秋の行楽シーズン クマ出没に注意を 「興奮しない、させない」こと
秋の行楽シーズンを迎えるが、冬の準備のためツキノワグマがエサを求めて活発に活動する時期とも重なる。市内でもクマの痕跡や目撃情報が寄せられており、被害に遭わないための注意が必要だ。
今年4月から9月までに寄せられた目撃、痕跡、そのほかのクマに関する情報は大山、子易、日向などで11件、前年同時期の7件を上回る。
8月10日には子易地区で飼養の鶏に執着し、地域住民に被害を及ぼす危険性があると判断された体長125cm、体重69・5kgのツキノワグマが捕殺されている。
クマは元来、臆病な性格であるといわれ、積極的に人を襲うことはないが、出あい頭などで身の危険を感じると人に攻撃してくる場合などもあるという。クマによる人身被害を防ぐためには「クマと遭わない」「クマを引き寄せない」ことが第一だが、それでも遭遇した場合は「興奮しない、させない」ことが基本となる。
クマに出あわないためには、「出没状況を収集し、危険な場所に近づかない」「朝夕や霧が出ているときの行動は避ける」「鈴、笛、ラジオなどを身に着け存在を知らせる」ことなどが大切となる。
万が一、遭遇した場合は「静かに立ち去り、走ったり、逃げたりしない」「大声を出さず、持ち物をひとつずつ置いて、クマの気をそらしながらゆっくり立ち去る」。子グマを見かけた場合は「親グマが付近におり、危険なため速やかに安全な場所へ立ち去る」としている。ハイキングコースなどには注意を呼び掛ける看板なども設置されている。
市農業振興課ではクマを引き寄せないために「野山に生ごみを捨てたり、野生動物にエサを与えたりしないこと。残飯などの味を覚えたクマが人里周辺まで接近し被害を与える場合もある」とし、「生ごみのほか、廃棄果樹や野菜なども適切な処理が必要」と注意を呼び掛ける。
クマを見かけた場合は湘南地域県政総合センター環境調整課【電話】0463・22・2711、市農業振興課【電話】0463・94・4664、伊勢原警察署【電話】0463・94・0110へ。