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群馬県榛名湖で落水者を魚探駆使して捜索。ベテランのバスアングラーが高崎市等広域消防局から感謝状

釣具新聞

高崎市等広域消防局から渡された感謝状を手にする貫井さん

群馬県の榛名湖でバス釣りをしていた男性が湖での行方不明者捜索に協力したとして、高崎市等広域消防局(高崎市、中村均消防局長)から感謝状を受けた。

湖に人が落ちたとの声を聞き、直ちに釣りを中断しボートで現場へ急行、不明者発見に貢献した男性の迅速な行動に称賛の声が上がっている。

この男性は、埼玉県入間市に住む貫井優作さん(33)。子どもの頃からバス釣りが趣味で、14フィートのアルミボート(3台目)も所有するバスアングラーだ。

小学2年生からバス釣りをしてきた貫井さん

昨年10月2日。仕事の休日を利用して榛名湖へ向かった。同湖への釣行は年間5~10回だが、令和6年は例年と比べ良い釣果が得られたので、いつもの年より多かった。50㎝のラージが同湖での自身の最大サイズという。

榛名湖ではマイボートが禁止なので、馴染みのボート屋さんからレンタルし、午前7時に出船。何尾かヒットした午前10時過ぎ。別のボートで釣りをしていた人から「岸から湖に落ちた人がいる」と聞き、これは一大事と現場へ急いだ。

その場所は、貫井さんのボートから200mほど先の岸寄り。平日でもあり、出船していたのは貫井さん、行方不明者が出ていることを教えてくれた釣り人のほか、2~3艇だった。

貫井さんは、この時のことを「ライフジャケットを着けていなかったのかなと思いながら、人が落ちた方向へボートを向けました」と振り返る。

ボートに設置した高性能魚探・ガーミンで場所を特定し、消防に連絡

現場は岸から徐々に深くなっていく地形。付近の人から「ここから落ちて、まだ発見できていない」との情報を得、ボートに設置した自身の魚探(ガーミン)を操作、落ちた付近から角度を変えながら水中の探索を開始。

目撃者から聞いた落下場所を中心に30m四方を調べ、30分ほど経過後、岸から10mほど沖に進んだ付近で魚探に反応が現れた。ガーミンは真下だけでなく、前方の水中の様子も映し出すことができる高性能の魚探だが、貫井さんはその最新機器をうまく活用した。

「普段、釣りをするところならここに木が沈んでいるとか、湖底の様子は分かりますが、そこはエリア的に釣りをするところではありませんでした。水草が多いエリアで、弱く映る水草に混じって、やや硬い反応が出たのです」。岩石より弱く、水草よりも硬い反応。おおよその大きさも確認できた。

すぐさま、陸にいた消防隊員に「この辺があやしいですと伝えました」と貫井さんは、ダイバーが到着するまでの間、操船して捜索範囲をさらに広げたが、「先ほどのような反応は魚探に現れませんでした」という。

迅速な判断と適切な処置によって人命救助に尽力したと感謝状

その後、行方不明者は貫井さんが指示した付近で、ダイバーによって引き上げられた。ヘリが現場上空を飛び、一時騒然となった現場で、ダイバーが到着するまでの約2時間、貫井さんは捜索活動に協力した。

残念ながら亡くなってしまった行方不明者だが、その発見に貢献した貫井さんは、10月31日、高崎市と安中市を所管する高崎市等広域消防局から感謝状を受けた。迅速な判断と適切な措置によって人命救助に尽力したとの理由だ。

この出来事は、貫井さん勤務地などでも発行されている日刊のローカル紙にも取り上げられ、話題となった。

貫井さんがバス釣りに没頭するようになったのは、10歳年上の従妹と行った小学2年生の時のバス釣りがきっかけ。以来、フローター、アルミボートも所有する生粋のバスアングラーだ。

「初めて釣ったバスは35㎝ほど。まだ小さかったのでよく覚えていませんが、リールを巻いているときは、まるで散歩している犬にグイグイと引っ張られているような感覚でした。無我夢中でリールを巻きました」。バスフィッシングの魅力は、季節によって居場所が変わるなど戦略性が高い点という。

「今回、このような形で行方不明者の発見に協力できて良かった。いろいろと指摘されているバス釣りですが、良識を持って末永く続けていきたい」と話している。

【小島満也】

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