11年ぶりの銀幕復帰!ソン・ヘギョ主演のオカルト映画「黒い修道女たち」が国内外で好調スタート!
ソン・ヘギョが、約11年ぶりに韓国の映画界に還ってきた。去る1月24日に本国で公開されたオカルト映画『黒い修道女たち』だ。
公開後まだ数日しか経っていないものの、すでに彼女の演技に対する評判が聞こえてきており、興行まで順調。1月29日午前中の段階で、観客動員数100万人を突破した。
今年に入って公開された韓国映画計10本のなかで100万人を超えたのは『黒い修道女たち』が2作目。非常に好調なスタートを切ったといえる。
ドラマ界では長年活躍してきたが、スクリーンからは遠ざかっていた彼女、しかもオカルトものは初挑戦。『黒い修道女たち』はソン・ヘギョの代表作に仲間入りをするのか。彼女のキャリアに触れ、本作に対する観客の反応を紹介する。
(図)Danmee読者12,273人が選んだ「新韓流四天王」4人
約25年トップを守り続けるソン・ヘギョ
ソン・ヘギョといえば、『秋の童話』(KBS/2000)で脚光を浴びて以降、次々と主演ドラマを成功へと導き、約25年にも渡ってトップ女優の座を守り続けている。韓流創成期からの韓ドラファンなら、お茶の間に常に彼女の姿があったのをご存じだろう。
20代から40代へと少しずつ色を変えながらロマンスもので活躍。中国進出のため一時空白期があったものの、何事もなかったかのように韓ドラ界に復帰して、さらっとヒットを飛ばしてきた。
また、2022年には『ザ・グローリー 〜輝かしき復讐〜』シリーズ(Netflix/2022、2023/以下、ザ・グローリー)で役者としての新境地を開拓、今後も当分トップの座を譲る気配は全くみられない。
しかし意外にも映画は、ドラマほど目立つ作品がないのをご存じだろうか。ドイツや中国で製作されたものを除くと、出演作は合計5つで数も少なく、いずれも良作ではあるが大成功とは言い難い。『黒い修道女たち』が、流れを変える起爆剤となるのか気になるところだ。
『黒い修道女たち』の鑑賞ポイント
そんな本作は、カトリック系のエクソシズムを題材にして脚光を浴びたカン・ドンウォン主演作『プリースト 悪魔を葬る者』(2015)のスピンオフ版。
悪霊に取り憑かれた少年を救うために奮闘する人々の物語で、ソン・ヘギョは、禁止された儀式によって少年に憑いた悪霊を祓おうとするユニア修女を演じている。
もちろん悪魔祓いのシーンも含まれており、彼女がどのように演じているのか、初のオカルトものをどう消化するのか、公開前から熱い視線を浴びていた。
また本作の見どころはそれだけでなく、チョン・ヨビン扮するミカエラ修女と協力して悪霊に挑む女性同士の連帯や、彼女たちのバイタリティー溢れる姿もポイントで、この2つにフォーカスして制作されたという。
近年、女性を主人公にして、自立や奮闘など様々な視点から描いたドラマがトレンドだが、『黒い修道女たち』にもその要素が溶け込んでいる。
作品のテーマに賛否両論
ところが今、この2つのテーマに重きを置いて描かれた点が、観客の意見を二分。単なるオカルトものに止まらない人間ドラマをプレゼントしてくれる作品として、高く評価する人がいるのに対し、正統派のオカルトを期待していた人からは、少々生ぬるいのではないかとの反応が。
悪魔と戦うシーンや、エクソシズムを否定する者とそうでない者との教会内の派閥など、存分に描かれているかと思いきや、そうではなかったことに肩透かしを食らった気分になったようだ。
特に、『プリースト 悪魔を葬る者』の世界観をイメージして鑑賞した人には、意外ともいえる作品の方向性に驚きの声が上がっている。
約17年ぶりにバラエティー番組に出演して、自らプロモーション活動を行い、YouTube(ユーチューブ)の各コンテンツでも、本作の紹介をする姿が目立つソン・ヘギョ。『黒い修道女たち』に、並々ならない思いで挑んだことが予想されるだけに、本人はもちろん彼女のファンも作品の成功を願っていることだろう。
(ライター/西谷瀬里)