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世界で最も密猟されている動物とは?「攻撃力:ゼロ / 防御力:丸まるだけ」なセンザンコウを徹底解剖

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世界で最も密猟されている動物とは?「攻撃力:ゼロ / 防御力:丸まるだけ」なセンザンコウを徹底解剖

「世界で最も密猟されている生き物」に迫る

「センザンコウ」という生き物をご存知だろうか。アルマジロのようでもあり、松ぼっくりというかダンゴムシのようでもあり、恐竜にも見える。アフリカ~アジアの熱帯地域に生息する珍獣で8500万年前から存在するが、<WWF>によると「世界で最も密猟されている生き物」の一つなのだという。

センザンコウは攻撃・反撃の術を持たないし、噛むことも暴れることすらしない。なぜ、そんな完全に無害な生き物が絶滅寸前なのか? それは革製品や食肉としてだけでなく、ウロコが様々な漢方薬の原料として珍重されていることも理由だという。つまり人間のせいなのだ。

Netflixドキュメンタリー『センザンコウ:心を癒す旅』独占配信中

中南米に生息するアルマジロとは似て非なる生き物で、歯はなくシロアリ等を主食とし、ウロコを持つ唯一の哺乳類とのこと。身を守る唯一の手段でもあるウロコ(とはいえ丸まるだけ)が仇となり、迷信レベルの理由で密猟されているわけだが、センザンコウがいなくなってしまえば当然、森の生態系にも悪影響が出る。

そんな珍獣を愛ある視点で見つめるドキュメンタリーが、Netflixで配信中の『センザンコウ:心を癒す旅』。保護されたセンザンコウは繊細な生態ゆえ1匹につき1人の専任ボランティアが付くが、少しケアすればすぐに野生に戻せるかというと、そんなに簡単なものではないようだ。

Netflixドキュメンタリー『センザンコウ:心を癒す旅』独占配信中

センザンコウを通して生き物を、自然を見つめ直す

本作が密着するセンザンコウ保護活動は、南アフリカのラパララ自然保護区で行われている。そこでボランティアに従事する男性が担当した、<ギジマ>と名付けられた幼いセンザンコウが主な撮影対象だ。そして驚くべきことに、かれらが重視しているのは傷ついたセンザンコウたちの「心のケア」だという。

ボランティアたちもセンザンコウを通して食料であるアリを知り、生き物を知り、やがて自然を知る。もちろん保護プロジェクト存続のためのプレッシャーもある。希少種を守るためのボランティアであると同時に、かれらにとっても代えがたいセラピー的な側面もあるようだ。

Netflixドキュメンタリー『センザンコウ:心を癒す旅』独占配信中

このドキュメンタリーを観れば、のしのしヨタヨタ歩くセンザンコウのかわいらしさにメロメロになるだけでなく、その神秘的な存在感に感嘆し、密猟に対する怒りも湧いてくるだろう。そしてタイトル通り、センザンコウの不思議な魅力に心が癒やされるはずだ。

Netflixドキュメンタリー『センザンコウ:心を癒す旅』独占配信中

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