【リアル給与明細】営業職の男性。生活がギリギリ……。今の給料で貯金できますか?【FPが解説】
読者から寄せられたリアルな給与明細を大公開。質問内容から、改善できるポイントがあるのか、ファイナンシャルプランナーが解説します。【26歳 アウトドア営業職】
【リアル給与明細】26歳、アウトドア営業職の場合
プロフィール
26歳、男性
アウトドア系のサービス業営業職。スポーツツアーの企画実施。
▼現状
労働時間:月160時間(残業50時間)
ボーナス:なし
家族構成:1人暮らし
世帯年収:240万円
【相談内容】生活していくのがギリギリで、将来を見据えた貯蓄ができません。今の給与で最低限いくら貯蓄が必要ですか?
解説するのは……
◆綾瀬わか
AFPライター。元中学校・高校の国語教員。
資産形成や社会保険、教育等に関するお悩みを解決するお手伝いをしています。教員時代のスキルを生かして、相手に寄り添いながらわかりやすくアドバイスすることが得意です。より多くの方々が安心して生活できるようにお役に立ちたいと思っております。
平均よりもかなり低めの給与水準
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、質問者さんと同世代同職種の平均年収は約484万円*。
質問者さんの年収は240万円ですので、平均よりもかなり低めの給与水準と言えます。
*……参考:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」(表番号5)
20代後半からの人生設計で大切なことは?
質問者さんは生活するのがやっとで将来に向けた貯蓄もできず、悩まれているご様子。
さらに残業時間も月50時間と非常に長めです。
労働基準法で定められた残業時間の上限は月45時間、年360時間。この状態が6か月以上続いている場合、労働基準法違反の可能性があります*。
*……参考:厚生労働省「時間外労働の上限規制」
転職を検討してみてはいかがでしょうか。
まだお若いので、転職には大変有利なうえ、転職することで労働条件が改善され、給料アップも期待できます。
20代後半はキャリアアップのために自己研鑽を積み、将来のライフイベントを見据えて貯蓄を増やす時期です。
キャリアアップに必要なのは、昇給や資格取得のために勉強し、自己投資に時間を割くこと。人生の幅が広がりますし、長期的に見れば給料の高い仕事に就ける可能性も高くなりますよ。
30代では結婚、住宅購入など多額の資金が必要なライフイベントが待ち構えています。将来に向けた経済的な土台作りができるように、20代のうちに今後のキャリアプランも含めて検討してみましょう。
手取り15万円で毎月貯める金額は?
総務省の家計調査によると、質問者さんと同収入帯単身勤労世帯の家計費の平均は次の通りです。
食費3.8万円、住居費3万円、光熱費1.2万円、衣服4,700円、通信費6,800円、貯蓄4万円*。
*……参考:総務省「2024年家計調査 家計収支編 単身世帯 詳細結果表」
手取りの20%である月3万円を目安に毎月貯蓄しましょう。
都内にお住まいの質問者さんは住居費を抑えるのは難しいので、その分、食費や光熱費など可能な範囲で節約してみてくださいね。
また、いざというときの生活防衛資金として、生活費の3〜6か月分を貯蓄しましょう。
まとめ
・平均よりもかなり低めの給与水準。
・20代後半からはキャリアアップのために自己研鑽を積み、将来のライフイベントに向けて貯蓄を増やすことが大切。
・手取り15万円の毎月の貯金額は、貯蓄率20%を目安とした3万円。
※この記事では媒体で募集した情報を掲載しています。