期待以上でした。望海さんがプラみちゃん推しなので、イープラスの貸切公演はほとんど毎回チケットを取るんです。でも抽選に当たったのは初めてで嬉しい。しかもサイン入りプログラムとプラみちゃんだけじゃなくマリア・ノゾみちゃんまでついていたので、どうやって友達に自慢しようかと思っています(笑)。大阪のプラみちゃん貸切公演も楽しみです!」
続いては、当選者さんとご友人親子の3名で答えてくれた。
ーー皆さん望海さんのファンなんでしょうか。
「望海さんがきっかけで、宝塚時代に知り合いました。他の部分でつながりはない(笑)。望海さんのおかげで楽しいことや知り合いが増え、宝塚以外でも色々な作品に出会えて本当に感謝しています」
「舞台姿も歌声も素敵で、人生そのものがドラマ性もあるし人を惹きつける魅力がある。そういうところにすっかりハマっています」
ーー今回の作品で特によかった部分を教えてください。
「女性らしい仕草も魅力的ですし、心の底からセリフを言っていることが伝わってきます」
「望海さんが(宝塚)在団中から、自分はこうやって舞台を作っていくとか、周りの人にこう向き合うとか、舞台について語っていたことがマリア・カラスさんの言葉として出てくる。望海さん自身の言葉に聞こえる部分もあって、そこも好きでした」
「あとは歌声ですね。オペラの勉強もされたと話していましたが、ほんの少しの発声でも普段との違いがわかる。いろいろな声色を持ってらっしゃるし、悲劇的なシーンもコミカルなシーンも魅力的に演じられていて大好きです」
ーーありがとうございます。抽選に当たった感想も教えていただけますか?
「本当に嬉しいです。手元にあるのは記念になるし、望海さんを近くに感じられて嬉しいです」
「お友達が当てたのを見ただけで嬉しいですね」
「ぜひ、マリア・ノゾみちゃんとプラみちゃんをいろいろ作っていただけたら嬉しいです。2ショットのアクスタとか、みんなが手に取れるグッズがあったらいいなと思います」
望海とプラみの相思相愛っぷりも好評だった「プラみちゃん貸切公演」。大阪では4月11日(土)19:00公演に実施される。
取材・文=吉田沙奈 撮影(舞台写真以外)=岡崎雄昌