アイマスクつけて体験 視覚障害者の支援学ぶ
視覚障害者のサポートを基本から学ぶ講習会が11日、加里屋中洲の赤穂市民会館であり、講義と体験で正しい支援方法を学習した。
視覚障害には、まったく見えない「全盲」と、眼鏡などで矯正しても日常生活に支障がある「弱視(ロービジョン)」のほか、視野が狭まったり一部が欠けたりするケースや、明るさを過剰に感じる「羞明(しゅうめい)」など症状はさまざま。先天性だけでなく、加齢や病気などにより中途から目が見えなくなる人もある。国の統計では国内の視覚障害者の人数は27万3000人(2022年)となっているが、障害者手帳の交付申請をしていない人も少なくなく、実際は約5倍の人数に上るとの推測もあるという。
講習会は赤穂市視覚障害者福祉協会が主催。社会福祉法人兵庫県視覚障害福祉協会の小林由夏さんと玉利千英さんを講師に招いた。参加者はペアになり、アイマスクをつけて目が見えない状態になった相手にちらしの内容や飲食店のメニュー表を口頭で伝えたり、自分の腕を持たせて歩行を先導する「手引き」を体験。相手の希望や気持ちに応じて支援する大切さを学んだ。
人は五感で得る情報の8〜9割を視覚に頼っているという。赤穂市では約160人が視覚で障害者手帳を持っており、小林さんは「街中で白杖を持った人を見かけたら、きょうの体験を活かして声を掛けてみて」と呼び掛けた。
講習会は10月21日(火)午後1時〜4時にも同会館であり、参加を受け付けている。Tel080・4230・3224(荒木さん)。